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掲載: 2007/05/31
ソース:『bounce』誌 287号(2007/5/25) |
新しいシーンが生まれてるよ!
文/加賀 龍一
キュートな女性ヴォーカルを擁したバンドたちによるスカ・パンク・シーンがいまアツいと言われていますが、その震源地が名古屋にあるって知ってました? 90年代のメロディック・パンク/スカ・パンクのムーヴメントに影響を受けた名古屋のバンドが、スカ・パンクのフォーマットに女性ヴォーカルを据えてスタートしたのが現在のシーン。そしてYum! Yum! ORANGEのブレイクが発火点となり、以降さまざまなスタイルのバンドが出現しています。またライヴハウスが盛んな土地柄も、シーンの盛り上がりに一役買っているのでしょう。その勢いが名古屋を飛び出し、大阪のムラマサ☆などをはじめ現在全国各地へ波及している流れにも注目ですよ! |
Yum! Yum! ORANGE
彼女らがいなければ現在のシーンは存在しなかったといっても過言ではない、いわゆる〈元祖ガールズ・スカ・パンク・バンド〉。99年に結成され、名古屋から全国へといち早く飛び出したパイオニアは、ガールズ・スカ・パンクのフォーマットを作り上げ、全国にそのスタイルを知らしめたのです。彼女たちが練り上げていったサウンドはスカ・パンクだけに留まらず、昨年のアルバム『Jelly Beans』ではラップを採り入れるなど、いまなお飽くなき探求を続けています。そんな〈トップ〉の称号が相応しい彼女たちの地元名古屋での勇姿は、最新DVDで観れるぞ!
| | Yum! Yum! ORANGEの最新ライヴDVD「Jelly Beans Tour Final at Nagoya CLUB Diamond Hall」(徳間ジャパン) |
ketchup mania 『U・R・G・E』 トイズファクトリー(2007) Yum! Yum! ORANGEと同時期に結成されたシーンの第1世代。ホーンなしの彼らが今作で聴かせるのは、スカ・パンク+メタル! DAIによるクセのあるヘヴィーなギター・リフを中心とした、緩急つけた曲展開は彼女たちならでは。どっしりとした安定感は流石ですな。
midnight Pumpkin 『SLASH』 XTRA LARGE(2007) このシーンで次に注目されている〈女子ツイン・ヴォーカル〉の元祖にして、頂点といえるのが彼女たち。アグレッシヴな面を押し出すバンドが多いなか、MAYAとWAKANAのハーモニーを中心とした、軽快ながらもまったりとしたムードに癒されます。
BERRY ROLL
ketchup maniaを輩出し、ガールズもの以外にも良質のバンドを抱えている名門K.O.G.A.内のレーベルから昨年にデビューを果たした彼女たち。その〈名古屋のHi-STANDARD〉と形容されるスタイルは、とにかくファストの一点張り! 轟音倍速メロコア・サウンドに、ちなつのロボちっくなロリ声によるちょっと切ないメロディーラインが重なるという〈そういえばなかったスタイル〉は、聴いていると脳ミソをビンタされているようなミョーに気持ち良い感覚に陥っちゃいます。フル・アルバムの到着が待たれる、シーン最速&最注目バンドですよ!
| | BERRY ROLLの2006年作『half Berry tone』(Grooovie Drunker) |
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GOLLBETTY
〈No.1名古屋嬢〉は、彼女たちでキマリ!
現在、名古屋を中心に活動しているガールズ・スカ・パンク・バンドのなかでも抜きん出た存在感と勢いを感じさせるGOLLBETTY。メンバーたちが中学の同窓会で再会したのをきっかけに生まれたこのバンドは、良い意味で肩の力が抜けている。
「ずっとロックばかり聴いてたんで、スカだけじゃないものを入れたくて。ギターやっていればソロは入れたい」(MISSY、ギター)。
「曲を作るのも各パートに任せちゃってるんで、ホーンがない部分があっても自分のイメージでいざ吹いてみたら、〈あ、カッコイイ〉みたいな」(HIROAKI、トロンボーン)。
そういった柔軟な発想によって生まれたセカンド・アルバム『GOLL & RESPONSE!!』は、波瀾万丈な1日とライヴの流れを意識した構成を含め、前作『GOLLING!!』に比べて飛躍的な進化を遂げている。彼女たちらしいアグレッシヴな高速チューン“Easy Going”やコミカルなポップ・ナンバー“Welcome To Jungle!!”、g-yunの切なくも力強い歌声が感動的な“Snow Fall”など、バンドの振り幅が最大限に発揮された一枚となっているのだ。
「(“Snow Fall”は)結構な挑戦でした。安室奈美恵さんや小柳ゆきさんも好きだし、そんな感覚をバンドに持ち込んで歌うのもおもしろいと思って。これまでと同じ作り方で作った曲だから、これもゴルなんだ、って」(g-yun、ヴォーカル)。
「今回は難しいことにチャレンジしようと。ほかのバンドを観て〈こういう曲やりたいな〉と思ってた結果が出ている」(MISSY)。
そう、彼らはまだ結成3年のバンドなのだ。だからこそなのか、彼らの口からは〈チャレンジ〉という貪欲な言葉が出てくる。
「“Day By Day”は僕が作ったんですけど、いままで間奏の部分を全員でユニゾンするってことがなくって。それができたらまたひとつバンドが大きくなるんじゃない?って」(CLASSY、ベース)。
「前までは〈できんてー!〉ってなってたこともあったんだけど、そこで〈やってみようよ〉っていうところに辿り着けるようになった」(g-yun)。
早くに成功を収めながらも、〈その先〉を見据える向上心旺盛な姿勢もまた、このシーンの盛り上がりに繋がっていると思うのだけど?
「ライヴとか昔から名古屋以外の人たちとやってて。(このシーンも)偶然が重なって出来たんだと思います。ウチらもそう」(g-yun)。
「だって俺なんか同窓会の人数合わせだよ(笑)。そっからこのバンドはスタートしてるんだから」(HIROAKI)。
| | GOLLBETTYのニュー・アルバム『GOLL & RESPONSE!!』(RUN RUN RUN) |
| | GOLLBETTYの2006年作『GOLLING!!』(RUN RUN RUN) |
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ムラマサ☆
名古屋発祥のムーヴメントが飛び火して全国で爆発……という現象を象徴するバンドであり、本家名古屋勢に迫る勢いなのがこの大阪出身のムラマサ☆。大所帯のホーン隊による分厚いサウンドのスカ・パンクから、4つ打ちを効果的に使用した曲まで、変幻自在にバランス良く聴かせるフトコロの深さが特徴的。特にユミの高く伸びのあるヴォーカルを活かした、LINDBERGやジッタリン・ジンを思わせるセンティメンタルな楽曲たちが素晴らしいです。同じ大阪出身のオレスカバンド(P28のインタヴューもチェック!)も彼女たちのファンらしいぞ!
| | ムラマサ☆の最新シングル“CAN'T SLEEP BUT...”(Limited) |
マタニTV 『マタニチャンネル』 GALAXY(2007) 次のブレイクを狙うニューカマーは〈歌って踊れて笑えるバンド〉! インパクト大な演劇調のライヴやスキット(コント?)がところどころに入るスカ・パンクは確かにハッピーそのもの! でも、底抜けに明るいレーナの時折ウェットに滲む歌声にホロリとさせられるんだな。
VARIOUS ARTISTS 『姫SKA 〜PRIN-CESS SKA〜』 クラウン(2006) 何から聴いたらいいかわからん!という方へ贈る、ガールズ・スカ・パンク入門コンピ。このページに掲載している名古屋勢はもちろんのこと、大阪のWitchery SKANKや東京の舞丹旅といった注目株まで、全国のシーンがサクッとわかるスグレモノですよ!
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