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掲載: 2007/06/21
ソース:『bounce』誌 287号(2007/5/25) |
世界中の同志と連帯し、いくつもの夜を彩り続けて早くも5年──でも、宴はまだ始まったばかりだよ!
文/郡司 和歌、轟 ひろみ、櫻井 誠、望月 慎之輔
東京のアンダーグラウンドなダンス・ミュージック・シーンにおいて、2001年末の設立から大きな存在感を誇示してきたレーベル、ROMZ。かつて大阪でYOUNG-ZというCD-Rレーベルを主宰し、東京移住後は自由度の高いDJプレイで全国的にも知られるようになったSHIRO THE GOODMAN、そしてヨーロッパでのリリース経験もあり、自主レーベルであるNotekrec.を率いていたCOM.A――ROMZはこの2人によって立ち上げられた。COM.Aとは「(音楽的な)方向性は違うところのほうが多いかもしれない」としたうえで、「当時は〈変わったもの〉をやってる同士っていう感覚ですよね。インダストリアルが好きで、その延長上でダンス・ミュージックを解釈するっていうところは似てたのかもしれないけど」とSHIROは話す。
「レーベルを始める時に考えてたのは、COM.AやJoseph Nothingが実力に見合う評価を得ることがまず必要だろうと思ってて」(SHIRO)。
そうしたなか、ROMZの認知拡大に大きな役割を果たしたのが、大阪時代からSHIROと交友のあったサンフランシスコ在住の鬼才=キッド606だった。
「あいつは世界中で知られてるし、ヨーロッパやアジアにROMZの作品を流通していくなかで、けっこう彼の助力があったんです」(SHIRO)。
「エレクトロニカ〜IDMみたいな音楽を横目で見て、〈ああいうのは俺らには向いてないな〉っていう話はキッドとよくしましたね。もっと破壊的だったり、楽しいことのほうがおもしろいと思ってたから」(COM.A)。
そのように国内外の面々と連帯しながら、ROMZはコンスタントにリリースを続けてきた。「みんなすぐに何かを終わらせたり始めたりしたがるけど、俺らはただやってるだけ」というSHIROの言葉はそうした彼らの誇りを表すものだろう。さらにCOM.Aは「送られてくるデモを聴いても、ジャンルを意識してるやつはあんまりおもしろくない」とも。
いずれにせよ、単純に言葉で説明しきることのできないROMZのオリジナリティーは、後にDE DE MOUSEのように彼らの影響を感じさせる人材の登場も促すことになる――。創設から5年強、ROMZの功績はいま一度再確認されるべき時期なのかもしれない。 (大石 始) |
world's end boyfriend 『Xmas Song』(2002) world's end girlfriendの別名義による唯一のアルバム。クリスマス企画ものといって侮ることなかれ。敬虔なクリスチャン以上の崇高さとROMZ印のお下劣さが交錯するメロディーとビートにサンタも仰天です。 (望月)
VARIOUS ARTISTS 『Let's i Love You』(2002) すべてはここから始まった! ROMZオールスターズに加えて交流のある海外勢が登場した、第1弾レーベル・サンプラー。ブレイクコアからエレクトロニカ、ブレイクビーツまで、現在の人気を予見させるディープな強力盤です! (郡司)
Joseph Nothing 『Dummy Variations』(2002) world's end girlfriendに勝るとも劣らぬメルヘンチックかつドリーミーな独自の世界観を持つJoseph Nothing。初期ROMZを代表するこの一枚は、緩急を自在に使い分けるビート、涙腺を刺激し続けるメロディーでブレイクコアの限界を越えた! (望月)
SHIRO THE GOODMAN 『踊り狂って飯が腐るのだ』(2003) スーパー・ハードコアDJとして全国を飛び回る、レーベル主宰者の傑作ミックスCD。ダンスホール・レゲエを基本軸に、超高速ジャングルやハードなブレイクコアを横断した、破天荒な音魂には悶絶必至。脳天をブチ抜かれる狂気の一枚だ! (郡司)
Joseph Nothing 『Deadland after Dreamland』(2003) 世界的に高い評価を得ている奇才の、〈廃墟の遊園地〉をテーマにしたサード・アルバム。ドリーミーで深遠なエレクトロニカ・サウンドに見え隠れする、歪んだ感情と毒気……美と退廃が混在し、虚構の世界へと誘う大作。 (郡司)
VARIOUS ARTISTS 『Summer Tracks』(2004) ROMZと周辺の面々による36曲をSHIRO THE GOODMANが選りすぐった2枚組の夏コンピ……って、どんな夏やねん。赤犬やOORUTAICHI、モユニジュモらも巻き込んだキュートな無法ぶりはどっちも楽しいんですが、断然カッコイイのはグライミーな花火がドーンと上がるDisc-2! (轟)
DJ /RUPTURE 『Special Gunpowder』 Tigerbeat6/ROMZ(2004) 世界中の音楽を、とりわけレゲエやライ、アフリカ音楽を核にしてエディット〜サンプリングで独自の世界を築き上げる、一流よりも二流好きな才人。“Bam Bam”で知られるレゲエDJ=シスター・ナンシーに歌わせた“Little More Oil”がもっとも象徴的かも。 (櫻井)
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SHY CHILD 『One With The Sun』 Say Hey/ROMZ(2004) 衝動的なディスコ・パンク風ビートにヴォーカルを乗っけた佇まいがラプチャーやLCDとかアレとかに似た感じもするNYの2人組。この2作目でもやっぱりカネのかかってない感じがたまらなくカッコイイわけで、生き急いでる感じがビンビン伝わってくる! (櫻井)
KID 606 『Resilience』 Tigerbeat6/ROMZ(2005) ド変態ハードコア・ノイズ・ビート!と思いきや、ROMZ経由での3枚目となる本作は、ジャケどおりの優しいアンビエントやユルハウス的なほんわ〜か心地良い中身でして。この路線もブレイクコアも表の顔だという珍しい人だ。 (櫻井)
milch of source 『in beach, side ill-spot』(2005) MILKY-CHUから改名してリリースしたセカンド・アルバム。スカやレゲエ、アイリッシュ・トラッドを織り交ぜ、カットアップ〜エディットで構築した錯乱ダンス・ミュージックを披露してます。マッドな弾け具合が絶妙! (郡司)
Cycheouts Ghost 『SIMSTIM』(2005) とにかくワル〜い音がいっぱい。鋼鉄のアーメン・ビート、TVやゲームなどのサンプリングから生まれる奇形ハードコア。盛り上がりを見せるダブ・ステップ・シーンにも食い込んでいく超重量級のベースに打ちのめされる! (望月)
Soloal One 『Who I am?』(2006) 福岡を拠点にその名を馳せる集団、OILWORKSのOlive Oilによる変名作品。ROMZとしてはかなり異色のヒップホップ〜ブレイクビーツが中心となっている。解体されたジャズがモクモクと再構築された、紫煙漂うスモーキーな内容です。 (望月)
FILASTINE 『Burn It』 Soot/ROMZ(2006) ポリティカルなメッセージをミドルイースタンなヒップホップ〜ダンスホールに搭載して静かに叫ぶ、何やらキナ臭い感じがプンプン伝わる一枚。とはいえ、現地語(恐らく)のせいで上手く伝わってないのかも(残念)。 (櫻井)
KAADA 『Music For Moviebikers + Remixes』 Kaada/ROMZ(2007) マイク・パットンとの共作で知られるノルウェーの伊達者が作り上げた架空のサントラっぽい夢想花。前々作同様にROMZ経由で登場した日本盤には、DE DE MOUSEやL?K?OらROMZ+周辺人脈が13組参加したリミックス集付き! オリジナルより人懐っこい出来で楽しいです。 (轟)
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