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MIC BANDITZ

掲載: 2003/03/27

ソース: 『bounce』誌 241号(2003/3/25)
八面六臂の大活躍をみせるVERBALを中心としたユニット、MIC BANDITZ。六人六色のキャラが縦横無尽に駆け巡る『SIXTH SENSE』に乗り遅れるな!!

挨拶代わりのミニ・アルバム『THE VISITORZ』を昨年10月にリリースしたばかりのMIC BANDITZが、早くもファースト・フル・アルバム『SIXTH SENSE』を完成させた。フレッシュなMC集団らしくインタヴューも若さ漲る感じで、押されっ放し&脱線しまくりでした……。

文/Masso 187um

球体のようにまとまってて……


──まず『SIXTH SENSE』っていうタイトルに込められた意味からいきましょうか。

 Arkitec(以下、A)「6人と〈第六感〉をかけた……くらい?」

 Mr.Blistah(以下、B)「そういう目に見えない力とかスキルとかを聴いていただけたらな、と思いますね」

 Clench(以下、Cl)「6人なんで、アルバムのなかでもいろいろなジャンル、サウンドが聴けると思うし」

 51-GOICHI-(以下、G)「ひとりひとりが違う要素、見方、世界を持ってるから」

 VERBAL(以下、V)「『SIXTH SENSE』って他の人が見えないものが見える、別の角度から物事が見られるってとこが根本になってるんですよね。他の人が見えないものが見えるって凄いディープなことだし、メンバーのそれぞれが、他の人にはないスキルを持ってることがわかったから」

 ──趣味もバラバラだろうし、トラックを選ぶ際も好みが分かれそうですよね。
MIC BANDITZ初のフル・アルバム『SIXTH SENSE』(espionage/cutting edge)

B「まあ、トラックが決まったらそれでやるしか仕方ないから(笑)」

 一同「仕方ないって(笑)」

 B「そのトラックのなかで、よりカッコ良く見せようって感じだよね」

 COYASS(以下、CO)「そう、新たな自分を発見できるというか、自分では選ばないようなトラックでやることになるし」

 V「まあ、ある程度はチョイスできるようにしたいんですけど、僕もアルバムを通して聴ける、何度でも聴き返せる内容にしたかったから。ド真ん中のヒップホップもやりつつ、そこってどうなの?みたいな音にもチャレンジしつつ、いろんなことをやっていって、それが成功したと思ってます。実はみんなフィール(同意)してくれてなかったのかもしれないけど(苦笑)」

 ──(笑)集団MCでのマイクリレーを聴かせるような曲って、作るのが難しいように思えるんだけど?

 Cl「物の見方とか考え方もみんな全然違うから大丈夫なんですよ」

 B「でも、物凄くかけ離れたりとかはしないし。ある程度は球体のようにまとまってて、そこに少しずつ突起部分があるような感じですね」

 CO「“太郎物語”はみんなでリリックを回しあってひとつのストーリーを作り上げていったんですよ。携帯のメールにリリックを入れあって、ドンドン回していくチェーン・メールでね(笑)」

 V「コレも最初はサッカーMC(偽者ラッパー)ネタがやりたいよね、って話をしてて始まったんですよ。こんな人って周りにいるんじゃない?みたいなことをおもしろおかしく描きたかったんで、名指しにするよりもこういうふうにやるほうがおもしろいと思ったし、ヒップホップの〈ディス〉がわからない人もすんなり聴けちゃうかな、と。もしかして、この太郎さんが聴いても笑っちゃうかもしれないしね(笑)」

 G「でも逆にこういうもののほうがヘヴィーだったりして」

 ──『THE VISITORZ』に入ってた“Radio Radio”が今回も収録されてるよね。

 CO「この曲からMIC BANDITZが始まったわけだし」

 Cl「ライヴでも絶対やる曲だし、今回のアルバムでMIC BANDITZを初めて知ってライヴに来てくれるようなお客さんにも知っててほしいと思って」

MCとして熱くなれるグループ


──じゃあ、他のメンバーから見たリーダー、VERBAL像ってどんなの?

 B「まぁ、冷酷動物ですよ」

 (一同爆笑)

 B「やっぱ指導者ってのはそうじゃないですか。〈カッコ悪いよ〉って時はオブラートに包むんじゃなくて、はっきり言ってくれたほうがイイし」

 V「包んでるつもりなんだけどね(苦笑)」

 A「まあ、グループの頭脳ですよ。みんなはどうかわからないけど、確実に僕よりかはいろいろと考えてる人です(笑)」

 Cl「手本になってくれる人で、いっしょにやってて学ぶことはたくさんありますね」

 G「今回のアルバムはVERBALのフレイヴァーというか……VERBALがやりたいことに俺らが上手く参加して、そのなかでそれぞれが凄く活かされている気がする」

 CO「これだけ個性が強いMCをまとめるのは大変だと思うんですけど、VERBALさんだからできた気がします」

 ──絶賛ですね(笑)。じゃあ、VERBALから見た他のメンバーってどんな感じ?

 V「まずは〈ハングリーだな〉ってのは思ってて。あと、僕が最初にm-floで活動してて直接いろいろ教えてくれる人がいなくて戸惑うことが多かったから、そういう立場でいてあげたいという考えがある。納得いくことといかないことがあったかもしれないけど(笑)、それでもうまく付いて来てくれたな、と思いますよ。今回のことが勉強になってそれぞれのソロの活動なんかに活かせてもらえたらな……なんて先生みたいな感じですけど(笑)。でも何年やってるからとか関係なく、みんなラップが上手いから僕もそれを見て刺激になることが多いし、常にリリックも緊張感を持って書いてるから。自分がMCとして熱くなれるグループですよ、MIC BANDITZは」

 ──いまソロ活動っていう話も出たけど、みんなが今後MIC BANDITZ以外にやりたいことってどんなこと?

 
MIC BANDITZのデビュー・ミニ・アルバム『THE VISITORZ』(espionage/cutting edge)

B「僕はClenchとグループを組んでるんで、そこでの作品も出せたらなと思うし、そのアルバムがMIC BANDITZを越えたら……そんな嬉しいことはないですね(笑)」

 A「僕は……ソロよりも、いろんなとこに客演なんかで色が出せたらな、と思ってます」

 Cl「Blistahとグループを組んでるんですけど、そこで出したアルバムがBANDITZを越えたら……」

 一同「同じじゃねーかよ(笑)!」

 G「MIC BANDITZで出す色とソロで出す色があるんで、グループもやっていきたいし、こっちで出せない色をソロで出せたらと思ってます」

 CO「僕は洪水っていうハードコアのバンドもやってるんですけど、今年中にそっちのアルバムも出したいです」

 ──なるほど。VERBALは?

 V「僕はソロとかは思いつかなくて、みんながいるからやりたいことも思いつくし、性格的には裏方派なんで。いまは自分のレーベルを盛り上げていってヒップホップの基準を変えていくような夢を持ってます。espionageと言えば夢が叶うレーベルだからデモテープを送っちゃおうぜ、って思ってもらえるようになりたいですね(笑)」

 集団MCらしい、実に個性派揃いの連中なわけで、それはアルバムを聴いてもらえれば解ってもらえるだろう。個々がキャラをしっかり主張し、曲ごとに違った面を聴かせるあたり、Blistah言うところの「ドロップ缶のように」振るといろんなモノが飛び出てくる、そんなアルバムに仕上がっている。日本のヒップホップ・シーンにまたひとつの新しい波が来たことを実感できるはずだ。

文/狛犬

外部活動も精力的なVERBAL

 当初から客演活動も盛んだったVERBALはCOLDFEET、ajapai、Crystal Kayらの楽曲に客演を果たしているが、MIC BANDITZスタート後もその勢いは増すばかりで、最近ではプロデューサーとしても深く関わったSUITE CHICが記憶に新しい。また、BRIER、EL NANDOとの共演曲“STREET CODE”もリリースされたばかりだ。さらに、DJ TONKの“DYAD”に参加したROCKET SCIENCE(SPHERE of INFLUENCEとのユニット)、シングル・リリースのあるTOSS AND TURN(DELiGHTED MINTのGIORGIOとのユニット)などもチェックしてみよう。
SUITE CHIC『WHEN POP HITS THE FAN』(avex trax)
BRIER. EL NANDO“STREET CODE”(Bayride)
TOSS AND TURN“OFF THE CHAINS”(cutting edge)

文/狛犬

espionageって!?

 VERBALのレーベル、espionageの第1弾アーティストは、姉妹ラッパー・コンビのHeartsdales。彼女らのデビュー・シングル“So Tell Me”のカップリング曲“E.S.P.”には、すでにMIC BANDITZからGOICHIとCOYASSが登場している。2002年3月には中島美嘉やAI、CRAZY-Aらをフィーチャーしたアルバム『Radioactive』をリリースし、その後もシングル“Body Rock”にはArkitec、Clench、Mr.Blistahをフィーチャーしたリミックスを収録……と横の繋がりも強い。4月にはニュー・シングルをリリース予定の彼女たち、そしてレーベルの今後にも注目したい。

 ▼Heartsdalesの作品
2002年のファースト・アルバム『Radioactive』(espionage/cutting edge)
DOUBLEをフィーチャーした最新シングル『Should Have What?』(espionage/cutting edge)

文/出嶌 孝次

51-GOICHI-のソロは凄いぞ!!

MIC BANDITZでは最年少の19歳、ロンドン育ちのバイリンガルMCである51-GOICHI-が早くもソロ・デビュー!『SIXTH SENSE』でもラテン的ワビサビが効いた“AGEHA”を手掛けていたが、ソロでももちろんトラックメイカーとしての才能を発揮している。その“EARZ on FIRE”は、ラテン・パーカッションをあしらったバウンシーなパーティー・チューンで、正直ナメてましたが……熱い語り口も相まって、もう完璧だ。カップリングの“NUTS”はスティールパンと強烈なクラップをあしらったイマ風のトラックで、客演のVERBALとSPHERE of INFLUENCEを容赦なく圧倒しまくり。4月にリリース予定のミニ・アルバムがマジで楽しみです!
GOICHIのソロ・デビュー・シングル“EARZ on FIRE”(ワーナー)

文/出嶌 孝次

『SIXTH SENSE』の尋常じゃないヴァラエティーは彼ら↓のせいなのだ!!

MIC BANDITZサウンドのおおよそを担うのがDeckstreamですが、そのシュアな手捌きにさらなるヴァラエティーを加味したのが、ゲスト参加した各界の敏腕たち。まず、パーカッシヴなブレイクビート・ガラージ“Radio Radio”で顔合わせ済みのajapaiは、またもニュー・スクール・ブレイクスを咀嚼した“Oh No”(タイトルもニクい)を提供。極太のベースに殴られます。また、MATALLYとVERBALの共演曲“Suicide Scandinavia”もここに再収録。ダビーな疾走系ブレイクビーツがいい意味で他の楽曲から浮いた名曲です。また、VERBALとのプロデュース・ユニット=L12として参加したR&Bシンガーの今井大介は、みずからフックでヴォーカルも披露するメランコリーな“One After Another”、モロにウェッサイ(今井はLA在住)な“TOUCH THE SUN”の2曲を制作。彼はCHEMISTRYやSUITE CHICも手掛けており、最近プロデューサーとしての露出が増えてますな。さらに特筆すべきはDOBERMAN INCのプロデュースで知られる関西のトラックメイカー、BLの参加でしょう。最近もMINMIに物凄いトラックを提供してたけど、間もなく登場するDOBERMAN INCの新作もとんでもないブツに!!

 で、最近は自身のレーベル=TachytelicからミックスCDなどもリリースしているTAKU(m-flo)がプロデュースした“What's Your Secret”はちょっとレヴェルが違うカッコ良さ! オニックス“Slam Harder”風の掛け声を挟みつつ“Jackin' For Beats”ばりにオケがグルグル変わっていくハイパーな名曲ですよ!

 
ajapai『cheers!』(ポニーキャニオン)
MATALLY『MATALLY』(MASTERSIX FOUNDATION/ソニー)
今井大介『Color me you』(ポニーキャニオン)


BLがプロデュースしたDOBERMAN INC『DOBERMANN』(D-ST. ENT./KSR)
TAKUのミックスCD『Tachytelic Night』(Tachytelic/cutting edge)

文/狛犬

m-floがいよいよ〈come again〉!!

しばらくお休みしていたm-floもいよいよ再始動で、手始めにベスト・アルバム『The Intergalactic Collection〜ギャラコレ〜』が登場。過去のアルバム同様にインタールードを挿んだコンセプチュアルな作りで、本編ラストでは新ヴォーカリストが明かされる(というか『コブラの悩み』と同オチです)お楽しみ付き。ボーナスCDには未発表曲“come again... and AGAIN!”なども収録! また全シングルのプロモ・クリップ他をまとめたDVD『The Intergalactic Collector's Item』もリリースされたばかり。で、次のアクションに備えましょう。
m-floのベスト・アルバム『The Intergalactic Collection〜ギャラコレ〜』(rhythm zone)
DVD『The Intergalactic Collector's Item〜ギャラコレマニア〜』(rhythm zone)

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Hyde OutΣ
Tracked on 2007年9月17日 20時51分

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