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ESSENTIALS

掲載: 2005/02/24

ソース: 『bounce』誌 261号(2004/12/25)

いまなお輝き続ける名盤たち

文/JAM、出嶌 孝次、林 剛



ERMA FRANKLIN 『Soul Sister』 Brunswick(1970)

 アレサ・フランクリンを姉に持つ血統確かなソングストレス。しかしながら、キャリアも長い人なのに、なぜかこれというヒットには恵まれなかった不遇の女性でもある。それはアレサの影がいつもついて回ったことと無関係ではないと思うが、脂の乗っていたブランズウィック時代を聴き返せばわかるとおり、彼女には彼女にしか醸し出せない得難い魅力があった。名盤である。(JAM)



MARYANN FARRA & SATIN SOUL 『Never Gonna Leave You』 Brunswick/ビクター(1975)

 女性シンガーのマリアン・ファーラをメインに据えたグループのアルバムで、本レーベルのレア・アイテムだった一枚。“You Got To Be The One”“Stoned Out Of My Mind”などのシャイ・ライツ曲を取り上げ、マリアンの脱力系ヴォーカルでメロウに迫るあたりが何とも〈イマ受け〉しそう。自己名義作も出しているトニー・ヴァラーの曲はディスコ・モードだ。(林)



THE ARTISTICS 『I'm Gonna Miss You』 Brunswick(1967)

 カール・デイヴィスがオーケーから引っ張ってきたシカゴのヴォーカル・グループ。シャイ・ライツに先んじてブランズウィックから登場しながら、いまひとつ実績を残せなかった彼ら。だが同社からの初作となる本盤では、最大のヒットとなった表題曲を筆頭に生粋のシカゴ・ソウルを目一杯聴かせてくれる。リードのマーヴィン・スミスによるゴッツリした歌声もいい。(林)



EXIT 9 『Straight Up』 BRC(1975)

 これっきりで消えたと思われる9人編成の黒白混合ファンク・バンドで、レーベル仲間のイリミネイターズを手掛けたアロンゾ・タッカーも助力。勇壮なホーン、タイトなギター、疾走するパーカッションなどを束ねてキレのいいグルーヴを叩き出す演奏力とセンスは全員が20歳以下とは信じ難いほどだし、アップもスロウもドス黒く歌いきる白人リードもソウルフル! いまこそ聴かれるべきグルーヴィーでヤバい傑作!(出嶌)



ODYSSEY 5 『Odyssey 5』 BRC/ビクター(1974)

 ちょっと見渡しただけでも女性グループは星の数ほどいるが、ことカルテットということになると、ちょっと他例を捜すのに苦労しそうだ。アルフォンゾ・タッカーの後押しでデビューしたこのオデッセイ5はブランズウィックの傍系レーベル=BRCから74年にアルバムを1枚のみリリースしていた5人組。ハーモニーは荒削りながら、女性グループらしい華やかな音像満載の一枚。(JAM)



BARBARA ACKLIN 『Seven Days Of Night』 Brunswick(1969)

 シカゴ出身、ソングライターとしても才覚を発揮してきたバーバラ・アクリンの2作目。ディオンヌ・ワーウィックのカヴァーが3曲もあることでわかるように、品の良いソフトな歌唱法が持ち味。自作の“Here Is A Heart”でのポップな振る舞いも可憐だ。ヤング・ホルト・アンリミテッド“Soulful Strut”の歌入り版“Am I The Same Girl”もここに収録(実際はこちらが元歌だという)。(出嶌)



GENE CHANDLER 『The Girl Don't Care』 Brunswick(1967)

シカゴを代表する男性シンガーと言えばこの人、ジーン・チャンドラー。ブランズウィックでの初作となる本盤は、以前に他レーベルから出したシングル曲を交えた60sシカゴ・ムード溢れる作品で、“Nothing Can Stop Me”ほかカーティス・メイフィールド作のナンバーなどを清々しく歌い切る。力強く、時に切なく、巧みに表情を変えながらシカゴアンの粋を見せつける快作だ。(林)



STEP BY STEP 『We Always Wanted To Be In The Band』 Brunswick/ビクター(1977)

 今回リイシューされた4枚のブランズウィック作品中でも目玉中の目玉なのがステップ・バイ・ステップによるワン&オンリーのこの盤。ミルウォーキー出身の12人編成のバンドが硬軟自在に演じるレパートリーの数々にはまだ未熟ながら破天荒な勢いがある。もっぱらファンク的な側面が取り沙汰されがちなレア盤だが、バラードのほうも文句なし。快挙のCD化である。(JAM)



BOOBIE KNIGHT AND THE UNIVERSAL LADY 『Boobie Night And The Universal Lady』 Dakar(1974)

 ある種の人ならジャケ買い必至! 強烈なファンク・スメルが立ち昇るセンスも最高な、ブービー・ナイト率いる大所帯バンドの怪作。胡散臭いブービーの存在感とJB's風の演奏がいい意味でのB級感を漂わせている。ロッキッシュな“The Lovomaniacs”はグランド・マスター・フラッシュからDJシャドウまでが使い倒した定番ブレイクでもある。(出嶌)



GINJI JAMES 『Love Is A Merry Go Round』 Dakar/ビクター(1971)

 アルバムは1枚きりだが、UKではカルトな人気を持つ人。元はブランズウィック傘下のダカーからリリースされた作品だが、ブランズウィックの女性シンガーと言えばバーバラ・アクリン、そんなバーバラの路線を借りようとカヴァーも含めて確実にイメージは被る。そんななかオーティス・クレイ“You Hurt Me For The Last Time”の焼き直しなど、アっと驚く瞬間も少なくない。(JAM)




STRUTT 『Time Moves On』 Brunswick(1975)

 ニュージャージー出身の8人組ヴォーカル&インスト・グループ。白人メンバーが大半を占めた人種混合バンドで、荒削りながらグルーヴィーで陽気なファンクをやっている。と思いきや、ドゥワップ調の美バラードもやっちゃうのだからニクイ。太っちょの黒人シンガー、ロナルド・ジョーンズによるヘタウマ声が快感な“Said You Didn't Love Him”がキメの一曲。(林)



THE CHI-LITES 『A Lonely Man』 Brunswick(1972)

 〈シカゴの灯火〉のごとく、ほの明るい歌声でリスナーを魅了したシャイ・ライツの4作目。幾多のカヴァーを生んだ“Oh Girl”を筆頭に、表題曲などのバラードから、後にパサデナズが歌った“Living In The Footsteps Of Another Man”といった軽快なリズム・ナンバーまで名曲は尽きず。メンバーのユージン・レコードによるプロダクションやトム・トムのアレンジも光る。(林)



HYSEAR DON WALKER 『Complete Expressions Vol. 2』 Brunswick(1972)

 ヤング・ホルト・アンリミテッドを引き合いに出すまでもなく、ブランズウィックというレーベルには実のところジャズのカタログも大量にあり、この盤などもブランズウィック・ジャズ列伝に燦然と輝く1枚だ。なお、このハイゼアはヤング&ホルト・アンリミテッドのサブ・メンバーだった鍵盤奏者で、〈Vol. 2〉とあるのはこれ以前に同じタイトルでもう1枚アルバムがあるから。(JAM)



TYRONE DAVIS 『Turn Back The Hands Of Time』 Dakar(1970)

 シャイ・ライツと並んでブランズウィックの華だったタイロン・デイヴィス。所属は傘下のダカーで、これは彼の2作目にあたる。ウィリー・ヘンダーソンが制作/トム・トムがアレンジを施し、表題曲を筆頭に粘っこくグルーヴィーなミディアム・ナンバーを中心に歌う。サザン・ソウル的なディープさを窺わせつつも歌い口はまろやか……そんな〈タイロン節〉炸裂の名作だ。(林)



DIRECTIONS 『Directions』 Brunswick(1975)

 基本はヴォーカル・グループだが、バックはすべて専属バンドが付けるという変わりダネ。ブランズウィックのなかでも一際レアな盤だったが、日本でのCD化によって晴れて広く知られるようになった。内容の素晴らしさについてはいまさら何をか言わんやだろうが、特にグループ・ファンにとっては絶対の一枚のはず。というか、ソウルを愛好する人なら一度は耳を傾けるべき傑作である。(JAM)



JACKIE WILSON 『Higher And Higher』 Brunswick(1967)

 50年代初頭から活動してきたノーザン・ソウルの先駆者、ジャッキー・ウィルソン。今作はシカゴ録音による通算19枚目のアルバムで、R&Bチャートを制した表題曲やダレル・バンクスのカヴァー“Open The Door To Your Heart”など、美しいストリングスを纏ったビート・ナンバーの数々が独特にして強力だ。フォー・トップス風の“I'm The One To Do It”が流麗&パワフルで最高の出来!(出嶌)



THE YOUNG HOLT TRIO 『Wack Wack』 Brunswick(1967)

 ヤング・ホルト・アンリミテッド名義で放った“Soulful Strut”が有名なシカゴ出身のソウル・ジャズ系インスト・グループ。母体はラムゼイ・ルイス・トリオで、ドン・ウォーカーを鍵盤奏者に招いてブランズウィックから出した初作がこれ。ノヴェルティー・タッチの表題曲からビートルズ曲などのカヴァーまでスウィンギーでヒップな演奏をかます、とにかくカッコいい一枚。(林)


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IN THE SHADOW OF SOUL――ソウル・レーベルの光と影[第2回]
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