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 都市の音楽を更新し続けるトラック・メイカー
 
 東京の音楽シーンを牽引し続けるアーティスト、Calm。彼の音楽作りは、Macを主体として行われている。今回は、Macでの音楽制作におけるプロフェッショナルとしての姿勢についてCalmが語ってくれた。
 
Q 現在のスタイルになる以前はバンドをやっていらしたそうですが、Macで音楽を作り始めたきっかけはなんだったんですか。
 
<Calm> 96年からMacを使っているんですけど、当時たまたまMacで曲を作っている友達がいたんです。その友達の制作作業を見て「あ、ひとりで全部できるんだ」ということを知ったのがきっかけです。
 
Q バンドで音楽を作ることと、Macを使って音楽を作ることの違いを教えてください。
 
<Calm> 時間のかけかたが圧倒的に変わりましたね。バンドをやっていた時は、メンバー全員に自分の意志を伝えて、そこから音を合わせる、というコミュニケーションを取らなければいけなかったんです。それがMacだと自分のやりたいと思ったことはすぐに作業に取り掛かることができるようになった。それから、金銭的な面でもずいぶん楽になりました。バンドで練習するときには毎回練習スタジオに入らなければいけなかったりして、なにかと出費がかさむんですよ。Macでの曲作りはソフトとハードにかかる初期費用をどうにかすればプロと同じ環境を手に入れることができますから。
 
Q 曲作りのハード、ソフト環境を教えてください。
 
<Calm> 曲作りは主にPower Mac G4です。PowerBook G4には、作っている途中の楽曲データファイルを入れて持ち歩いたりしています。今、注目してるのはiPod。これがあれば、楽曲ファイルをもっとコンパクトに持ち運びができるようになりますよね。ハードディスクとしての使い方 にもまだまだ可能性があると思います。ソフトはEmagic Logicです。Macを使い始めたころからずっとLogicを使っているんですけど、使い始めたころと比べると、できることは格段に進化しましたね。
 
Q バンドでやっていたころと現在では、音楽のテイストは変化したんですか。
 
<Calm> 他人が聴くと全然違うことをやっているように思われるみたいなんですけど、自分の中では曲作りのプロセスは変わってないんです。僕にとってMacはあくまでも楽曲制作のためのツールなんですよ。だから、ツールが変わっただけで、自分のマインドや方法の面での変化はないと思っています。
 
Q でも、作業過程はずいぶん変わったんじゃないですか。
 
<Calm> んー、夜更かしするようになったことは大きな変化ですね(笑)。いい曲ができてくるとアドレナリンが出てきて眠れなくなるんですよ。アイディアが思いつくときは3日くらい寝ないで作業をすることもあります。
 
Q コンピュータで楽曲を作ると、トラックを無限に追加できたりエフェクトを際限なくかけることができる。でもCalmさんの音楽は決して音数が多いものではないですよね。作業の“やめ際”はどのように決めているんですか。
 
<Calm> いろんな人に聞かれるんですけど、それはもう感覚としか言いようがないですね。それまでに聴いてきた音楽とか、その人が持っている引出しの中でジャッジするしかないんです。だから、同じ機材を使っていても、その“やめ際”に作っている人間の個性が出てくるんじゃないかと思います。
 
PROFILE
Calm
Calm

横浜の大学でのバンド経験を経て、97年にシングル『Calm EP』にてデビュー。翌年の『Shadow of the Earth』にて静かな反響を呼ぶ。99年の『Moonage Electric Ensemble』をリリースする頃になると、その人気は日本全国区〜欧州にまで及ぶように。02年にはOrganLanguageという別名プロジェクトを展開。Calm作品にはない肉感的なリズムを、多くのミュージシャンたちと共に構築する。また、自身のプライヴェート・レーベルMusic Conceptionもスタートさせ、既に4組の新人アーティストたちに発表の機会を与えている。

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