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 掲載: 2008/03/19
ソース: 『bounce』誌 296号(2008/2/25) |
文/出嶌 孝次 AT THE TIME, NEW CLASSIC SOUL WAS BORN! レニーとニュー・クラシック・ソウル黎明期の意外な接点!
オールド・ソウルへの敬愛こそあれ、現行のR&B/ヒップホップとレニーの間に音楽的な共通点は見い出し難い。ただ、アンジー・ストーンとの関わりからレニーが現行シーンの形成に少なからぬ役割を果たしてきたという事実まで見過ごしてはいけないだろう。
発端は、90年に行われた〈Let Love Rule Tour〉のコーラス要員にアンジーが選ばれたことだ。当時ヴァーティカル・ホールドというグループで苦闘していたアンジーは、レニーやその従兄弟であるジェリー・デヴォーに実力を認められ、ツアー後もヴァネッサ・パラディやジェリーの楽曲に参加するなど関係を継続。ジェリーがレニーに書き下ろした“Heaven Help”でも彼女の歌声は聴ける。一方、ヴァーティカル・ホールドはレニーの助力も得て93年にアルバム・デビュー。2年後には2作目『Head First』も発表するのだが、そこでは当時のアンジーの恋人=デビュー直前のディアンジェロが登場していた。ディアンジェロはその前年に30組近い男性R&Bアクトが集ったB.M.U.なる企画ユニットの名曲“U Will Know”を制作しているのだが、そこでも恐らくアンジーの要請でレニーがアコギを弾いているのだ。ジェリーとのユニットを経てアンジーがようやくソロ・デビューした99年の『Black Diamond』にもレニーは当然参加……と、レニーの存在がなければニュー・クラシック・ソウルの確立に寄与したこのカップルが世に出るのは遅れたかもしれない。そう思うと、60〜70年代の音楽を現代的なヴァイブで再生するニュー・クラシック・ソウル(〜ネオ・ソウル)のヴィジョンがレニーの方法論と相通じる側面もあったと気付くことができるだろう。以降もアンジーの客演したエリカ・バドゥの『Worldwide Underground』や、ディアンジェロのマネージャーが送り出したニッカ・コスタの作品でレニーの演奏を聴くと、その縁や繋がりの強さを感じさせられたりもする。
なお、そんな経緯も踏まえてか、レニーが90年代末からアーバン作品への参加を増やしていたことも付記しておこう。プラーズやバスタ・ライムズ、メアリーJ・ブライジらのバックでギターを弾き、“Show Me Your Soul”ではディディともコラボ、さらにジェイ・Zとは珍しく相互のアルバムで共演していた(ジェイはその後マドンナのアレを引用した“Justify My Thug”を発表)。単なるセレブな大物交流と言われればそれまでだが、こうした華やかなレニーの姿ももう少し見てみたいものだ。 ▼関連盤を紹介。
| | アンジー・ストーンの99年作『Black Diamond』(Devox/Arista) |
| | ディアンジェロの95年作『Brown Sugar』(EMI) |
| | エリカ・バドゥの2003年作『Worldwide Underground』(Motown) |
| | ニッカ・コスタの2005年作『Can'tneverdidnothin'』(Virgin) |
| | バスタ・ライムズの2000年作『Anarchy』(Flipmode/Elektra) |
| | メアリーJ・ブライジの2001年作『No More Drama』(MCA) |
| | ジェイ・Zの2002年作『The Blueprint 2 : The Gift & The Curse』(Roc-A-Fella/Def Jam) |
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