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第7回──ハードコアの進化を独自の解釈で提示──GSL

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オンライン掲載:2001/11/15
今後注目するべきインディー・レーベルを、リレー形式でご紹介。
〈USレーベル・ガイド〉 !!


構成・文/小林英樹
text by Hideki Kobayashi


ファッションも音楽も〈80年代〉がキーワードになってる昨今ですが、そんなブームとは関係ナシにいち早く……っていうか、己の欲求のまま突き進んできたレーベルがカリフォルニアはサンディエゴに。それが今回紹介するゴールド・スタンダード・ラボラトリーズ(通称:GSL)。やはり基盤はハードコアなんだけど、それと同時にニューウェイヴ的エッセンス(ポスト・パンクからレゲエ、ファンク、ネオ・サイケ、ゴス、さらにはMTVポップスからヘヴィー・メタルまで!)に思いっきりハマっちゃってた連中の臭いがプンプン。〈ハードコアの進化〉的な解釈で、ポスト・ロック〜エレクトロニカ的アプローチがトレンドな現在ですが、ここにはそれにプラスして気持ちイイんだか悪いんだか、厄介なエキスが溜まってるからおもしろいんですねぇ。  GSLのスタートは93年。地元のバンドをバックアップする形で始まったようだから、その辺は典型的なインディー・レーベルの初期模様。自身もエンジェル・ヘアー、パスト、VSSなどのバンドで活動を続けてきたソニー・ケイがレーベル・オーナー。当時、彼はコロラド大学の学生で、ハードコアと同時にキュアー、ジョイ・ディヴィジョン、バウハウスあたりをこよなく愛していた様子。そして、96年にサンディエゴへ引越しした際、彼はこれまでのカタログをほとんど廃盤にしてしまう。理由は「現在の自分のもつイメージとかけ離れた作品だったから」。彼が理解できなかったのは〈従来のハードコア・イメージのバンド〉。だからこの96年以降の作品が、実際のスタートと言ってイイかもしれない。たとえば、いまやレーベルの顔役となったローカストもサウンド的にはファスト・コアなんだけど、キーボードを採り入れ、従来のハードコア・イメージからかけ離れた展開をしてるしねぇ。その後もハードコアをフィルターに、たくさんのモンスターがビックリドッキリさせちゃってくれています。そして最近のダメ押しは、アット・ザ・ドライヴ・インのメンバーによるディ・ファクト! ここ日本でも、ローカスト来日公演などを企画したDOTLINECIRCLEが、GSLのディストリビューションを始めているので、気になった方は店員さんにお声を掛けてみてください。以前よりずっと入手しやすくなってますよ!

レーベル・ディスク・ガイド──GSL、とっておきの10枚をご紹介!!
構成・文/小林英樹
text by Hideki Kobayashi



I AM SPOONBENDER
Sender/Receiver
1998


ポップ・パンク・バンド、パンシー・ディヴィジョンとカブのメンバーを中心に結成された最高のキテレツ・ミラクル・バンド。カン、ディス・ヒート、ゲイリー・ニューマン、クラフトワーク……などが浮かんでくるけど、難しいこと考えないで笑顔で接するのがイチバン。とにかくセンスがイイ! 80年代から現在のエレクトロニカ・シーンまでを凝縮したような唯一無比のスリル・ポップ! のちに憧れのカンのメンバーとも連んでいました。


THE LOCUST
The Locust
1998


すでに来日も2回(アット・ザ・ドライヴ・インとの共演も!)。いまやハードコア・キッズからOLのお姉さんにまでリスペクトされているバッタ君たちの1作目。20曲収録だけど、とにかく速い短い。なんたってCDは3インチ・サイズですからね。ボアダムズ〜ネイキッド・シティーもビックリのキテレツ・ファスト・サウンドに、ピロロ〜ンとキーボードが舞う舞う〜。いままでに2万枚以上のセールスを挙げているというから、世の中恐ろしいモンです。



PHYSICS
Live 2-7-98
1999


ヘヴィー・ヴェジタブル、ピンバック、シンギー、オプティガナリー・ユアーズなどなど、さまざまな活動で現在のシーンを揺るがしちゃってる奇才ロブ・クロウ。コレも彼のプロジェクトのひとつ。今作は2曲30分のライヴ作で、超ドローンなサイケデリック・ミュージックをフワフワ、クラクラと。スペースメン3〜ソニック・ブームのラインから、ゴッドスピード・ユー・ブラック・エンペラー〜ウィンディー&カール辺りにまで通じるトリップぶり。


VUE
The Death Of A Girl
1999


元ポートレイツ・オブ・パストのメンバーで結成。しかしこれまたサウンドは進化……っちゅーか、退化!? きらきらグラマラス・ロッキ〜ンなあんばいは、ローリング・ストーンズ、ストゥージズ、T・レックス、メイク・アップなんかに負けないほど輝いちゃってます。〈ベイベ ベイベ〉がとても似合うなぁ〜。なんと、今年になって2作目をサブ・ポップからリリース! 今後もこんな感じで、GSLから羽ばたくアーティストが増えそうな予感。


THE CONVOCATION OF...
The Convocation Of...
2000


ボーン・アゲインスト、モス・アイコン、UOAなど、激コア・ファンにはお馴染みのバンドを通ってきたトニー・ジョイの最新バンド。クールでダークに展開するサウンドは、爆発一歩手前のところで踏ん張るカオティックさも相まって、実にヒリヒリビリビリ緊張だらけ。シェラック、ジーザス・リザード、アンセイン、スリントなんかが浮かぶけど、こっちのほうがもっと繊細で痛々しい気がする。つぎの作品はタイガー・スタイルからリリースするそう。


THE BEAUTIFUL SKIN
Revolve
2000


これまた元ロースチャーチという激コア・バンドから派生。バリバリの80年代UK〜ジャーマン・エレクトロニクス・サウンド・スタイルで、そのピロピロスカスカ具合は時代の錯覚に陥ること間違いナシ。ゲイリー・ニューマン、バウハウス、ワイヤー、OMD、クラフトワーク、スーサイドと、挙げたらキリがない! かなり彼らを意識しているものだと思っていたけど、実は本気で素なのよねぇ。その受け止め具合で聴き方が変わるかも。


VARIOUS ARTISTS
Well I'll Be A Monkey's Uncle
2000


アルバム『The Locust』だけでもビビッちゃったのに、調子にのってリリースされた今作は、なんとローカストのリミックス作。変態が変態に料理されているさまは、なんとも美しくて神々しいなぁ。キッド606、バスタード・ノイズ、アイ・アム・スプーンベンダー、ウィザーズ・オブ・ウォー、クリストフ・デ・ババロン、シンキング・ボディーがグチャグチャにしております。ノイズ! ビート! 電気電気! ただいま超高速で工事中〜たいへんご迷惑を〜。


!!!
!!!
2001


バンド名の読み方はシックシックシックとかパウパウパウでイイそうです(笑)。コレは本当に最高! 聴くたびに身体が疼いてしょうがない! ファンキー! グルーヴィー! ソウルフル! そんでもってスカスカっ! 80年代ポスト・パンクのいちばんスリリングな部分が、このアルバムには詰まってます。クラッシュ、ピッグバッグ、ア・サーテン・レイシオ、リキッド・リキッド、ギャング・オブ・フォー、そしてもちろんシック、そしてJBだぁっっ! 踊ろう!


DE FACTO
Megaton Shotblast
2001


現在活動停止中、アット・ザ・ドライヴ・インのメンバーによる新プロジェクト。そのままメジャー展開するのではなく、以前から交流のあるGSLからのリリースってことだけで嬉しくなったんだけど、音聴いたらさらにビビっちゃった──バリバリ攻めてるやんけ! インスト主体のエクスペリメンタル・ダブ〜ラテン・スタイルはシーンの喧騒を放っておいて、己の音楽を探求あるのみ。間髪入れずにこの道を選んだ彼らに心から拍手。帰ってきたときは凄いぞ。


HEART OF SNOW
Endure Of More
2001


見てください、このジャケット! まったくもって2001年の作品とは思えん! バーゲン・コーナーに埋もれているネオ・サイケ・バンドでしょ、コリャ。もちろん音の方も負けてはおらん。情熱セクシー系姉ちゃんヴォーカルと、暗黒味シャリシャリ・ギター〜ズンドコ・ビートは見事としか言えません。スージー&ザ・バンシーズ、バースデイ・パーティーとか……。プロム・パーティーの隅っこに固まってるゴス・キッズにはタマラン一枚でしょう。
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