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掲載: 2008/05/08
ソース:『bounce』誌 298号(2008/4/25) |
〈イル〉でも〈バッド〉でも〈パンク〉でもいいが、〈ダメ〉ってのはヤバいってことさ! そんな日本語ラップ屈指の優良ブランド=ダメレコがついに4周年を迎えたぜ!
文/一ノ木 裕之、稲村 智行、出嶌 孝次
既存のレーベルからこぼれ落ちるアイデアや音源も、躊躇なく、また柔軟なペースで世に出せるインディー・レーベル。その特性を活かしたDa.Me.Recordsは、そもそもダースレイダーが自宅のスペースにレコーディング可能な環境を整えたのを機に、録音経験の少ない周辺アーティストを呼び込んだのが始まりだ。録音や作品流通のイロハを知らぬ若いラッパーたちの駆け込み寺的に機能してきた活動初期から、4年を経た現在では外部録音が増えるなど環境の変化はあるものの、〈日常に音楽を!〉というレーベルのスローガンは不変。アーティスト個々に多くが委ねられている点でおのずとカラーにも幅はあるが、イビツさこそあれ、不良的なスタンスを打ち出さないクリーンな作品性はおおむね一貫している。安価で供給される音源の動きと並行して、ダースレイダーが先頭に立って〈蝕〉やチーム戦フリースタイル・バトル〈3 on 3 MC Battle〉に代表されるイヴェントを運営し、コンピCDからスタートして現在はマガジン+DVDの形となった〈月刊RAP〉を発行するなど、大きな意味でシーンをまとめる動きも影響力大だ。 (一ノ木裕之)
| | 設立4周年を記念したレーベル・ベスト『Da.Me.Records Since 2004...4th Anniversary』(Da.Me.Records) |
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りんご 『りんごのりんご』(2004) ヘンテコなジャケや“すりおろしりんご”といった曲名とは裏腹に、KEN THE 390、はなび、EI-ONEのタイトなラップが超フレッシュな、ふぞろいならぬ粒揃いの丸かじり盤! 大和民族やロベルト吉野の好演もあって、〈この中身で¥1,000とは!〉という定番フレーズへの信頼感を高めることに早くも成功したダメレコ屈指の名品ですよ。 (出嶌)
D.M.R. 『ANTI-MACHINE-SYNDROME』(2004) ダースレイダー、環ROY、メテオから成るトリオの3作目で、FUNK入道(=ダースレイダー)が全曲を手掛けた初期ダメレコの重要作。ファンク指数の高さとラップ熱の漲り具合は圧倒的で、レーベルの所属メンツもほぼ勢揃い。オールスターによる怒涛のマイクリレーはいま聴いても心躍る! DIY精神が生んだ名作だ。 (稲村)
太郎&KEN THE 390 『JAAAM!!!』(2005) 初期衝動そのものの初デュオ作。各々のマイク捌きは録音状態も相まっていかにも粗削りだし、スタイル的にも未消化だが、以降の2人のどのアルバムよりもフィジカルな強さが伝わる仕上がりだ。そして何より、両名の関連作中ではもっともサウンド的に黒いアルバムだろう。 (一ノ木)
EI-ONE&はなび 『三日間』(2006) このコンビによる唯一のアルバムは、〈日本でラップをすること〉のリアルさを垣間見せてくれる秀作。りんごともソロともまったく別のヴェクトルへと振り切れて、感情剥き出しで日常を空間ごとに切り取っていくような2人のラップが、無駄のないトラックと渾然一体になって押し寄せてくる。 (稲村)
TARO SOUL 『SOUL SPITS』(2006) 加藤ミリヤからSHINGO☆西成まで幅広いメンツとマイクを交わし、ここ数年の客演王とも言える彼のソロ・デビュー作。歌とラップをスキルフルに行き交い、温かいソウル・フィールでイイ奴っぷりを迸らせる様子が実に逞しい。間もなく登場するメジャー・デビュー盤の前にチェックを! (出嶌)
ダースレイダー 『CHANGE YOUR WORLD』(2006) 作ったはいいが周りを置き去りにしちゃった観も極まった前作を経て、下の世代を引っ張っていく自身の立ち位置へと我に返ったソロ3作目。その自覚が正した内容と音で、妄想もほどほどにアンダーグラウンドの立役者たる表の顔をはっきりと提示してみせた。 (一ノ木)
はなび 『タイマン』(2007) 終わらぬ自問自答を繰り返す己の姿と、身近に見るはぐれた人々の様子、ノスタルジックに手繰り寄せる記憶……それらをラップという鏡に映したような初のソロ・アルバム。キャラに伴うイメージに反して、みずからの抱える弱さも衒いなく表現した作品と言えそう。 (一ノ木)
神門 『三日月』(2007) ダメレコが自信を持って放った初の関西産品は、神戸から現れたリリシストの初作。ポエトリー・リーディングで始まる全15編のラヴソングには驚かされるものの、心に突き刺さる文学的なリリックと哀愁漂うビートの世界観が、ラヴソングの形態をズルムケのヒップホップとして成立させているのですよ。 (稲村)
OLA U-TANG 『もりのひと』(2007) 元GOODFELLAS〜現CAMELBACKのGOUKIや、大和民族を中心とした吉祥寺の7MCらから成るクルーの初フル・アルバム。何と言ってもこうした大所帯ならではの醍醐味は、どがちゃかなマイクリレーだ。それぞれのスタイルのバラつきもまた然りな楽しさ。 (一ノ木)
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ダースレイダー 『ガレージ男の魂』(2005) ダースレイダー史上最高にダルダルな鼻歌混じりのラップでクダを巻く一作。食い合わせ無視の闇鍋サウンド、戯言も満載した歌詞など、怪人ぶりを全方位に放射した仕上がりは間違いなく聴き手を選ぶだろうが、オレ的には彼の最高傑作、かつ本質的に彼はこっちの人かと。 (一ノ木)
大和民族 『東京トビドウグ』(2005) 勢いに任せた語りっぷりはダメレコ勢でも一、二を争うインダラと、腰の据わった闊達なラップでバトルでも結果を残しているCUTEのコンビネーションはロック的な音にも有効。ある意味、ダメレコ作中でも極めてストレートなエナジーに導かれたアルバムのひとつだ。 (一ノ木)
COMA-CHI 『DAY BEFORE BLUE』(2006) 女の子ラッパーというと、往々にして男勝りかアイドルのなんちゃって系かの二者択一になりがちな日本で、その間を埋める絶妙のバランスを確保。安定したスキルと共に現れる自然な佇まいで一躍注目を集めた。Jazzy Sportからの新作もそろそろ? (一ノ木)
KEN THE 390 『プロローグ』(2006) ダメレコのホープによる記念すべきソロ第1弾! りんご〜太郎&KEN THE 390作品の流れを汲み、ジャジーでファンキーなビート上で流麗なフロウを乗せながら、パンチラインをキチッとハメてくるあたりはバトルの賜物か。個性的なMCが集うレーベルのなかでも特に正統派な一枚。 (稲村)
TARO SOUL & KEN THE 390 『FLYING SOUND TRACK』(2006) 歌寄りのスタイルへ大きくシフトしたTAROに、ラップの押し引きを弁えたKENと、各々がスタイルを見極めはじめたデュオ2作目。ポップな洗練へも向かうサウンドが2人を軽やかに後押しして明るいムードを演出。キャリアアップと呼ぶに相応しい一枚。 (一ノ木)
環ROY 『少年モンスター』(2006) 天然ぶりを醸し出す純真さと、それとは裏腹の偽悪的/露悪的なポーズや遊び。それらを結ぶ屈折した人間性が少しばかり他人とは思えないアルバム。黙ってりゃ見た目はもうちょっと可愛いのに……と言いかけたところで、その悪戯っぽさもまたウリかなと。 (一ノ木)
KEN THE 390 『More Life』(2007) 間にはマボロシとのコラボも経験しつつ、メジャー発の『My Life』から数か月で登場したサード・アルバム。なだらかな日常を飾ることなくラップに乗せる術が極められ、シンプルで骨太なビートの伴走も魅力的だ。ALI-KICKに将絢といったRomancrew組との手合わせがなかなかに楽しい。 (出嶌)
Lion's ROCK 『NO'17』(2008) 大阪は吹田出身でトラック制作もこなすラッパー、弱冠21歳のatiusによるファースト・アルバム。ジャジーなセンスを背景とした清潔感溢れるトラックと、ファーサイド〜ILMARIの系譜にあたる抜けのいい高音ラップからは、当レーベルの音源にしては珍しく涼しい風が流れてくる。 (一ノ木)
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文/出嶌 孝次 DVDもマガジンもダメじゃないぜ!
| | このたび新装刊されたDVD付きマガジン「月刊RAP presents RAP!! VOL. 1」(Da.Me.Records) |
いまや某レコ屋の名称を剽窃したことすら忘れられるほど、日本のヒップホップ・シーンになくてはならない存在となったダメレコ。その奮闘ぶりはCDのみに収まるものではありません。本文中にもあるイヴェントのソフト化や、プロモ・クリップなどを収めた映像集などのコンスタントなDVDリリースによって、局地的な動きに収束しがちなシーンの状況を映像で確認させてくれるわけですね。さらに、コンピからDVD付きマガジンへと進化を遂げた〈月刊RAP〉シリーズは、自社モノのみならずレジェンドから新人までを分け隔てなく紹介してシーン全体の底上げを図った内容で、ダースレイダーら執筆陣の意識の高さ&下世話さが美しい重要メディアであります。こうした頼もしい動きにも要注目でしょう。
| | DVD作品「3 on 3 FREESTYLE MC BATTLE 2006 GRAND CHAMPION SHIP」(Da.Me.Records) |
| | 「DA.ME.VIDEO DELIVERY VOL.3」(Da.Me.Records) |
| | DVD付きマガジン「月刊RAP 第11号」(Da.Me.Records) |
| | 「月刊RAP 第14号」(Da.Me.Records) |
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