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耳で聴いたピープル・トゥリー

掲載: 2008/03/19

ソース: 『bounce』誌 296号(2008/2/25)

レニー・クラヴィッツをめぐる音楽の果実は、ここに一本のトゥリーを生んだ

文/出嶌 孝次、山口 コージー、山西 絵美




1 GUNS N' ROSES
『Use Your Illusion I』
 Geffen(1991)
スラッシュとレニーは高校の同級生という間柄。そんなわけで、出世作『Mama Said』からのファースト・シングル“Always On The Run”を2人で共作し、プロモ・クリップでも仲良く共演している。また、レニーにツェッペリンの素晴らしさを伝授したのもスラッシュだったとか。スラッシュなくして、レニーなし!
(山口)



2 RCサクセション
『Baby a Go Go』
 EMI Music Japan(1990)
盟友のヘンリー・ハーシュによる〈アビー・ロード〉的なエンジニアリングなしに、初期レニーの60'sサウンドは成り立たなかったはずで、そんなモダン・ヴィンテージ職人を起用したのがRCの本作だ。音の響きがモロなYEN TOWN BANDやミスチルの『深海』、そしてレニーの新作もヘンリーの仕業だって。なるほど〜。
(出嶌)



3 MUTYA BUENA
『Real Girl』
 Island(2007)
ネオ・ソウルっぽいナンバーで幕を開けるソロ・デビュー作から、“It Ain't Over 'Til It's Over”を大胆にベタ敷きした反則スレスレのタイトル曲がシングル・ヒットを記録したムティア。アルバム中ではロネッツ“Be My Baby”のカヴァーを披露してたけど、今度はぜひともヴァネッサ・パラディ版でヨロシクね。
(山西)



4 SEAN LENNON
『Friendly Fire』
 Capitol(2006)
レニーの一貫したラヴ&ピース精神はジョン・レノンから受け継いだもの。だからして、『Mama Said』収録の“All I Ever Wanted”を息子のショーン君と共演した時は感慨もひとしおだったのでは? で、このコラボが大好評を博し、その直後に“Give Peace A Chance”を2人でデュエットすることとなりました。
(山口)



5 CHOCOLATE GENIUS INC
『Black Yankee Rock』
 Commotion(2006)
〈見た目に反して黒くない〉サウンドでかつて業界人を困惑させたレニーであるが、彼の音もそんな感じ!? クレイグ・ストリートがプロデュースした本作は浮遊感たっぷりの聴き心地だが、深く潜っていくとそこには生臭い〈ヤンキー・ロック〉の大海原が! そういえば、彼も自分で全楽器をこなしちゃうのよね。
(山西)



6 MARK RONSON
『Here Comes The Fuzz』
 Elektra(2003)
お坊ちゃん気質が共通……とかはさておき、レニーに先駆けてニッカ・コスタ作品の〈レニー感〉を演出していた彼は、本作中の“On The Run”で“Always On The Run”をサンプリング。近年の彼が腕を振るうレトロ・ポップの数々に、〈オレがヴァネッサとやってたことじゃん!〉とレニーが触発されることを希望します。
(出嶌)



7 MICK JAGGER
『Wandering Spirit』
 Atlantic(1993)
前座を務めた経験は別として、一本気なロックをやらせるとビートルズよりストーンズっぽくなるのはレニーがロックンロールだからだよ。当然ミックとは好相性で、本作ではビル・ウィザーズ“Use Me”をドス黒くデュエット! この8年後にプロデュースした“God Gave Me Everything”も最高に骨太だった。
(出嶌)



8 BEN HARPER & THE INNOCENT CRIMINALS
『Lifeline』
 Virgin(2007)
US南部のルーツ・ロックを敬愛するベン・ハーパーだが、一方でレニーと同様にジミ・ヘンドリックスを師と仰いでいたりも! だからだろうか、スタイルは違えど音にヴィンテージな感触を与える手捌きが、レニーと類似しているような気がしてならない。また、両者には女優にモテるというズルイ共通点もあり!
(山口)





9 Taiji All Stars
『FEMME FATALE』
 フォーライフ(2007)
髪型や太もも部分をパンパンに張らせたベルボトム、そしてソウルフルな歌唱から〈日本のレ二ー・クラヴィッツ〉なんて呼ばれている佐藤タイジ。birdやhitomiら美人歌姫8人を呼び寄せて自作曲を歌わせた本盤は、まさにモテ男にしか作り得ない一枚であり、〈USのタイジ〉もさぞかし羨ましがっているのでは?
(山口)



10 CINDY BLACKMAN
『Someday』
 Highnote(2001)
マルチ・プレイヤーとしてお馴染みのレニーですが、彼のパワフルなライヴはバック・バンドの存在あってこそ! アート・ブレイキーの元で腕を磨いた彼女は、そんなワガママなレニーを支えてきたドラマーだ。リーダー作ではモダン・ジャズを、バンドではバキバキのロックを叩く、レニー同様にマルチな人なのです。
(山西)



11 EARL GREYHOUND
『Soft Targets』
 Some(2007)
レイドバックしたサウンドと佇まいから〈ツェッペリンの再来〉なんて騒がれている3人組……おや? 確かレニーの登場時もこんなタタキ文句が付けられていたような!? さておき、ケタ外れにうねるグルーヴとボトムの利いた楽曲の数々には、レニーも嫉妬していることだろう。ぜひいつか共演してくれ!
(山口)



12 SPACE COWBOY
『Big City Nights』
 Southern Fried/ソニー(2005)
身体が勝手に反応する昇天級のリフを備えた“Are You Gonna Go My Way”を、プリンスのハウス・カヴァーで知られた彼がカヴァー(日本盤のみ収録)。破壊力ゆえにハウスやトランス方面でリミックスやマッシュアップの定番となっている同曲の、E・クレイグの“R.U. Gonna Go My Way”と並ぶ決定打として。
(出嶌)



13 JAMIROQUAI
『Dynamite』
 S2(2005)
こっちの〈スペース・カウボーイ〉は何で載っているのかって? それは黒人音楽への偏愛を白人として音に描写する手法が、レニーとハード・ロックの関係に似ているから……なんてちょっと強引ですかね。でも、ある意味レニーとは対極にいるジャミなのに、本作収録のファンク曲が異様にレニーっぽいのも気になるのよ!
(山西)



14 DUBSENSEMANIA
『Inna di kitchen』
 ソニー(2006)
本作にてKeisonとカヴァーした“It Ain't Over 'Til It's Over”は、(彼らがレニーみたいなセレブ香とは真逆のスメルを放っているため)やはり塩辛い仕上りに。しかし、ピアニカがなぞるあのフレーズはどんなに煙たいダブワイズを施そうとも輝きを失うことはなく、かつダブセンの個性を引き出しているのだから不思議!
(山西)



15 VARIOUS ARISTS
『Goin' Home:A Tribute To Fats Domino』
 Vanguard(2007)
豪華メンツが参加したファッツ・ドミノのトリビュート盤でも、どうしたって抜群の存在感を放ってしまうレニー。ここではメイシオ・パーカーらJBホーンズを後ろ盾に、“Whole Lotta Loving”でバカ騒ぎ! ニューオーリンズ・ファンクの引き出しも持ち合わせていたとは……冗談抜きで聴いたほうが良いです。
(山西)


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