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掲載: 2008/05/08
ソース:『bounce』誌 298号(2008/4/25) |
文/粟野 竜二、宮原 亜矢
〈クリスチャン・ロック〉という枠組みは、そのネーミングによるイメージでリスナーを限定するケースを懸念してか、日本において積極的に謳われることが少ないように思う。一方、USではグラミー賞のゴスペル部門に毎年多くのクリスチャン・バンドがノミネートされていたり、カレッジ・チャートでも専門チャートがあったりと、しっかりとした土壌ができている。その音楽性はモダン/ヘヴィー・ロックからアイドル・ポップスまで多様だが、おおむね共通しているのは〈人生と向き合う誠実な姿勢〉を曲の題材にしていること。そこには信仰心の有無に関わらず聴き手を鼓舞する、ポジティヴな言葉が溢れている。もちろんクリスチャン・ロックのレーベルも数多く存在していて、なかでもテネシー州フランクリンを拠点とするフリッカーは近年でもっとも飛躍したレーベルのひとつと言えよう。そんなわけで、ここではクリスタル・マイヤーズやリーランドを輩出したプロヴィデント傘下のレーベル、フリッカーに所属するバンドを紹介してみたいと思う。 (宮原亜矢)
| | クリスタル・マイヤーズの2006年作『Dying For A Heart』(Essential/Provident) |
| | リーランドの2008年作『Opposite Way』(Essential/Provident) |
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FIREFLIGHT フリッカーが現在イチオシするバンドこそ、このフロリダ出身の5人組だ。女性ヴォーカルのドーンによる天高く響く歌声と、エヴェネッセンスの〈ゴス〉と〈ポップ〉の割合を反対にしたような、ヘヴィーかつメロディアスでキャッチーな音が特徴だ。クリスチャン・ロック系のラジオ局を中心に話題を呼んだ2006年発表のデビュー作『The Healing Of Harms』からさらにレベルアップしたこのたびのニュー・アルバム『Unbreakable』(Flicker/Provident/BMG JAPAN)で、日本でのブレイクも必至! (粟野)
PILLAR フリッカーの看板バンドであったピラーが、結成10周年目を迎えた今年、5枚目となる新作『For The Love Of The Game』(Essential/Provident/BMG JAPAN)で姉妹レーベルに移籍&ついに日本デビューだ。ここでの〈Game〉とは人生や生き方のこと。メッセージをより強く届けるため、ラップコアからストレートなロック・サウンドへシフトしたのが功を奏し、USで幅広い年齢層の心を打っている。夢を生業にできた喜びと、支えてくれたファンへの感謝を綴った言葉の数々は重みと深さが違う。 (宮原)
NEVERTHELESS 『Live Like We're Alive』 (2006) アンダーオースをはじめ多くのクリスチャン・ロック勢を手掛けるジェイムズ・ポール・ウィズナーをプロデューサーに迎え、ポップ・エモを鳴らした5人組の初作。人々が抱く深い傷を修復すべく邁進する姿に胸が熱くなる。 (宮原)
FLATFOOT 56 『Jungle Of The Midwest Sea』(2007) フロッギング・モーリーの前座として来日経験もあるシカゴのケルティック・パンク集団。バグパイプやバンジョーなどの多彩な楽器を駆使した勢いのあるサウンドと、シンガロング必至の男気溢れるコーラスが痛快だ。 (粟野)
UNTIL JUNE 『Until June』(2007) 〈6月までに結果を出す!〉という決意をバンド名に込め、本デビュー作で見事目標を達成してみせた彼ら。LA出身ながらキーンらUKの叙情系バンドを引き合いに出されることが多く、ピアノの美旋律とファルセット歌唱でそれ系のファンを虜にした。 (粟野)
WAVORLY 『Conquering The Fear Of Fligh』(2007) エモっぽさとモダン・ロック的要素を絶妙なバランス感覚で同居させつつ、そこにミューズを彷彿とさせるドラマティックなサウンドも加味した驚異の新人。こういう才能がヒョコっと出てくるのもフリッカーのおもしろいところ。 (粟野)
ELEVENTYSEVEN 『Galactic Conques』(2007) ピコピコでメロメロ! サウスキャロライナ発の3人組による2作目は、〈エモ・メロ+電子音〉の先駆者であるパニック・アット・ザ・ディスコの初作に匹敵する、インパクト大な一枚。思わず笑ってしまうくらいのハジケっぷりだ! (粟野)
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