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JAPANESE HIPHOP

掲載: 2008/12/25

ソース: 『bounce』誌 306号(2008/12/25)

若手のメジャー進出がシーンを活性化

文/bounce編集部



各地から充実作が登場した2007年の流れは、AnarchyやAK-69 a.k.a. Kalassy Nikoffらの動きを象徴に引き継がれ、〈CONCRETE GREEN〉周辺の堅調ぶりはNORIKIYO、BESの他にGEEKや田我流、さらにはSCARSらの作品を代表とするクォリティーの高まりと共にさらに勢いを増した。また、TARO SOUL〜KEN THE 390と続いたメジャー進出が2009年のCOMA-CHI、サイプレス上野とロベルト吉野らへと引き継がれたことも、シーンの巻き返しを印象付ける。
(一ノ木)

 

Olive 『Oil Spring Break』 We Nod 
本作を皮切りに外部仕事も増えていった2008年のOlive Oil。みずからの作風をヒップホップ的なビート感に則ってシンプルに響かせた本作は、その他のリミックス楽曲、さらには年末に発表の新作『α』と共により広くヒップホップへと波及し得る彼のポテンシャルを示した。
(一ノ木)



Michita 『ONE』 Libyus 
EccyやNOMAKらの登場を境にメロディアスな音楽性を前面に押し出したビートメイカーの流れが大きくなりつつあるが、WOODBLUEに続いてそこに名乗りを上げたLibyusの看板アーティストの一人。ジャジーなヒップホップの耳通りの良さをヒーリング・ミュージック的叙情で押し進める存在だ。
(一ノ木)



環ROY×fragment 『MAD POP』 術ノ穴 
2008年にはもう1枚、Eccyとのコラボ作もリリースし、NEWDEALやこちらのROSEコンピにまで抜擢されるに至った恐るべき少年モンスター。たぶん言葉がわからない人にもカッコ良く響くであろう鋭角的なラップは、2009年もさまざまなフィールドをギザギザに切り裂いていくはず。
(出嶌)



SIMON 『SIMON SAYS』 HARLEM 
日本語ラップが向き合わずにいられぬ側面のひとつたる現行USシーン的なモードを、トラックと共に纏って登場した彼。バイリンガル的な聴こえのラップと相まって、2008年もこの流れを大きく担った。みずからの思いを掘り下げた進化を日本語ラップとして今後どう響かせるかにも注目。
(一ノ木)



Shing02 『歪曲』 MARYJOY 
サブカルチャーと交差するアンダーグラウンド・ヒップホップの寵児として登場以来、10年強を数えんとする彼が6年もの歳月をかけた本作は、たおやかな美しささえも湛えている。一ジャンルに留めておくには破格な強度と深さは、シーンと無縁な孤高の境地を獲得した。
(一ノ木)



DJ PMX 『THE ORIGINAL』 BAYBLUES/HOOD SOUND/ビクター 
DS455のDJ/プロデューサーとしてウェッサイ・スタイルを牽引する彼の初リーダー作は、客演陣の豪華さからも20年に及ぶキャリアの集大成と言うに足る一枚。シーン内で終いとならんポップスにも通じる耳通りは、ウェッサイ・シーンのひとつの手本。
(一ノ木)





KOCHITOLA HAGURETIC EMCEE'S 『HAGULIFE』 KSR 
人懐っこい佇まいで異形の美を磨き上げてきたはぐれ者三匹の歩みが、SKYFISHやDJ FAMILYも交えて新しいポップ・ミュージックに着地、というか飛躍した意欲作。とりわけ精力的な動きを見せた鎮座DOPENESSは、環ROYと並ぶ〈2009年の顔〉になるだろう。
(出嶌)



ICE BAHN 『OVER VIEW』 BBP 
リアルを一義にとかく私小説化しがちな近年の日本語ラップの潮流から距離を置き、いまや少数派となりつつあるライミング命で曲に力を注ぐスタイルの系譜を継ぐ者だ。韻踏合組合や随喜と真田2.0らとマイクを交えた楽曲の怒涛の興奮に、忘れ去られがちな〈ラップ・スキル〉を見るはず。
(一ノ木)



NORIKIYO 『OUTLET BLUES』 EXIT TUNES 
SEEDAの傑作『花と雨』以来となるBACH LOGIC全面プロデュース作は、エレクトロニックな音像によって土臭いNORIKIYOのアーティスト像を一新させ、彼をグッとメインストリームへと押し出した。その音は日本語ラップの真新しいモードをまたひとつセットするものと言えそう。
(一ノ木)



BES 『REBUILD』 Pヴァイン 
MCバトルでの活躍によってますます注目を集める彼。巧みなフロウとラフさ溢れる聴こえは、すでにアンダーグラウンドではNo.1レヴェルの実力と支持を誇っている。パーソナルな内容を多く盛り込んだ初のソロ名義作は、その内容もあってさらにリスナーへと近付いた感あり。
(一ノ木)



CIAZOO 『THE LOGIC WORK ORANGE』 CIA REC 
広くクラブ・ミュージックと共振する様はTHA BLUE HERB〜MIC JACK PRODUCTIONら北の先達に通じるも、よりアンダーグラウンドな音楽性と共にハードコアにまで交流を広げる真新しい代表。ゲットー音楽としての日本語ラップの音楽的再生をそこに見たい注目作だ。
(一ノ木)



山仁 『クッキーマン』 Libra 
ファミリー色の強いインディー・レーベルにとって、世代や党派を越えた実力派を呼び込む次なる展開は必要不可欠。Loop Junktion解散後は自身の手で精力的なリリースを続ける彼の新作を、MSCらを擁すLibraが発表したのもそんな展開のひとつか。生音を随所に配した音の方向性も彼ならでは。
(一ノ木)


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