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掲載: 2007/09/13
ソース:『bounce』誌 290号(2007/8/25) |
いろいろなカテゴリーとかキーワードが飛び交うアンダーグラウンド(?)なダンス・ミュージック村のあれこれ。だけど、そんな村の掟が面倒臭いからってスルーしてしまうにはもったいないくらい、心地良い音楽がここにはあるのですよ……ってことで勝手にいろいろ選んでご紹介しましょう!
文/櫻井 誠、酔鮫
〈イタロ・ハウス〉〈コズミック〉〈バレアリック〉〈ディスコ・ダブ〉……ちょっと気の利いたCDショップならダンス・コーナーの片隅でちょこちょこ見かけるキーワード。そのスジに詳しい人にはもう説明不要でしょう。だけど、門外漢にはなかなか伝わりにくいこれらの言葉に、あえて共通項を見い出すならば、ちょっぴりレフトフィールドでストレンジ、それでもってオブスキュアな、ディスコを起源とするダンス・ミュージックとでもいいましょうか。もしくは、何かがポロッとハミ出しているのにやけに堂々としているような感じとでもいいましょうか。レコード屋さんで熱心に12インチ・シングルを買ったり、多くの人が気にも留めないような中古盤を延々とチェックし続けているような人でなければなかなか実態を掴めなかったりするんですが、最近はようやくCD作品でもちらほらと良い(酔い)モノが揃ってきたのでこの場でちょっぴり紹介してみましょう。その昔に流行った〈レア・グルーヴ〉みたいにはっきりとした定義をするのがなかなか難しいものなので、あえて細かく区分けして説明はしません。この先には深く果てしないアンダーグラウンド・ディスコ獣道が広がっているので、これを読んでから実際に聴いてみて〈あー、こんな感じね〉ぐらいに思っていただければ良いと思いますよ。 (櫻井 誠)
STUDIO 『West Coast』 Information(2007) マウンテン・オブ・ワンとツアーしているという人たち。楽園直行なギター・フレーズを聴いたら最後、社会復帰はほぼ不可能な2007年風味のバレアリック・アンセム“Life Is A Beach”を収録。右手に葉巻、左手にはトロピカルなカクテル、目の前には白い砂浜な感じで……。 (櫻井)
SORCERER 『White Magic』 Tirk(2007) スペイシーでバレアリック的なサウンドスケープが溶けるほど気持ち良い一枚でございます。チープなリズム・ボックスとギター、それとシンセだけで作られたようなシンプルな構成と、微妙に揺らぐような音の雰囲気は暑気払いにもってこいかもしれません。 (櫻井)
MAP OF AFRICA 『Map Of Africa』 Whatever We Want(2007) DJハーヴィーとトーマス(ラブン・タグ)によるユニットのアルバム。前者のミックスCDシリーズ〈Sarcastic〉と後者がビースティ・ボーイズのリミックス仕事で見せたサイケ感覚を掛け合わせたような、どう聴いてもブルージー・サイケ・ロックでダンス要素は皆無なんですけど。 (櫻井)
『Sunkissed -Mixed By G-Ha And Olanski』 Smalltown Supersound(2007) ノルウェーのレーベルからのコンピ。ほぼ北欧の人たちで固められた内容ながら、驚くべきハイ・クォリティーぶりで、よっぽど冬はすることがなくて音楽ばっかやってるのかな?と思ってしまいます(失礼)。北欧ディスコ入門編としてどうぞ。 (櫻井)
BJORN TORSKE 『Feil Knapp』 Smalltown Supersound(2007) まるでアバのメンバーのどれかみたいな面構えですが、長いキャリアと地味なオタク人気を誇るビョ〜ンさんの、レーベル移籍後の初アルバム。ディスコ・ダブ以降のハウスが柔軟剤入りのふわふわしたダブに包まれた味わいは、まるで幸せな二度寝のようです。 (酔鮫)
『Port of Notes Joint Adventure 2』 クルーエル(2007) そもそものスタンスがオリジナルのバレアリックに通じる彼らですから、アコースティック曲もダンス・トラックも均等に聴かせて当然なのです。このリミックス・アルバムではイジャット・ボーイズやリンドストロム&プリンス・トーマスと流石の人選をアピール。 (酔鮫)
『Tirk 01』 Tirk(2007) イジャット・ボーイズとも縁深いレーベルからの初コンピ。いわゆるサンプラー的な内容でいろんなタイプの曲が入っていますが、共通項はやっぱり〈ストレンジ・ディスコ〉感。レイ・マンもネタ使用したタントラ曲のイジャット・ボーイズによるリエディット・ヴァージョンを収録しています。 (櫻井)
『Compost Black Label Series Vol. 2』 Compost(2007) コンポストの〈黒ラベル〉モノを集めたコンピ。いわゆる大人気のテック・ハウスに分類されるような音ですが、エレクトロ具合とかディスコ具合とかがイタロ〜ミュンヘンを中心とするオールド・ユーロ・ディスコに影響されているというのは考えすぎでしょうか。 (櫻井)
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『Dirty Space Disco』 Tigersushi(2007) フランスのタイガースシから登場したイタロ〜コズミック・ラインのコンピ。選曲者のオタクな感性がビンビン伝わってきて好感の持てる内容です。ヘロヘロにスロウなディスコ・チューンにエディットを施して、泥酔状態で宇宙船に乗っけてくれる感じ。宇宙酔いも気になりませんよ。 (櫻井)
LINDSTROM & PRINS THOMAS 『Reinterpretations』 Eskimo(2007) 言わずもがなの最強コンビ。大傑作アルバム以降の12インチ・シングルを中心に、新曲やB面曲、リミックスを収録した企画盤的な内容ですが、ジャーマン・ロックにバレアリック精神を注入してディスコ仕様にしたセンスはぶっちぎり。これは誰もマネできません。 (櫻井)
ALEXANDER ROBOTONICK 『My La(te)st Album』 Hot Elephant(2007) 生涯ディスコ職人……を宣言したかどうかわかりませんが、イタロ・ディスコの伝説による最新作。頑固に昔の機材を使ってるということなんで、音色やアレンジ、さらにはアートワークまでがまるで昔のまんま。まさに伝統芸能です。 (櫻井)
『Prins Thomas : Cosmo Galactic Prism』 Eskimo(2007) 大奇才・ジョー・ミークの曲から始まる、サイケデリック・スペイシー王子=プリンス・トーマスの2枚組ミックスCD。2枚が繋がっているという大作仕様で、ホルガー・シューカイとかホークウィンドまでも飛び出してくるむちゃくちゃに凄い内容です!! (櫻井)
『Elaste Volume 01』 Compost(2007) よもやあのコンポストからこんな怪作が出るとは誰も思わなかったでしょう。ゾンビ・ネイションのムーナーが監修したイタロ・コズミック・コンピです。クラシックから激レア曲まで、べろんべろんにスロウなエレクトロ・ディスコにコンポストの将来がちょっぴり不安になります。 (櫻井)
WOOLFY 『If You Know What's Good For Ya!』 Rong(2006) ダビーでユルいディスコ・ファンクがメインのディスコ・ダブ盤。チョッパー気味のベースラインが強調された作りで、トビ具合ではイジャットに及ばないものの、酩酊度では同じレヴェルかも知れません。ノーウェイヴ的な白人ファンク好きにもオススメ。 (櫻井)
BLACK DEVIL DISCO CLUB 『Black Devil In Dub』 Hydrogen Dukebox(2007) 28年ぶりとなるまさかの新作で全世界のスキモノを驚かせたイタロ国宝=ブラック・デヴィル・ディスコ・クラブの、インスト&リミックス・ヴァージョンを集めた一枚。リンドストロム、クワイエット・ヴィレッジなどリミキサーの人選もバッチリです。 (櫻井)
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文/櫻井 誠 地球に落ちてきた男、ダニエル・バルデリの銀河系ミックスがまたしても登場!!
さて、ここではイタロ・ディスコ〜コズミック・シーンを語るうえで絶対に素通り不可能な伝説のDJ、ダニエル・バルデリさんのことをご紹介しましょう。キャリア初期の70年代後半、バルデリさんはイタリアの〈Baia Degli Angeli(天使の浜辺)〉というディスコでDJを始めています。その時代はソウル、ディスコやファンクなどをプレイしていたようですが、80年代に入ってディスコ〈Cosmic〉でDJを始めると、その才能は特異な進化を遂げつつ開花しました。宇宙船のコクピットを模したDJブース(写真参照!)で彼が展開したミックス・スタイルは、アフロやニューウェイヴ、クラウト・ロックの回転数を大胆に変えたり、ピッチを極端に落としたりするという独創的なもので、ドラッギーな特殊空間を作り出していたようです。あまりにも謎が多すぎて紹介しきれませんが、資料としても貴重なブックレット(当時のフロアの模様などを収めた写真やフライヤー、解説などを満載!)付きのバルデリさん自身によるミックスCDもドッと出ていますので、まずは聴いてみることからオススメします。 ▼このたびリリースされたダニエル・バルデリのミックスCD。
| | 『Daniel Baldelli Presents Baia Degli Angeli 1977-1978 Vol. 2』(Amarkord) |
| | 『Daniel Baldelli Cosmic - The Original』(Amarkord) |
▼ダニエル・バルデリのミックスCD。
| | 『Daniel Baldelli Presents Baia Degli Angeli 1977-1978』(Amarkord) |
| | 『Daniel Baldelli Presents Cosmic Sound』(Mediane) |
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