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Buffalo Daughter
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掲載: 2002/05/16
更新: 2003/03/06
ソース: 『bounce』誌 227号(2001/11/25)

文/川島健次

試行の時代を終え、収穫期を楽しむ音の冒険者たち


 Buffalo Daughterの新作は、ざわざわとした不穏なノイズを抱きながら、全体としては抱き心地がいい。ここには、彼らがこれまでにチャレンジした実験の数々から生まれた、伸びやかなハーモニーがある。

 思えば彼らがデビューした90年代は、レコーディングに対するミュージシャン自身の意識が高まった時代だった。そんなシーンのなかで象徴的な役割を担っていたアーティストにはステレオラブや、日本ではコーネリアスがいた。両者は奇しくも今年新作をリリースし、どちらもが、これまでに比べて実にリラックスしたサウンドを聴かせてくれている。そこにはシカゴ・シーンというトピックも大きく関係しているだろうし、GREAT3『May And December』は、そういった文脈のなかで生み出された、新しいメロウネスをもっていた。また、ポスト・ロックと呼ばれるサウンド指向のロック・シーンにおいては、モグワイが『Rock Action』で、ノイズの霧の向こうからメロディーの美しい骨格を浮かび上がらせた。

 こんな具合に音の冒険者たちにとって、試行錯誤の時代は終わり、サウンドはより普遍的な気持ち良さ/楽しさへ向けて動きだしている。サウンド生成のテクスチャーを実験の過程で消化させ、トリッキーな作品とはならない――そんなシーンの流れのなかで、Buffalo Daughterも、彼らなりのカードを切ってみせたというわけだ。

 


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