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第118回 ─ タルク? バレアリック・ソウル〜AOR?


掲載: 2007/05/10

ソース:『bounce』誌 286号(2007/4/25)

急増するバレアリック・ソウル〜AORの筆頭、タルクが登場!!

文/櫻井 誠




その昔、〈レア・グルーヴ〉や〈フリー・ソウル〉というキーワードの下で、ソウル〜ファンクからジャズやロック〜AORに至るまでの音楽を自由に解釈し、クラブ・フィールドで再生するという大きなムーヴメントがあった。それから20年近く経った現在、そうした動きを実際にクラブで体験してきた者たちがAORやブルーアイド・ソウル的な作品を生み出す例が目立ってきたように思う。この〈クラブ・ミュージックを通過した耳によるAOR〜ソウル〉作品の代表例としては、昨年のベスト・ディスクに推す者も少なくなかったビューティー・ルームが挙げられるが、このたびファースト・アルバム『Sit Down Think』の日本盤がリリースされて話題の2人組=タルクもその筆頭だろう。
タルクのファースト・アルバム『Sit Down Think』(Wah Wah 45's/FLAVOUR OF SOUND)

それぞれが歌と楽器をこなす彼らの言葉を借りると、「影響を受けたのはスティーリー・ダンやハービー・ハンコック、カーティス・メイフィールドとか……」だという。確かに『Sit Down Think』は現代的なアレンジを施されながらも、アーバンな感覚や歌心、ポップなAORマナーにおいてその言葉どおりの懐かしさを兼ね備えている。下で紹介したのは、最近の〈バレアリック再評価〉といったクラブ界隈の流れに敏感な若いリスナーに評価されている〈クラブ・ミュージック〉だが、熱心なAORファンのオジサマや往年の〈フリー・ソウル〉ファンをも満足させて余りある逸品ばかりなのだ!
▼関連盤を紹介。
スティーリー・ダンの75年作『Katy Lied』(MCA)
ハービー・ハンコックの74年作『Thrust』(Columbia)





1. THE BEAUTY ROOM 『The Beauty Room』 Peacefrog(2006)
イアン・オブライエン&カーク・ディジョージオによる、昨年きってのバレアリック・ソウル。ブラウンズウッドで活動するヘリテイジ・オーケストラ(デオダートもアレンジ参加!)の贅沢なストリングスとホーンにうっとり。



2. ZERO 7 『When It Falls』 Ultimate Dilemma(2004)
彼らの作品ではお馴染みのシーア嬢や、テリー・キャリアーに激似のモーゼスがヴォーカルを取った2作目。淡々としたアコースティックなサウンドながら、じんわり滲み出してくるソウル感覚に思わず涙してしまうほどの良作。



3. THIEF 『Sunchild』 Sonar Kollektiv(2007)
ジャザノヴァのメンバー2人が参加した、フォーキーなバレアリック歌モノ盤。均整の取れたドラム・プログラミングにアコギとストリングスがバッチリ噛み合った味わい深い内容で、シンガー・ソングライター系AOR作品としてもオススメ。



4. JOSE GONZALEZ 『Veneer』 Imperial(2005)
ほぼギター一本で淡々と歌い上げるフォーキー・ソウルなシンガー・ソングライター。ラテンの血を引くだけあって、時々顔を覗かせるボサノヴァ風味やフラメンコ的なフレーズもバレアリックな雰囲気を醸し出す。ゼロ7の近作にも参加。



5. BENNY SINGS 『I Love You』 Sonar Kollektiv(2005)
ジャミロクワイとかタルクみたいに、ちょいライトなファンキーさを備えたブルーアイド・ソウル歌手。しつこすぎないポップさと爽やかなヴォーカルがAORファン向けです。青春映画の挿入曲みたいな“Little Donna”が最高。



6. 『The Big Chill』 Resist(2006)
UKで行われているユルユル音楽フェスの同名コンピ。このコーナーで紹介している面々をはじめ、フィンクやジェイミー・リデルら、他にもエレクトロニカやソウル、ソフト・ロックなど、クラブ・ミュージックを通過した耳にすんなり馴染む好セレクション。


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