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第67回 ─ モデュラー


掲載: 2007/09/20

ソース:『bounce』誌 290号(2007/8/25)

最新のロックを提示する注目レーベルに接近! パーティーはまだ始まったばかりだよ!!

文/青木 正之、白神 篤史



 一大旋風を巻き起こしている〈ニュー・レイヴ〉というムーヴメント。クラクソンズやCSS、シットディスコなどさまざまなアーティストがそれぞれの切り口で〈ロックとダンスの融合〉を体現し、結果、リスナーは彼らを熱狂的に受け入れた。その動きをさらに加速させ、いま現在大きなウネリを作っているのがオーストラリアのインディー・レーベル、モデュラーだ。NME誌にサンプラーCDを付けて大反響を呼んだほか、今年の〈サマソニ〉では深夜に〈モデュラー・ステージ〉が出現するなど各地で猛威を振るっている。そこで、いまだ知られざるこの注目レーベルの魅力に迫ってみようと思う。創設時期について確かなことはわからないが、おそらく90年代半ばから活動を開始していた模様。だが、しばらくはレーベルというよりもディストリビューターとしての機能が充実しており、ジャック・ジョンソン主宰のブラッシュファイアやコールダーをはじめとするアウトプット、アーティスト単体ではヤー・ヤー・ヤーズやマスタークラフトらとライセンス契約を結び、オーストラリア国内に海外の良質な音楽を広めていった。

 しかし、ウルフマザーの大ブレイクを機にここ数年で急激な成長を見せることとなる。カタログを眺めてみてもわかるとおり、扱うサウンドは実に多彩(というかめちゃくちゃ)で、レーベル・コンセプトはズバリ雑食性だ。感覚をとことん研ぎ澄まし、本当におもしろいものだけを発信するモデュラー。たまたまニュー・レイヴの波に乗って世間の視線を集めているのではなく、きっとこれからも最先端の音楽を提案してくれるはず。つまりはこれからが本番ってことよ!
(白神篤史)

 

BEN LEE 『Something Remember Me By』(1997)
いまはなきグランド・ロイヤルの秘蔵っ子として登場した彼が、弱冠17歳で作り上げた2作目。地元オーストラリアではモデュラーが世界に先駆けてリリースし、レーベル初期の隠れた名盤として知られている。なお、店頭在庫のみなので、出会った時は即ゲットです!
(白神)



THE AVALANCHES 『Since I Left You』(2001)
彼らも実はモデュラー一家! ここのところリリースはありませんが、サンプリング音楽の可能性を切り拓いたこのデビュー・アルバムの衝撃度はいまもって薄れることナシ。とってもポップで、踊れて、オシャレで、チャーミングな大傑作なのです。
(青木)



ROCKET SCIENCE 『Contact High』(2002)
2004年の〈フジロック〉で来日していたロケット・サイエンスのデビュー作は、モデュラーからのリリース。爆走するオルガンと超サイケなガレージ・ロックにニューウェイヴが絡み合うサウンドは、独創的で挑戦的。いま聴いても相当斬新だよ!
(白神)



THE BUMBLEBEEZ 『Red Printz』(2003)
コロア兄妹がキャンベラ近郊で結成した奇天烈ユニット。オーストリアとUKでヒットした2枚のEPをまとめた今作を聴いて、トム・ヨークが彼らをレディオヘッドの前座に抜擢!なんて逸話も。パンクとノイズとヒップホップが正面衝突した、爆裂サウンドがヤバすぎです!
(白神)



VARIOUS ARTISTS 『Leave Them All Behind』(2005)
ダンスとロックが行き交うレーベル・コンピの第1弾は豪華2枚組仕様。ブロック・パーティーやデス・フロム・アバヴ1979らに混ざって、地元の新人も収録! もちろんカット・コピーやプリセッツなどレーベルの顔も集結した、ディープすぎる入門盤だ!
(白神)



CUT COPY 『Bright Like Neon Love』(2006)
メルボルンの3人組によるデビュー作。ダフト・パンクやデジタリズムっぽいフレンチ・タッチ〜ニュー・エレクトロなサウンドに、ニュー・オーダーやペット・ショップ・ボーイズの面影が色濃い80'sフレイヴァーを加えて、レーベルに新たな風を送り込んだ。
(白神)



THE PRESETS 『Beams』(2006)
オーストラリアで熱烈な支持を受けている2人組のデビュー作は、下品なニューウェイヴ・ディスコ・サウンドがズラリ。ソウルワックスやジャスティスとの共演を果たすなどロックとクラブ・ミュージックを股に掛けた活動はいかにもモデュラーらしく、さらなるブレイクも確実でしょ!
(白神)





KLAXSONS 『Xan Valleys EP』(2006)
今年の音楽シーンの顔役である彼らがメジャー・デビュー前にリリースした、インディー時代のレア音源テンコ盛りEP! レーベルメイトのヴァン・シーによるリミックスも収録されているが、とりわけ冒頭のシングル曲が圧巻だ。ニュー・レイヴ前夜の熱気と興奮に包まれた一枚。
(白神)



WOLFMOTHER 『Wolfmother』(2006)
ブラック・サバスやレッド・ツェッペリンの魂を蘇らせて大ブレイクした彼ら。異色にも思えるが、マスタークラフトが手掛けたリミックスが話題を呼んだりもしました。単なるオヤジ趣味バンドではなく、あくまでもイマの耳でハード・ロックを楽しんでいる姿勢がモデュラーっぽい!?
(白神)



THE BLACK KEYS 『Magic Potion』(2006)
ダン・オーバックとパトリック・カーネイによるギターとドラムスの2人組も最新作でモデュラーと契約。ジミヘンの幻影を背に、ホワイト・ストライプス的なブルージーで強靭はギター・サウンドを構築した今作。ウルフマザーにも通じる男臭さと泥臭さに降参です。
(白神)



VAN SHE 『Van She』(2006)
4人組のニューウェイヴ・エレクトロ・バンド。まだEPのリリースのみだが、甘いヴォーカルとメロディーを武器に信者が増殖中! ティガやクラクソンズのリミックスも手掛けているが、本作ではなんとダフト・パンクばりのフィルター・ハウスをお披露目。この振り幅も魅力なんです!
(青木)



SOFTLIGHTES 『Say No To Being Cool Say Yes To Being Happy』(2007)
元インクレディブル・モーゼズ・リロイのメンバーによるカリフォルニア発の4人組のデビュー作。クラップ・ユア・ハンズ・セイ・ヤーばりのヘロヘロなインディー・ギター・ロックと優しく美しいエレクトロ・サウンドがとっても素敵!
(白神)



VARIOUS ARTISTS 『Leave Them All Behind 2』(2007)
レーベルのショウケース・コンピの第2弾。モデュラー所属アーティストのみならず、フランツ・フェルディナンド、ジャスティス、ラプチャー、フューチャーヘッズなど、インディー・ダンス/ロック系のおいしいところを総ざらいした決定盤です!
(青木)


文/青木 正之

NEW YOUNG PONY CLUB


 イジャット・ボーイズやフジヤ&ミヤギなど、ディスコやロックを縦横無尽に駆け巡るユニークな作品をリリースし、カルト的人気を誇るタークから2004年にデビューした男女5人組、ニュー・ヤング・ポニー・クラブ。NME誌が主催する〈NME New Rave Tour〉へクラクソンズ、CSS、サンシャイン・アンダーグラウンドと共に参加するほか、リリー・アレンのUKツアーにも抜擢されるなど、モデュラーの中でも1、2を争う注目株だ。モデュラーからのファースト・シングル“Ice Cream”、続くセカンド ・シングル“The Bomb”とフロア・アンセム化したヒットを立て続けに発表し、たちまちニュー・レイヴの代表的アーティストに躍進している。

 待望のファースト・アルバム『Fantastic Playroom』では、バンドの特徴であるチープなシンセ、スカスカな音で奏でられたディスコ・ビートによる軽妙なファンク・サウンドを披露。印象に残るフックも曲ごとにバンバン飛び出し、ポテンシャルの高さを改めて実証している。また、キャラの立ったヴォーカリスト、タヒタ・ブルマー嬢のちょっと気怠そうでセクシーな歌唱と、ルーズなグルーヴとのコンビネーションも見事で、バンド・サウンドの中毒性を高めることに成功。ニュー・レイヴ・クイーンとしての貫禄もすでに十分です。シングルではヴァン・シーやDJメディらがリミキサーに起用されており、こちらも要チェキ!
ニュー・ヤング・ポニー・クラブのファースト・アルバム『Fantastic Playroom』(Modular)

文/青木 正之

THE BANG GANG DEEJAYS


 〈オーストラリアの2メニーDJs〉の異名を取り、いま急速にその名が世界に浸透しつつあるバン・ギャン・ディージェイズ。コンピ〈KITSUNE UDON〉に彼らが手掛けたニュー・ヤング・ポニー・クラブ“Ice Cream”のリミックスが収録されたり、〈朝まで生ソニ〉に出演したりと日本でも着実にその存在は認知されている。彼ら名義のミックスCDとしてはおそらく初のリリースとなる『Light Sound Dance』は、CD2枚に70曲近くをブチ込んだ終始ハイテンションな作品で、モデュラーのカラーにもピッタリ。使用曲はエレクトロ・ブレイクスやニュー・レイヴという言葉に身体が反応する人にはうってつけのチョイスで、ウルフマザー、ソウルワックス、サーキン、DJメディ、シットディスコ、ヴァン・シーなどを少々強引にマッシュアップ&エディットし、クイック・ミックスした豪快仕様だ。単純に快楽を追求する奔放な姿勢はオージーならでは。本年度の最強ミックスCDはこれで決まりか!?
バン・ギャン・ディージェイズのミックスCD『Light Sounds Dance』(Modular)

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