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80年代以降のインディー・コミック・シーンを支えたアーティストたち
文/福田教雄
あ僕は、特別マニアックなコミック・ファンというわけではないけれど、それでも、好きな音楽の傍らで、そういった作家たちの作品が視界に入ってきていた。とりわけ僕にとって、そういうカルチャーの存在を教えてくれたのはカクテルズだった。つまりは、いま、シー&ケイクのメンバーであるアーチャー・プレヴィットのおかげというわけ。カクテルズがリリースした何枚もの7インチは、大抵、楽しげな彼のイラストに彩られていたし、そのうちの1枚はデイム・ダーシーとの共演盤で、彼女のヴィクトリア朝風のキャラクターが登場するコミックも付いていた。そうして、アーチャー自身の「SoF'BoY」を手に入れ、彼の発言からクリス・ウェアの存在を知り、また、ヘルナンデス・ブラザーズの「Love And Rockets」や、さらに「RAW」といったコ
ミック雑誌へ遡り……といった具合。
あそしていま、手元の2冊の雑誌をめくってみ
る。いわゆる〈ジン〉と呼ばれている類の、好きなモノを好きなように盛りこ
んだインディー雑誌。1冊は「Ben Is Dead」。その第29号がコミック特集を謳っ
ていて、そこでは、エイドリアン・トミーネらの名前を見つけることができる
し、残りの1冊、パンク・ファンにはお馴染みの「Punk Planet」最新46号のアート&デザイン特集内では、ジェイム・ヘルナンデスへのインタヴューを読むことができる。たとえばブラック・フラッグのフライヤーやジャケットを飾ったレイモンド・ペティボーンのイラスト同様、パンクのDIY精神から、彼が「Love And Rockets」を自費創刊した82年をひとつの原点と見ると、90年代はジン・カルチャーの盛り上がりにコミックは欠かせないものだっただろうし、最近では、そのストーリー・テリングの才でオルタナティヴ・コミック界一の実績を誇るダニエル・クロウズの原作による映画「ゴースト・ワールド」の公開というトピックもあった
。
あともあれ現在、静かに見える水面下では、定着と細分化のなか、よりパーソナルな佇まいで、作家それぞれがコミック世界を深化させている。たとえば、何気ない日常の断片に詩情を横たえるエイドリアン・トミーネや、老成の哀切とユーモアを、凝ったコマ割りを交えながら表現しているクリス・ウェアらの作品からも、それがわかってもらえると思うんだけど、さて、どうだろう。
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