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第26回 ─ アルバム同時発売記念、くるり×ゆーきゃんスペシャル鼎談!!


掲載: 2007/07/12

くるり主宰レーベル〈NOISE McCARTNEY RECORDS〉の業務日誌連載……なんですが、今月は番外編。くるりとゆーきゃんのアルバム同時リリース記念ということで、佐藤社長に岸田繁&ゆーきゃんという御三方をお招きしてのスペシャル鼎談をお届けいたします!! ゆーきゃんの魅力について熱弁をふるう佐藤&岸田両氏と、それを迎え撃つゆーきゃん。そして話題は京都音楽シーンのディープな考察へ……。貴重なロング・トークをとくとご覧ください!

文/bounce.com編集部



向かって左から、岸田繁(くるり)、ゆーきゃん、佐藤征史(くるり)

──では、皆さんの出会いからうかがいたいなと。

岸田 もう何年前かは忘れましたけど、僕らが京都の〈磔磔〉でライヴをやった時ですね。お客さんとして来てくれたゆーきゃんから、彼が関わってるイベントの出演オファーを受けたんです。スケジュールが合わないのでごめんなさい、って断ったんですけど。

佐藤 僕はその時のこと全然おぼえてなくて……。

ゆーきゃん すごいそっけない出会いでしたね(笑)。

──あら(笑)。それが去年のボロフェスタで〈ゆーきゃん with his best friends〉のライヴを見て、お二人とも衝撃を受けたということですが。

岸田 ボロフェスタには僕も出演したんですけど、ライヴの後はブースでひたすら豚汁を作ってたんです。で、ちょっと豚汁に疲れたので、ゆーきゃんのライヴを見に行ったら、すごく引き込まれた。

佐藤 僕はツリー・ハウスの上でボーっと聴いてたんですよ。でも2曲目くらいで「これはちゃんと見なあかんな」と思って、ステージの前まで行って。よく「アーティストとお客さんが一緒にひとつの空間を作る」とか言いますけど、そういうのではなくて。バンドの凛とした空気だけで場を作っていたというか。その中に入りたくて前まで行った記憶がありますね。
ゆーきゃん with his best friendsのニュー・アルバム『sang』

岸田 そのライヴの後に、彼からCDをいただいて。それで聴いたら……長いライナー・ノーツを書き始めてたんですよ。聴きながらね。この最初に感じた衝撃を言葉にせにゃ、と思ってバーッと書いた。で、ノイズからリリースすることにしたんです(笑)。

──ゆーきゃんさんはソロやバンドなど、様々な形態で活動してますよね。それぞれの活動に違いはありますか?
04年にリリースされた、ゆーきゃんの初ソロ・アルバム『ひかり』

ゆーきゃん ソロで初めてのアルバムを作った時は、声とメロディと歌詞だけで描いたデッサンを、そのまま作品にするという美学があったんです。それを通過して、じゃあどんな色を付けていこうか、というのが今回の『sang』かなと。だから、自分の思う絵が描きたい、という部分は全く一緒ですね。方法を少しづつ変えてるだけかなあという気がします。
ティン・パン・アレーの面々がバックを支えた荒井由実の2作目『MISSLIM』

岸田 どの形態でも彼のやりたいことは一つだと思っています。ただ誤解を恐れずに言うと、with his best friendsは上手いんですよね。一級のテクニックを持ったプレイヤーばかりなんで、ゆーきゃんがやりたいことを上手く掬い上げてくれる。荒井由実とティン・パンの関係というか……スライとファミリー・ストーン(笑)? ニール・ヤングとクレイジー・ホースはちょっと違うしなあ。

──佐藤さんはこの連載で、コステロとジ・アトラクションズみたいだと書いてましたよね。

岸田 ああ! そうです。そのものです。
エルヴィス・コステロ&ジ・アトラクションズの78年作『This Year's Model』

佐藤 歌があるバンドの鑑だと思ったんです。バック・バンドとヴォーカルではなくて、バンドの中に歌がある。で、バンドがみんなで歌を引き立てている。ライヴを見ていて、ほんまに頭が下がる思いで。

──くるりはバンドとしてパーマネントな活動をされています。ゆーきゃんさんのフレキシブルな活動形態についてはどう思われますか?

岸田 うーん、でもそんなに違いはないんじゃないかな。僕らもメンバーが、かなり変わってますからね(笑)。それに作品ごとにプロデューサーやレコーディング場所を変えたりするわけで。そういうことと同じかなあと思います。

佐藤 最初にドラムが抜けた時は、自分たちのやってきたことが変わっちゃうとか、新しいメンバーに合わせなきゃならんのかな、とか考えてたんです。でもバンドってそういうものじゃないんですよね。そのとき自分たちがやってる曲を、一番良く鳴らすことが出来るのがバンドやから。ゆーきゃんも、それぞれの活動で違う良さがあるし、それを彼自身がわかってやっている。〈ゆーきゃん with his best friends〉と、〈ゆーきゃん meets あらかじめ決められた恋人たち〉とでは、それぞれで色の違うゆーきゃんが見れる。

岸田 スライムとスライムベスみたいな(笑)。




──京都の音楽シーンの魅力ってどんなところにあると思いますか?

岸田 音楽を始めることって簡単だと思うんですけど、音楽を続けることって難しいと思うんです。この社会状況では、商売か趣味か、という二つの選択肢しかないわけで。でも京都ってバランスのおかしな街やから、その二者選択の間に不思議な余地がある。例えばライヴ・ハウスでも、チケットのノルマがなかったり。僕らもお客さん5人のライヴとか体験しましたけど、それでも赤字にはならない。

ゆーきゃん コミュニティの境界線が緩いんですよね。ミュージシャン同士が、出してる音の趣味で結び付くんじゃなくて、出してる音の強さだけを認め合ってる感じがして。それでいて徒党を組むわけでもないっていうのが心地よい。そういう寛容さとか適当さは魅力ですね。
裸のラリーズにも在籍していたヒロシ率いるニプリッツの3作目『講堂ブギ』

岸田 ジャンルで細分化されてるのは、おそらくビジュアル系とレゲエだけちゃうかな。ブルースっぽいバンドと、実験音楽みたいなバンドと、パーティーっぽい歌ものバンドとかが普通に対バンするんです。僕らもニプリッツと対バンしたことありますし(笑)。

佐藤 そういう京都の対バン・イベントって、2バンドだけだったりして。それしか出てないと、どうしてもお互いのつながりが生まれるんですよ。そうやってだんだんと濃い関係が出来上がっていく。あと学生にやさしい街やから、学生気分のまま、そのつながりの中で30過ぎてもやり続ける、みたいな。
06年にノイズより再発売されたBad Stuffのアルバム『僕らは未来の原始人』

岸田 流行に敏感なのか鈍感なのかが、わからないですね。例えば、僕らの下の世代のLimited Express(has gone?)なんかはニュー・ウェイヴっぽいパンキッシュなことやってたじゃないですか。でも、ローザ(・ルクセンブルグ)やBad StuffやVAMPIRE!みたいな上の世代のバンドが持っていた、まったりとしたリズム感もちゃんと受け継いでいる。盆地っぽいというか……。

佐藤 京都に帰ったらしゃべるスピードが遅くなるとか、そういうものに近い感覚だと思うんですけどね。

──それは、ひねくれとも違うんですよね。

岸田 ひねくれてる人は京都で成功しないですから。

──では、ゆーきゃんさんから見て、京都の〈上の世代〉であるくるりは、どういう存在ですか?
くるりのニュー・アルバム『ワルツを踊れ Tanz Walzer』

ゆーきゃん 僕が京都で音楽をやってきた過程は、誇張でもなんでもなくて〈くるり以降〉なんですよ。身近な伝説というか、地元のおばあちゃんに話して聞かされるような存在のようで、でも友達の先輩っていう親近感もある。いまこうやって普通に話をしているのは、すごく不思議ですね。純粋に好きとか目標という存在とは違うんだけど……それが上手く言えない。(二人に向かって)これからもよろしくお願いします。

佐藤・岸田 こちらこそよろしくお願いします(笑)。

 

◆NOISE McCARTNEY RECORDS速報
1. 〈NMR LABEL NIGHT VOL.5〉開催決定!
8月16日に、ゆーきゃん with his best friends『sang』と、LUCKY LIPS『COLOUR』の発売を記念してWレコ発を行います!
8月16日(木)渋谷O-nest
OPEN 18:30/START 19:00
出演:ゆーきゃん with his best friends、LUCKY LIPS and more...
前売:2,500円(1ドリンク別)
当日:3,000円(1ドリンク別)


2. ついに、ジェイソン・フォークナー初となる単独来日公演が決定!!
8年振りとなるサード・アルバムをNMRからリリースしたジェイソン・フォークナーの、単独としては初となる超待望の来日公演が決定!! かなり貴重なライブになる事は間違い無しでしょう!
〈Jason Falkner Japan Tour 2007〉
9月25日(火)&26日(水)東京・渋谷O-nest
OPEN 19:00/START 19:30
前売:3,500円(1ドリンク別)
当日:4,000円(1ドリンク別)
※詳細は、NMRオフィシャルサイトで随時更新致します!


3. NMRのニュー・ファミリー! COLORAMA(カラーラマ)のEP発売!
7月15日の戸田市文化会館から始まるくるりツアーに、サポートで参加するカーウィン・エリスのプロジェクト〈カラーラマ〉のデモEPを、くるりのツアー会場とバッド・ニュースの通販で限定枚数発売決定!

 
◆今月のくるりの近況
1. 〈京都音楽博覧会 IN 梅小路公園〉出演アーティスト第1弾発表!
くるり主催による野外フェス・京都音博の第1弾アーティストが発表となりました!
ジェイソン・フォークナー(アメリカ)、リアダン(アイルランド)、タラフ・ドゥ・ハイドゥークス(ルーマニア)、大工哲弘&カーペンターズ(沖縄)、ふちがみとふなと(京都)と、まさに音楽の万博に相応しいラインナップです! オフィシャルサイトも同時オープンしましたので是非ご覧下さい!!
【京都音博 オフィシャルサイト】

2. ニュー・シングル“言葉はさんかく こころは四角”リリース決定!
映画「天然コケッコー」主題歌である“言葉はさんかく こころは四角”がニュー・シングルとして7月25日にリリースされます! 表題曲はアルバム収録バージョンとはミックスの異なるシングル・バージョン。Salyuをゲスト・ヴォーカルに迎えた“ウィーン5”に、佐藤征史がリード・ヴォーカルをとる“ブルー・ネイキッド・ブルー”も収録と、聴き応え十二分!! お聴き逃しなく!!!

3. くるり ツアー2007〈ふれあいコンサート〉、いよいよ始まります!
7月15日・戸田市文化会館より、いよいよくるり史上初の全国ホールツアー〈ふれあいコンサート〉がスタートします! 皆様、全国各地でお会いしましょう!!

▼NOISE McCARTNEY RECORDS、くるり関連作品を紹介
7月25日にリリースされるLUCKY LIPSのニュー・アルバム『COLOUR』
4月にリリースされた、ジェイソン・フォークナーのアルバム『I'm OK... You're OK』
06年11月にリリースされたコンピ『みやこ音楽』
5月にリリースされた、くるりのシングル“JUBILEE”




NOISE McCARTNEY RECORDS オフィシャルサイト
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ゆーきゃん オフィシャルサイト
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