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オンライン掲載:2001/12/13
初出:2001年12月25日『bounce』228号


SOUNDTRACKS
U2と映画のおおっぴらで熱い関係


文/山口哲一
 「バットマン・フォーエヴァー」に「007 ゴールデン・アイ」 に「ミッション・イ ンポッシブル」。U2とサントラとの関係を考える時、ハリウッド大作におけるサント ラ参加ももちろん気になるところだが、やはり真っ先に上げるべきはヴィム・ヴェン ダースとの関係だろう。

 エルヴィス・プレスリーに憧れていたボノと、アメリカン・ニューシネマを愛した 、ニュー・ジャーマン・シネマの旗手、ヴェンダース。両者の出会いは伝説的エイズ ・チャリティーであり、映画史と音楽史に偉大な足跡を残したコール・ポーターのト リビュートでもあった『Red Hot+Blue』。ときはベルリンの壁崩壊の翌年90年のこ とだった。その後、「夢の涯てまでも」「時の翼に乗って/ファラウェイ、ソー・ク ローズ」「エンド・オブ・バイオレンス」と、U2はヴェンダース作品のサントラに楽 曲を提供し、盟友とも言うべき仲を築いていく。そして、その関係の集大成ともいう べき作品が、ボノが『The Jo-shua Tree』発表時から、映画企画として長く温めてい た愛の寓話「ミリオン・ダラー・ホテル」のヴェンダースによる映画化だ。

 音楽はブライアン・イーノとダニエル・ラノワも参加したスペシャルなバン ド、ミリオン・ダラー・バンド。舞台となったホテルは、U2のヒット曲 “Where The Streets Have NoName”のプロモ・クリップ撮影場所。『The Joshua Tree』への「パリ・テキサス」からの影響も公言するボノにとって、 まさにこれは果たすべくして果たした仕事だったといえるだろう。

   そのほか、「プレタポルテ」「ショートカッツ」などロバート・アルトマン の作品や、最近では「ムーランルージュ」において、ギャヴィン・フライディ とボノのユニットでT・レックスをカヴァーするなど、あいかわらずサントラ 参加には積極的だ。しかし、そこに安易な楽曲提供はなく、ボノが謳いあげる 愛の本質を感じ取り、映像派としてのU2を理解するサブテキストとして貴重な 作品となっているのだ。



左上から、U2による主題歌“Hold Me, Thrill Me, Kiss Me, Kill Me”を収録したサン トラ『Batman Forever』(Atlantic)、コンピレーション『Red Hot+Blue』( Chrysalis)、サントラ『Until The End Of The World』(Warner Bros.)
左下から、サントラ『The Million Dollar Hotel』(Island)サントラ『Short Cuts』(Imago)、『Moulin Rouge』(Interacope)
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