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Guns N' Roses

掲載: 2002/10/24
更新: 2003/03/13
ソース: 『bounce』誌 236号(2002/9/25)

5つの個性と才能がぶつかり合って生まれた奇跡のロックンロール・アルバム『Appetite For Destruction』から15年。とうとうオリジナル・メンバーが彼――アクセル・ローズだけになったガンズ&ローゼズが完全復活に向けて動きだした。この夏の〈SUMMER SONIC〉でもその勇姿を日本のファンに見せつけたガンズは、いまも彼らが最強/最高のバンドであることを示したのである。彼らは〈伝説〉ではない。さあ、今一度彼らのジャングルへと迷いこむのだ!!

文/増田 勇一



 2002年8月17日、アクセル・ローズは間違いなく千葉マリンスタジアムのステージに立っていた。次の晩にも、確実に〈SUMMER SONIC〉大阪公演の最終幕を飾っていた。21世紀2度目の夏が、まさかガンズ&ローゼズ来日と共に記憶されることになろうとは思ってもみなかった。

 
1985年、ロサンゼルス。ガンズ&ローゼズはそこで産声をあげた。ごく単純に、ハリウッド・ローズのヴォーカリストだったアクセル・ローズと、LAガンズのギタリスト、トレイシー・ガンズの合体を起点としたことがこのバンド名の由来となった。そのトレイシーもほどなく離脱し、同年6月にはアクセルを中心にスラッシュ(ギター)、イジー・ストラドリン(ギター)、ダフ・マッケイガン(ベース)、スティーヴン・アドラー(ドラムス)という顔ぶれが出揃う。この5人がサンセット・ストリップ界隈の新しい〈顔〉になるのにさほど時間はかからなかった。

 翌86年に自主制作による『Live!?★@Like A Suicide』を発表すると、金を握ったオトナたちが動き始め、甘い話を持ちかけるようになる。結果、ゲフィンの敏腕A&R、トム・ズータウの目に留まり同社と契約。翌年夏に発表した『Appetite For Destruction』が、結果、伝説化する。全米だけに限っても、現在に至るまでに2,000万枚近くを売り尽くしてきたこの作品こそが、そのリリースから15年を経た現在もガンズ&ローゼズの代名詞であり続けている。

 事実、〈SUMMER SONIC〉のステージでも演奏メニューの核となっていたのは間違いなくこのアルバムだった。そして、15年前のガンズを原体験しているはずのない世代の観衆がそのライヴ・パフォーマンスに熱狂し、自分たちとさほど年齢の代わらない楽曲たちを歌いまくっていた。まさに空白の時間が埋められた瞬間だった。

度重なる不透明なメンバー・チェンジとゴシップ


 このバンドの15年間の変遷を順序立ててキチンと追うことはとても難しい。時間軸が長すぎるからでも、活動歴の密度が濃すぎるからでもない。むしろその逆である。『Appetite For Destruction』以降、ガンズ&ローゼズが発表してきた公式なアルバムは、前述の自主盤にアンプラグド曲4曲を加えた『G N' R Lies』(88年)、91年9月に色違いのアートワークで2作同時発表された『Use Your Illusion I&II』、ルーツを垣間見させるカヴァー集『The Spaghetti Incident?』(93年)、そして99年リリースの2枚組ライヴ作品『Live Era '87-'93』のみ。完全ディスコグラフィーを形成するうえでこれらに加えられるべきアイテムは、何枚かのシングルとサウンドトラック盤にすぎない。いわゆる純然たるオリジナル楽曲として現時点での最新音源にあたるのは、『Live Era '87-'93』とほぼ時を同じくして発表された映画「エンド・オブ・デイズ」のサウンドトラックに収められていた“Oh My God”。それが実に、91年以来の〈新曲〉だった。

 その、あまりにも長い空白の時間、ガンズ&ローゼズは沈黙を守り続けてきた。88年、92年、93年と来日公演も重ねてきた彼らではあったが、93年夏にブエノスアイレスで2年がかりのワールド・ツアーを完了した後は、ライヴ・バンドとしてもずっと機能せず。というか、まずバンドそのものが機能停止状態であり続けたのである。

 スティーヴン、イジーと続いたオリジナル・メンバーたちの脱退は、マット・ソーラム、ギルビー・クラークといったプロフェッショナルたちによって穴埋めされたが、94年以降のガンズは〈誰がメンバーで、誰がそうではないのか〉が不明瞭な状態であり続けた。結果、97年にはアクセル・ローズ個人がガンズ&ローゼズという名前の所有権を法的に獲得。辞めたつもりがないながらも個人活動を進めていたスラッシュ、ダフはそのままガンズの一員としての肩書きを失い、マットやギルビーに至っては〈正式メンバーですらなかった〉というのがこの時点における改訂版の事実となった。

 バンド名を法的に所有する。つまりアクセルは、自分さえいればガンズ&ローゼズであり、自分以外に何人オリジナル・メンバーが顔を揃えようとガンズを名乗ることは不可能という状況を整備した。なぜか? その理由は今日まで具体的に明かされてはいない。が、その後の彼自身の動きを見守りつつ、僕はひとつの確信に至っている。ガンズをガンズのままであり続けさせるために、アクセルは〈時間を止めた〉のだ。

 度重なる不透明なメンバー・チェンジとレコーディング作業のやり直し、そして忘れた頃に届く〈逮捕〉〈暴行〉といったゴシップ。そんな情報しか伝わってこない月日を何年も重ね、ほとんど誰もがガンズの存続、もしくは再生を信じなくなっていた頃、アクセルは動き始めた。

高まる期待感と来るべき新作『Chinese Democracy』


 2001年元旦、ラスヴェガス。そこで彼の率いる21世紀型ガンズにとって初の公式なライヴが行なわれた。同じく1月中旬には、ブラジルはリオデジャネイロでの〈ロック・イン・リオ〉にヘッドライナーとして出演。ヴェガスでの復活公演でアクセルは「ニュー・アルバムが完成した」と明言し、両公演では、すでに『Chinese Democracy』というタイトルのみ公示されていた〈新作〉からの楽曲もいくつか披露された。時代が21世紀に突入すると共にガンズ&ローゼズの新章が始まる。そんな願望が、現実となることを僕は信じきっていた。

 が、高まる期待感をよそにアクセルは、2001年の残り11か月間、沈黙を押し通した。実のところ、6月にはいわゆる野外フェス出演を中心とする欧州ツアーも決まっていたが、バケットヘッド(ギター)の腕の故障により中止。もしもそれが実現していたなら何らかの音源が発表されていたのではないかという気もしないではないが、結局、『Chinese Democracy』は闇の中。辛うじて年末には〈前回のライヴが楽しかったから〉という単純な理由から再びラスヴェガスでの年越しライヴ(12月29日、31日)が行なわれているが、あくまで突発的なものにすぎず、ガンズの本格再始動に関する具体的なヒントは何ら提示されることがなかった。

 が、それでも僕が前述したような確信に至ったのは、それら過去4回の新生ガンズのライヴ・パフォーマンスを通じ、アクセルが何にこだわり、何を貫こうとしているのかが見えた気がしたからである。実に『Appetite For Destruction』から10曲ものチューンをセットリストに組み込み、それらを〈枯れ〉やブルージーな味わいといった〈ロック・バンドなりの円熟〉とは無縁の衝動、焦燥感、苛立ちをもって再構築し、それらと温度差のない新曲たちを提示してみせたアクセルに、僕は、いまだに彼のなかで『Appetite For Destruction』こそがガンズであり、あのアルバムの熱と切れ味を失わずにいることこそが命題なのだと解釈した。

 が、そんな身勝手な結論をはじき出すために2年連続でラスヴェガスに通い、南半球にまで飛んだ僕でさえ、2002年が明けてもいっこうに動きだす気配のない現実には〈今年こそ動きだすはずだから〉と狼少年のように繰り返す気力を失いつつあった。そんな頃に突然届いたのが、〈SUMMER SONIC〉出演決定のニュースだったのである。
リリースされたばかりのガンズ&ローゼズのトリビュート盤『A Rock Tribute To Guns N' Roses』(Deadline/cutting edge)。トレイシー・ガンズ、ギルビー・クラークが演奏を手掛け、シンデレラやクワイエット・ライオットのメンバーたちが参加


 現在のガンズ&ローゼズは、アクセル・ローズ(ヴォーカル)、ロビン・フィンク(ギター)、バケットヘッド(ギター)、トミー・スティンソン(ベース)、ブレイン(ドラムス)、ディジー・リード(キーボード)、クリス・ピットマン(キーボード)、そして今回からの新加入となるリチャード・フォータス(ギター)という大所帯。昨年の大晦日までステージを共にしてきたアクセルの幼馴染み、ポール・トバイアス(ギター)の姿はもうない。香港でのライヴを経て日本で2度のステージを行なった後はヨーロッパに飛び、ベルギー、UKでのフェス出演も果たしている。

 一説によれば、いよいよ今年の秋から来年にかけてのいずれかの時期に、『Chinese Democracy』がリリースされるとの話もある。もちろんガンズ&ローゼズの未来は、常に未確定要素で埋め尽くされている。が、それでこそガンズ。僕は期待を膨らませずにはいられない。空白の時間を飛び越え、ふたたび精神的に〈87年〉を迎えたアクセルが次に提供してくれるのは、間違いなく21世紀の『Appetite For Destruction』となるべき作品なのだから。そこでまた、ロックが新しい局面を迎えるはずだから。そう、まるで15年前と同じように。

文/田中 大

DISCOGRAPHIC
GUNS N' ROSES
ガンズ&ローゼズを知るための4枚


Appetite For Destruction

Geffen(1987)

ガンズはやっぱりこの曲で幕を開けなければならない! 〈SUMMER SONIC〉でも1曲目だった“Welcome To The Jungle”で始まるファースト・アルバム。これこそが彼らの最高傑作だといっても誰も異論あるまい。“Sweet Child O' Mine”“Paradise City”など名曲だらけ。



G N' R Lies

Geffen(1988)

デビュー前に自主制作でリリースされていたライヴ盤『Live!?★@Like A Suicide』に、アコースティック・ナンバー4曲を加えたアルバム。ライヴ音源でのアクセルのヴォーカルはまだ粗削り。だが、この生々しさはすでに彼が天才であることを強烈に主張している。



Use Your Illusion I

Geffen(1991)

約3年ぶりとなる新作への過剰な期待に応えるがごとく、2枚同発、トータル150分、全30曲。〈I〉と〈II〉に分けられているが、この2枚でひとつと捉えるべき作品。長え! でも捨て曲なし。ハード・チューン、バラード、カントリー風などなど、とにかく幅広い内容。



Use Your Illusion II

Geffen(1991)

先述のとおり、ガンズの持ち技の限りが発揮された2枚の後半戦。この時期ガンズは名実共に神。そのぶん、アクセルが暴行事件を起こしたり、イジーが飛行機で暴れて逮捕されたり、ライヴで暴動が起きたりと、派手なトピックには事欠かなかったのだった。



OTHERDISCOGRAPHIC
Live!?★@Like A Suicide(1986)
The Spaghetti Incident?(1993)
LIVE ALBUM
Live Era '87-'93(1999)

文/高橋 玲子

DEAD, JAIL, OR ROCK N ROLL!!
ガンズ&ローゼズが現れたその後で蠢いていたグラマラスなバンドたち


 ガンズ&ローゼズの登場によってその画一的な価値観が覆されるまで、80年代中盤はモトリー・クルーなど一部例外を除けばバンドの成功は速弾きギタリストの存在にかかっていると言っても過言ではなく、テクニック信仰が強い時期だったと思う。速弾き養成学校G.I.Tの存在も手伝って(?)、上手いミュージシャンと多くのバンドが活動の拠点を移し、LAは百花繚乱のメタル天国と化した。とんでもない時代です。

 さて、一括りに〈LAメタル〉とされる連中には〈移民〉も多く、ジョン・ボン・ジョヴィに見い出されブルージーな持ち味とギター廻しの派手なステージで話題のシンデレラ、徹底的な軽薄さがウケてデビュー・アルバムが全米400万枚も売れたポイズンは共にペンシルヴァニア出身だし、ニューヨークのホワイト・ライオンもLAに移って成功したクチ。また、ディオやホワイトスネイクら70年代より活動する大御所バンドも、オジー・オズボーンに刺激されたのか(?)カットオフTシャツに着替えて若作りしつつ速弾きギタリストを伴い、続々LA入り。ドイツから移ってきていたドッケンも、ジョージ・リンチとドン・ドッケンの確執など尽きない話題と叙情的な作風でブレイク。もちろん地元には、ライヴ中心に人気を得た連中がワラワラと分布していて、ガンズ&ローゼスの結成メンバーであるトレイシー・ガンズが出戻った刺青集団LAガンズ、ラス・メイヤーの映画から名を戴いたグラム・メタルの典型ファスター・プッシーキャットらはその代表格だろう。またモトリー・クルーやラットに続けとばかりに、キッスのジーン・シモンズがバックアップするブラック&ブルー、シンセを多用しポップ性豊かなオートグラフ、オヤジ人気も高かったグレイト・ホワイトやラフ・カットなども凌ぎを削っていた。

 こうしてバンド名を列挙するだけでゲップものだが、そんな飽和状態に絶妙なタイミングでガンズ&ローゼスは登場し、そして個人的な話だが、テクニックなど細かい要素で判断していた好き嫌いの基準も、彼らの〈カッコよさ〉の前にすべてどうでもよくなった。そういう思いをした人は結構多いんじゃないだろうか?
シンデレラの90年作『Night Songs』(Mercury)
ポイズンの86年作『Look What The Cat Dragged In』(Capitol)
ドッケンの85年作『Under Lock And Key』(Elektra)
ファスター・プッシーキャットの87年作『Faster Pussycat』(Elektra)

文/Kta★brasil

GUNS N STYLES
誰もが一度はマネした?そのファッション・センス


 多くの流れを汲みつつ圧倒的なオリジナリティーとリアリティーを確立したガンズ&ローゼズ。ヴィジュアル面へのこだわりでも同じことがいえる。

 ローブロウ・カルチャー界の巨匠、 ロバート・ウィリアムスが描いた『Appetite For Destruction』のショッキングなジャケット(初回プレス分のみ。後に発禁になった)、メンバーの体に入った無数のタトゥー・ピースのひとつひとつからも、ヤツラが持っていたまったく新しいセンスを確認することができた。初期においては、ポリス・キャップ&レイバンといったLAメタル系の格好をしていたこともあったアクセルだが、やはり彼といえば長髪、長折り小紋系バンダナ、ライダース、短パン、そしてコンバースがトレードマークだ。彼がそのファッションをはじめたときには、当時のスラッシャー/LAギャング系ファッションと共に強烈なインパクトを放ったものだ。また、モジャモジャのロン毛にコンチョ付きのイートン帽&咥えタバコでレスポールをかき鳴らし、決まってジャックダニエルを手にしていたスラッシュ。唯一無比のスタイルを持った彼はスターの貫禄を誇っていた。そして、ガンズのなかで最もオシャレ心を感じさせてくれたのがイジーだった。ボーラー帽にシルク・スカーフのバンダナ&スクエアグラスの掛け合わせは、いまもなお最先端をいってます! 裏原宿でハヤりそう?

文/土屋 恵介

EVERY ROSE HAS ITS THORN
ロックと薔薇の切っても切れない関係


 〈ガンズ&ローゼズ〉っていうネーミングの絶妙ぶり。そこには由来である〈トレイシー・ガンズとアクセル・ローズの合体〉やバンドの雰囲気以上の美学を感じるのだ。銃と薔薇(男と女のアレ)、フォア・ローゼス(バーボン)とか、まさに〈セックス・ドラッグ・ロックンロール〉のイメージそのものである薔薇に今回は注目。

 ということで、代表的なロックの薔薇をピックアップしていこう。まずはバンド名に薔薇が! ガンズもカヴァーしたオーストラリアのローズ・タトゥー。UKではストーン・ローゼス、ローズ・オブ・アヴァランチェ。ソウルのローズ・ロイス。元ポルノ女優のトレイシー・ローズ(!)。

 ジャケでは、グレイトフル・デッドの『American Beauty』やレッド・ホット・チリ・ペッパーズの『Blood Sugar Sex Magik』にも薔薇が! タイトル部門だと、デイヴ・リー・ロス“Yankee Rose”、シン・リジー『Black Rose』、モット・ザ・フープル“Rose”と、まさに薔薇の狂い咲き! 日本では、レッド・ウォリアーズ“バラとワイン”、SADS“rose god gave me”、それに、トシちゃん“君に薔薇薔薇という感じ”、布施明“君は薔薇より美しい”、ザ・モッズ“バラッドをお前に”……?

 美しさとともにある鋭い棘。そんな薔薇の持つ耽美的な魅力と、退廃的なロックンロールの香りは良く似合う。そこに薔薇とロックの切っても切れない関係性を見た!
ストーン・ローゼスの89年作『The Stone Roses』(Silverstone/Jive)
グレイトフル・デッドの69年作『American Beauty』(Warner Bros.)
レッド・ホット・チリ・ペッパーズの91年作『Blood Sugar Sex Magik』(Warner Bros.)
シン・リジーの79年作『Black Rose』(Warner Bros.)

文/bounce編集部

ROOTS OF THE GUNS N ROSES
ガンズ&ローゼズに影響を与えたユニークな音楽地図


DAMNED いわずと知れた初期パンクの代表バンドのひとつ、ダムド。ガンズ流カヴァー曲をまとめて収録した『The Spaghetti Incident?』に収められたダムドのカヴァー“New Rose”(やっぱり!)でヴォーカルをとるのはダフ。その完コピ具合にはダムドへの愛情がほとばしる。

NAZARETH アクセルが敬愛していたのが70年代に活動していたこのブルージーなハード・ロック・バンド。なによりもヴォーカリスト、ダン・マカファーティの声質がアクセルにそっくり! このしゃがれたハイトーン・ヴォーカルに憧れたわけだ、アクセルも。

NEW YORK DOLLS 下品で猥雑で最高のロックンロール・バンドである彼らからガンズが受け継いだのはその〈ナスティー感〉。彼らがパンクとロックンロールの混血児であったガンズのひとつのお手本であったことは間違いない。『The Spaghetti Incident?』では“Human Being”をカヴァー。

IGGY POP この孤高のカリスマもまたガンズにとって憧れの存在だった。というわけでイギーの『Brick By Brick』にはスラッシュとダフが揃って参加。イギーが放ち続けたソリッドなロックンロール、これがやりたかったんだろうな、スラッシュは。

AEROSMITH 88年には彼らのオープニング・アクトを務めたこともあるガンズ。“Mama Kin”が『G N' R Lies』に収録される前から、彼らの“Sick As A Dog”などをライヴのレパートリーに加えていたという。ちなみにアクセルのフェイヴァリットは76年作の『Rocks』。

HANOI ROCKS このバンドのヴォーカリスト、マイケル・モンローとガンズはなにかと縁がある。バンド解散後、ソロ・シンガーとして活躍していたマイケルの“Dead, Jail, Or Rock N' Roll”のプロモ・クリップにアクセルが飛び入り参加、そのお返しにとマイケルはガンズの『Use Your Illusion I』にサックス&ハープでゲスト参加。なにやらアクセルの初期におけるツンツン・ヘアーはマイケルが元ネタらしく、アクセルにとってマイケルはそもそも憧れのスターだったのだろう。ということで、今年の〈SUMMER SONIC〉でふたりはどんな会話を交わしたのだろう? それとも……。

WINGS ビートルズでいえば断然ポール派なのがガンズ流。彼らがときたま見せた瑞々しいポップ・センスはウィングス(それとアクセルが愛するクイーン)の影響大。ということで、『Use Your Illusion I』では“Live And Let Die”を原曲に忠実にカヴァー。確かに今のガンズ(って?)にウィングスの曲は合うかもしれない。

CHARLES MANSON ただのカリスマじゃない〈悪の〉カリスマ(というかただの犯罪者だけど)であるチャールズ・マンソン。『The Spaghetti Incident?』ではシークレット・トラックとして彼の“Look At Your Game Girl”を収録。そういや、プロモ・クリップのなかでアクセルがマンソンのTシャツを着てたときもあった。

SEX PISTOLS メンバーのスティーヴ・ジョーンズとダフが結成したニューロティック・アウトサイダースの例を出すまでもなく、ガンズにも当然のように彼らからの影響はデカい。スラッシュのギターが持っているザラザラとした質感がスティーヴ・ジョーンズと共通している気がしないでもないし。“Black Leather”もカヴァー済み。……っていうか、ダムドもそうだけど曲名だけで選んでない?
ダムドの77年作『Damned Damed Damned』(Sanctuary)
ニュー・ヨーク・ドールズの73年作『New York Dolls』(Mercury/Polygram)
イギー・ポップの90年作『Brick By Brick』(Virgin)
ハノイ・ロックスの84年作『Two Steps From The Move』(Epic)


ウィングスの76年作『Wings Over America』(Capitol)
チャールズ・マンソンが残した音源を集めた編集盤『Charles Manson』(Performance/Aware-One)
ガンズが93年にリリースしたカヴァー・アルバム『The Spaghetti Incident?』(Geffen)

文/山口 晃司

SEPARATE WAYS....
ガンズを離れていったメンバーたちのその後


スラッシュ
スラッシュズ・スネイクピットの2000年作『Ain't Life Grand』(Koch)

ガンズ在籍中の95年、新作用に用意した楽曲をアクセルに却下されたスラッシュは自身のバンド結成を決意する。それがスラッシュズ・スネイクピットだ。このバンドでのファースト・アルバム『Snakepit』には、マット・ソーラム、ギルビー・クラークも全面参加。マットはアクセルの圧力によって不参加だったものの、来日公演も行った。アクセルとの度重なる衝突で嫌気が差したスラッシュは後にガンズを脱退。2000年にはメンバーを一新し、スラッシュズ・スネイクピットの2作目『Ain't Life Grand』を発表した。現在はイジー、ダフとの共演盤を制作中のはず。



 イジー・ストラドリン
イジー・ストラドリンの最新作『On Down The Road』(ビクター)

92年の脱退後、イジー・ストラドリン・アンド・ザ・ジュジュ・ハウンズ名義で同タイトルの作品を発表。このバンドでは2度の来日公演を果たすが自然消滅。その後、長い沈黙期間を経て98年、ダフ・マッケイガンと共に制作したソロ・アルバム『117』を発表。99年には『Ride On』、2001年には『River』、そして今年には『On Down The Road』を立て続けにリリース。なかでも2000年に行われた、ダフを引き連れての来日公演は記憶に新しい。
どの作品もシンプルなロックンロールを基調としているが、現在のガンズに欠けているものとは、イジーが持っていたそんな音楽性なのかもしれない。



 ダフ・マッケイガン
ダフ・マッケイガンが93年にリリースしたソロ・アルバム『Believe In Me』(Geffen)

93年、ガンズに籍を置きながら、ソロ・アルバム『Believe In Me』を発表。96年には当時、セックス・ピストルズの再結成に参加していたスティーヴ・ジョーンズらとニューロティック・アウトサイダーズを結成し、同年にはファースト・アルバム『Neurotic Outsiders』をリリースした。98年にガンズを脱退。その後、イジー・ストラドリン・バンドに参加。その後もガンズ以前に在籍していた10ミニッツ・ウォーニングを再結成させ、ここ最近では新バンド、ローデッドでのファースト・アルバム『Dark Days』を発表、来日公演も果たすなど活発な活動を行っている。



 スティーヴン・アドラー/マット・ソーラム/ギルビー・クラーク
ガンズを脱退した(というか解雇)スティーヴン・アドラーは、ヴェインのデイヴィ・ヴェインと共にロード・クルーを結成するものの自然消滅。現在ではイジーの電話友達らしい。マット・ソーラムは、ガンズ以前に在籍していたカルトの再結成に加わり、昨年の〈SUMMER SONIC〉にも出演。ギルビー・クラークはプロデューサーとして活動する一方、ソロ作品もこれまでに5作発表。元ストレイ・キャッツのメンバーらとカーネル・パーカーを結成し、2001年にはデビュー作『Rock N' Roll Music』を発表した。
カルトの2001年作『Beyond Good And Evil』(Lava/Atalantic)
ギルビー・クラークが98年に発表したソロ・アルバム『Rubber』(Eagle Rock/Spitfire)

文/出嶌 孝次

BOYS ARE BACK IN TOWN!!
揺れた!! 燃えた!! 泣いた!! 〈SUMMER SONIC〉での熱狂のライヴをリポート!!



開演から1時間近く待たされるのもガンズの常道であるからして、大人しく座って待つ皆さん。見渡してみると客層は想像以上に若い。速攻で売り切れた銃&薔薇Tシャツを着たエロい女の子たち。男の子は翌日のオフスプリングを観に来たような姿。(自分も含めて)全盛期への懐古とは無縁の人たちもここまで夢中にさせるガンズって……と! 燃え上がるような金切り声とともに大観衆はジャングルに放り込まれた。“Welcome To The Jungle”が嵐のように過ぎ去り、すぐに次の嵐“It's So Easy”が押し寄せてきた。みんなでFuck Off! 凄い! 凄い! やはり『Appetite〜』の曲がフックになる印象だったが、“You Could Be Mine”など〈出来上がってからのガンズ〉の曲もキチンと披露。とはいえ懐メロのラッシュという雰囲気でもなく、この新しくも古くもない感触は不思議だったが、もちろんそれは後付けの感想。ライヴ中にそんなことを考える余裕はなかった。

 いまだ未完成の『Chinese Democracy』からの新曲も4曲演奏されたが、全然インダストリアルちゃうやん! でも、アクセルのカリズマティックな身のこなしとどんどん伸びてゆくヴォーカルが凄まじかったせいか、ショウの間だけはメンバーのことを気にしなくて済んだ。相変わらず「シルバー仮面」を演ったりするバケットヘッドへの声援も温かかったし。ただ、“November Rain”のあのギター・ソロだけは、バケットヘッドの仮面の中身がスラッシュだったら……とかいう妄想に駆られたけど。“Nightrain”で本編を終え、圧倒的な“Paradise City”……花火で終了。やはりガンズの音楽に賞味期限はなかった。もちろん今年40歳を迎えたアクセルも全然腐っていなかったから、ナマで食っても美味かったし、腹も壊さなかった(腕を振り回しすぎて肩は壊れたけど)。だからこそ、スパゲッティの後がデザートだったら怒るぞ、アクセル!

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