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掲載: 2007/08/02
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都市型フェスティヴァルの代名詞と言えば、〈SUMMER SONIC〉。東京・大阪の2都市で同時開催され、各日・各会場の出演アーティストが総入れ替えでパフォーマンスを行う――そんな夢の2日間が、今年も約2週間後に接近中! ……というわけで、bounce.comでは〈サマソニ〉出演アーティストによる注目盤をセレクション。予習のお供にどうぞ。
文/bounce.com編集部 8月11日(土)の東京会場に出演するアーティストの作品を紹介
1日目のヘッド・ライナーは、紅一点のファーギーが昨年ソロ・アルバムをリリースしたことも記憶に新しい、ブラック・アイド・ピーズ。さらに同日の〈MARINE STAGE〉には、アヴリル・ラヴィーン、グウェン・ステファニ、木村カエラと、男子のみならず女子も憧れずにはいられない女性シンガーが続々と登場。対して〈SONIC STAGE〉には、ジョニー・マーの加入で驚かされたモデスト・マウスや、昨年17年ぶりに再結成したダイナソーJrなどがお目見え。フロアが新旧ファンによる歓喜の拳で埋め尽くされる予感大です。そして、ボンヂ・ド・ホレ、デジタリズムなどのエレクトロ・ダンス・ロック勢が揃った〈DANCE STAGE〉も要注目でしょう!
THE BLACK EYED PEAS 『Monkey Business』A&M/ユニバーサル(2005)
ウィル・アイ・アムいわく〈ヒップホップ版ボリウッド〉という4作目。そういえばインドでも“Where Is The Love”や“Hey Mama”はよくかかってたなぁ……なんてのは余談としても、事実これらの世界的なヒットは彼らの活動をネクスト・レヴェルへと引き上げたわけで、今作もあらゆるお楽しみが凝縮されたワールド・スタンダードな仕上がりだ。冒頭の“Pump It”から映画「パルプ・フィクション」でお馴染みのディック・デイル“Misirlou”を敷いてみせ、その後もJB、ジョン・レジェンド、スティング、ジャスティン・ティンバーレイクなどがボリウッド的な豪華絢爛さで登場。ダンスホール・スタイルの乗りこなし方だって〈導入〉なんてレヴェルじゃない。彼らの脳内音楽地図をそのまま形にしたような強引さはあるが、それが持ち前のポップさと相まって類を見ない娯楽作品となっているのも嬉しい。あらゆる食いしん坊を喜ばせる満腹盤でしょう。(大石 始/bounce 2005年06月号掲載)
TRAVIS 『The Boy With No Name』Epic/ソニー(2007)
叙情系ロックの中でも強い求心力を持ったコールドプレイとは違い、みずからを〈インヴィジブル(=透明な)バンド〉と名乗るトラヴィスは、琴線を撫でまわすような普遍的なメロディーを奏でることに腐心してきた。そんな彼らの4年ぶりとなる新作は、純氷のように透き通ったサウンドに加えて、なんと音響系的意匠やダンス・ビートまでを導入。ベスト盤リリース後初のアルバムというだけあって、新章の幕開けに相応しい意欲作だ! (冨田明宏/bounce 2007年05月号掲載)
MAXIMO PARK 『Our Earthly Pleasures』Warp/BEAT(2007)
プラチナ・ディスクを獲得した前作から2年を経て、マキシモ・パークが新作をリリースした。NMEが名付けた〈ポエット・パンク〉なる音楽性もすでに忘却の彼方だし、彼らはもはやポスト・パンク・バンドでもなくなっている。エネルギーを無軌道に拡散させていた前作に比べると、まるで膨大な数の光ファイバーをまとめ上げた海底ケーブルのように、多彩な情報量と音楽性を収斂させて極太に一体化。タイトさとダイナミズムが素早くスイッチしながら突っ走る、奇抜な楽曲的進化を果たした。この変化は本作のプロデュースを担当したギル・ノートンの影響が強く反映されたもので、ピクシーズのようなオルタナ・サウンドと、ディーヴォやウルトラヴォックスなどのテクノ・ポップ的サウンドスケープの同居は恐ろしく斬新だ。贅肉を削ぎ落としたタイトさとネチっこいメロディーも好バランス。素晴らしい完成度を誇る意欲作である。(冨田明宏/bounce 2007年05月号掲載)
SUGAR RAY 『In The Pursuit Of Leisure』Atlantic(2003)
これで5枚目。前々作から大人路線(?)にシフト・チェンジしているクールなおバカ集団が、またしてもヤッてくれた。 80'sフレイヴァーもろ出しのサマー・ナンバー“Mr. Bartender(It's So Easy)”を中心に、ハイクォリティーなポップ・ソングが今回も満載。ジョー・ジャクソンのカヴァー“Is She Really Going Out With Him?”もバッチリ決めて、さらに“56 Hope Rd”ではあのシャギーが参加という豪華なオマケつき。(岩田真也/bounce 2003年06月号掲載)
GWEN STEFANI 『The Sweet Escape』Interscope/ユニバーサル(2007)
出産直後はホルモンのバランスが不安定って言うけれど……ここまでハッチャけていいものなのか、ねえ? グウェン姐さん! ファレルが絡んだファースト・シングル“Wind It Up”でのヨーデル唱法にもブッ飛んだけど、他にもあちこちで錯乱ヴェクトルが飛び交いまくり。思わず口をあんぐり。基本的には大ヒットしたソロ・デビュー作『Love. Angel. Music. Baby.』の路線を踏襲しているのだが、ここでのキモはダンス・ナンバーよりも80'sを彷彿とさせるエレクトロ・レトロ・ポップ。キーンのティム・ライス・オクスリーのペンによる“Early Winter”やデペッシュ・モードへの畏敬の念を感じさせる“Wonderful Life”など、ちょっぴり引いた魅力のほうが勝っている。前作が〈ディズニーランド〉だったとすれば、今作は〈としまえん〉あたり? 〈スウィートなエスケイプ〉の隙間から綻びた現実が見え隠れする。(村上ひさし/bounce 2007年03月号掲載 )
FALL OUT BOY 『Infinity On High』Island/ユニバーサル(2007)
前作『From Under The Cork Tree』が300万枚を超えるヒットを記録して、グラミー賞新人部門にノミネート――この2年の間に彼らを取り巻く状況は大きく変化した。メジャー2枚目となる本作は、ゲストにジェイ・Z、プロデューサーにベイビーフェイスの名がクレジットされていることから、〈脱パンク!?〉〈R&B化!?〉と勘ぐってしまうが、いざフタを開けてみるとどこをどう切ってもフォール・アウト・ボーイにしか聴こえない安心の仕上がりだ。ダンサブルなビートや壮大なバラードなどの新境地を見せつつも、彼らの最大の武器であるポジティヴなメロディーは、良い意味でまったく変化していない。成功に溺れることなく地に足の着いた活動を続け、そのなかで新しいことにチャレンジする自信も手に入れた……そんな彼らだからこそ作り得た100%フォール・アウト・ボーイ印のハイブリッド・ポップ・ミュージック! 胸のすくような快心作だ。(粟野竜二/bounce 2007年03月号掲載)
MODEST MOUSE 『We Were Dead Before The Ship Even Sank』Epic/ソニー(2007)
まさかのジョニー・マー加入を経て発表された新作。といっても、核心は何も変わらない純正モデスト・サウンドが炸裂している。つんのめるようなリズムと胸を掻きむしるエモーショナルなギター。一瞬一瞬に感情の爆発があり、メジャー3作目にして、いまだに手放しで自転車を全力疾走するような危なっかしさも最高だ。最近じわ〜っと滲みでるようになった哀愁も織り込んで、歌って泣かせるロックンロール・ショウ。(村尾泰郎/bounce 2007年06月号掲載)
DINOSAUR JR. 『Beyond』PIAS/HOSTESS(2007)
J・マスシス、ルー・バーロウ、マーフというオリジナル・メンバーでの再結成を昨年17年ぶりに果たしたダイナソーJrが、ついに新作をリリースした。これが聴いてビックリの完成度! Jのダルダルな鼻歌も、手癖全開のギター・ソロも、どこを切っても〈ダイナソー節〉が全開なんです。〈バンドのケミストリー〉ってこういうことなんだ! かの『Bug』にも劣らない名作を作り上げようとは、誰が想像できたでしょう。(田中幹也/bounce 2007年05月号掲載)
KLAXONS 『Myths Of The Near Future』Polydor/ユニバーサル(2007)
〈近未来の神話〉・・この作品を表す言葉として何とピッタリなタイトルだろう! そう、これはまさに神話誕生の瞬間だ。みずからの音を〈ニュー・レイヴ〉と名付け、この雑食化した電子の世界に舞い降りた神たち。その実像は、近所に住んでいそうなチョッピリ冴えない感じの兄ちゃん3人組だった。画一化されたポスト・パンク・シーンに辟易していたロンドンで産声を上げたクラクソンズは、結成1年あまりでこの強烈なデビュー・アルバムを作り出した。ここにあるのはインダストリアル、ハードコア、ガレージなどのサウンドをミックスしてグチャグチャに撹拌した後、蛍光色の突き刺さるリズムをふんだんに振りかけた新時代のポップネス。レイヴ・キッズは取り憑かれたかのように踊り狂い、ロック・ファンは無我夢中で拳を突き上げる。パンクの DIY精神とトランスの昂揚感をタップリ身に纏った今作が、世界を狂騒の渦に巻き込む! (柴田かずえ/bounce 2007年03月号掲載)
LCD SOUNDSYSTEM 『Sound Of Silver』DFA/東芝EMI(2007)
リミキサーとしても人気のDFAの片割れ、ジェイムス・マーフィーによるプロジェクトの約 2年ぶりとなる2作目。パンクとダンス・ミュージックを融合させた、ディスコ・パンク隆盛の張本人が、ダンスとロックの親密な関係が語られるこの時期にいったいどういうアルバムを作り上げたのか? まずそこは気になるところ。!!!のベース、元セイバーズ・オブ・パラダイスのメンバーといったライヴ・メンバーなどと共に農場で作り上げたという今作は、乾いた音の質感、クールでファンキーなグルーヴ、そしてアルバム全体に漂う脱力感からもニューウェイヴ的な匂いを感じるが、全体を眺めてみると見事なまでにタイトでポップな一枚に仕上がっていることに気付く。前作、そして現状とのリンクも意識していないであろうこの感覚は、斜に構えた云々を越えての痛快さも感じる。そしてそれを裏から支えているのが真のパンク精神だということもお忘れなく。(池田義昭/bounce 2007年04月号掲載)
DIGITALISM 『Idealism』Kitsune/Virgin/東芝EMI(2007)
世界中のさまざまな文脈で大ヒットしたフロア・アンセム“Zdarlight”を引っ提げて、ハンブルグ出身のコンビがいよいよアルバム・デビュー! キツネ産らしいロッキンな耳触りと泣きのメロディーが絡み合う様子は、反則スレスレなまでに殺傷力抜群! そんな直球のエレクトロ・ハウス路線に留まらず、アルバムの構成も存外に多様で、ポテンシャルも十分に感じさせます。これであっさりブレイクしちゃうでしょう! (狛犬/bounce 2007年05月号掲載)
BONDE DO ROLE 『With Lasers』Mad Decent/Domino/HOSTESS(2007)
M.I.A.のプロデューサーでもあるディプロに見い出されたブラジルはクリチバ出身の3人組、ボンジ・ド・ホレ。猥雑かつ野蛮なイメージで捉えられることの多いブラジル産ストリート発のダンス・ミュージック=バイリ・ファンキをよりポップに、かつ脱力気味にやっているのが、この2MC&1DJによる〈バンド〉の特徴だ。この初のアルバムは、既成の様式も形式も無視して、ヒップホップもダンスもメタルもアレもコレもいっしょくたに(器用とは言いがたいが……)採り入れながら生まれるノリに、ヤケクソ気味の勢いとポルトガル語でわめき散らすラップのテキトーさが加わって、一定のジャンルには収まらない内容になった。本編は全12曲で30分弱。この潔さ、そして全体のラフさが、彼らのタフさを生む要因でもある。(池田義昭/bounce 2007年07月号掲載)
BLUE KING BROWN 『Stand Up』Roots Level/Village Again(2006)
デビューEPが話題となって〈Green Room〉で来日も果たしたオーストラリア発の5人組が、待望のフル・アルバムを完成。レゲエを軸にラテンやファンクの要素を採り入れた楽曲と、女性ヴォーカルによるエネルギッシュな歌でもって、あらゆるリスナー層の心を掴むであろう快作に仕上がっている。勢いよくまくし立てるダンサブルな曲があるかと思えば、しっとりとしたスロウも用意されていて、何度聴いても飽きさせません! (まちだゆうき/bounce 2007年01-02月号掲載) |
8月12日(日)の東京会場に出演するアーティストの作品を紹介
2日目のヘッドライナーは、いまや飛ぶ鳥を落とす勢いのアーク・ティック・モンキーズ。そんな若手に負けじと〈SONIC STAGE〉を盛り上げてくれるであろう、ペット・ショップ・ボーイズやシンディ・ローパーなどのベテラン2組も見逃せません。また、〈MARINE STAGE〉のブロック・パーティー、〈MOUNTAIN STAGE〉のエンター・シカリ、〈DANCE STAGE〉のサンシャイン・アンダーグラウンド、ロック寄りの新作を発表したばかりのアンクルなど、この日は踊れるロック系のアーティストが目白押し。お祭りムード満点の一日になりそうです!!
ARCTIC MONKEYS 『Favorite Worst Nightmare』Domino/HOSTESS(2007)
まさかあれほど愛したアークティック・モンキーズのデビュー作を、あっさり超えるほど好きになれるセカンド・アルバムを作るとは。そんな奇跡を、この4人の場合はあきらかな〈変化への意志〉と共に生み出した。ありえない。デビュー当時のインタビューで、「流行とは離れた場所で常に新しい音を作りたい」と話してくれたヴォーカルのアレックス・ターナー。その言葉どおり、このアルバムはどれをとっても現在のUK&USで鳴っているサウンドとは違う。ダイナミズム上等!なドラムは多彩なリズムを展開し、ギターは時にヘヴィーに、時に空間を活かし、華やかさを加える。カウンター・メロディーとして鳴るベースも通常のギター・ロックにはありえない存在感を持つし、そもそも曲の構造そのものが〈ポップ・ミュージック〉の常識を気持ち良く無視。そのすべてをアレックスによる言葉数の多いメロディーラインが先導する、その総合力こそが奇跡的。「生まれ変わるんじゃなくて、前に進んで進化する能力を持っていること。進化するのを恐れないということ。そしてポップ・ミュージックなんだけど、深みのあるおもしろいポップ・ミュージックを作りたいということ、かな」――このアルバムを完成させて気付いたという〈自分たちらしさ〉について問うと、アレックスはそう答えた。いまも変わらず冷静に、自分を見つめる彼。この回答こそがその内容のすべてを伝えている一枚だ。(妹沢奈美/bounce 2007年05月号掲載)
UK/USを中心に爆発的な盛り上がりを見せていたニュー・レイヴ・リヴァイヴァルが尻すぼみ状態となり、終焉へと向かっていた2005年下半期。そんなシーンの重苦しい空気をたった一枚のEPで吹き飛ばし、全世界をあっと言わせたのがアークティック・モンキーズだ。インターネット上での口コミから火が着いて、翌年にリリースしたデビュー・アルバムをあっさりチャート1位に放り込み、オアシス以降のUKで最大のバンドとなった……と、ここまで夢物語のような快進撃を続けてきた彼らが、1年半というインターヴァルを経て待望のニュー・アルバムを完成させた。血管沸騰必至のビートと瞬発力抜群のアークティック節は今作でも健在だが、同時にハード・ロック的な要素が加わるなど革命的な変化も遂げている(デビュー前に彼らはダットサンズのコピーをしていたり、ギターのジェイミー・クックがシステム・オブ・ア・ダウンの大ファンとのことなので、この変化には大いに頷けるのだが……)。ひとつ戸惑う点は、前作での“Fake Tales Of San Francisco”や“I Bet You Look Good On The Dancefloor”のようなキラー・トラックがないところ。ありったけのフックを前面に押し出した前作とは違い、今作はあきらかに聴き手にさまざまな発見をさせようとしている攻撃的かつ実験的な作品で、なるほど、聴くたびに新たな表情を見せて彼らが現在やりたかったことが少しずつ浮き彫りになっていく。つまり、ほっぺにニキビの残る少年たちが作ったとは到底思えない挑戦的な傑作なのだ。〈夢物語〉はこうして伝説への階段を登りはじめた! (白神篤史/bounce 2007年05月号掲載)
KASABIAN 『Empire』SonyBMG UK/BMG JAPAN(2006) 2004年の〈サマソニ〉ではアルバム・デビュー前にも関わらず、入場規制になるほどの観客を集めたという伝説を持つ彼ら。エラく型破りなファースト・アルバムに続く2年ぶりの新作は、不機嫌な破壊的暗黒ビートで攻めるエレクトロ・ノイズと生音の融合はそのままに、アコギやストリングス、果てはトランペットで味付けしたドラマティックな展開を披露。〈さらに我が道を開拓した!〉と高笑いする彼らの姿が目に浮かぶ出来です! (加藤直子/bounce 2006年09月号掲載)
BLOC PARTY. 『A Weekend In The City』V2(2007) ブロック・パーティー、覚醒! デビュー・アルバムで〈衝動〉という名の剣を振りかざしていた彼らは、この2作目で葛藤/不安/虚脱、そして世界情勢や人種差別など氾濫する数多くの〈やるせなさ〉を緻密に切り取り、荘厳な世界を紡ぎ出してみせた。前作に比べると刺激的なグルーヴ感は影を潜めているものの、感情の起伏を感じさせる音の展開は、鼓動が激しくなるほどにスリリング。これは〈現実〉という名の生々しい一大絵巻だ! (柴田かずえ/bounce 2007年03月号掲載)
THE OFFSPRING 『Greatest Hits』Columbia/ソニー(2007)
〈アハ〜ンアハ〜ン〉な“Pretty Fly”をはじめ多くのヒット曲を生み出したオフスプリングによる初のベスト盤! エピタフからのサード・アルバム『Smash』でインディー史上最高の1,200万枚という驚異的なセールスを記録し、その後も2003年作『Splinter』までコンスタントに作品を発表してキッズを喜ばせてくれる彼ら。今年の〈ワープド・ツアー〉でのヘッドライナーも決定し、冒頭を飾る新曲もオフスプ節全開で文句ナシ! (鈴木健文/bounce 2005年07月号掲載)
AVENGED SEVENFOLD 『City Of Evil』Warner Bros./ワーナー(2006)
ここまでロック・スターになってしまうとは! かつてベルギーのハードコア・レーベルからリリースしていた面影はどこへやら、ガンズ・アンド・ローゼズとX-JAPANを足して、今時のメタル・コアとスクリーモのフィルターを通した確信犯的サウンドを奏でる彼らのメジャー・デビュー作。しかし、この完成度の高さは異常! もはやオペラにも近い超大作で、歴史的名盤級の仕上がりだ。ま、要は開き直ったモン勝ちってこと? (菅原 亮/bounce 2006年07月号掲載)
MOTORHEAD 『Kiss Of Death』Steamhammer/ビクター(2006) 暴走列車の片道切符を握りしめ、走り続けて30年。60歳を越えてなおロック野郎のシンボルとして君臨し続ける男=レミー・キルミスター率いるモーターヘッドが、18枚目となる新作を発表。ジャック・ダニエル焼けした艶声とバックを固める燻し銀のプレイに唸り、 “Sucker”や“Trigger”をはじめとする灼熱のロックンロール・チューンに卒倒! 〈帰りの切符なんていらないゼ〉という気合いの入った野郎どもは、迷わず飛び乗れ! (寺島正夫/bounce 2006年10月号掲載) PET SHOP BOYS 『Fundamental』Parlophone/東芝EMI(2006)
ペット・ショップ・ボーイズの新作はトレヴァー・ホーンがプロデュース!ってことは……そう、ふたたび全盛期のような極上ディスコ・ポップへと回帰したのだ! バンザ?イ! 80'sムードをギンギンに盛り立てるトレヴァー印の大袈裟なサウンド演出と、それに負けじと繰り出される泣きメロの応酬に、みんなたまらず泣き踊り。エレポップ界の王者同士による最強タッグだからこそ作り得た最強のアルバムがここに誕生した! (田中幹也/bounce 2006年06月号掲載)
コーネリアス 『SENSUOUS』ワーナー(2006)
コーネリアスによる5年ぶりの新作――そのタイトルは『SENSUOUS』。意味を知らなかったので辞書を引いてみると、〈感覚的な/美的な〉ということらしい。その単語をじっと眺めていると、文字の配列からしてデザインされたような美しさを感じるが、そんな見事なフォルムは本作にもある。前作『Point』では、切り詰めた言葉と音で精密な余白を作り出していたが、本作はその路線をさらに突き詰めた仕上がりになっており、アコースティック・ギターのさざ波に導かれて、研ぎ澄まされた音響パズルを展開していく。キングス・オブ・コンヴィニエンスをゲストに招いた “Omstart”、ソリッドなギターが鳴り響く“Gum”、DAFばりのシンセがウネる“Beep”など、さまざまなスタイルを引用しつつも、彼方に浮かび上がるハーモニーはしなやかで、何よりもパワフルだ。まるで栄養たっぷりのミルクみたいに、無垢で濃密な46分49秒(ヨロシク)。(村尾泰郎/bounce 2006年11月号掲載)
DJ SHADOW & CUT CHEMIST 「Freeze」Pllage Roadshow(2006)
DJシャドウとカット・ケミストという希代の7インチ馬鹿による、2000年1月のLAにおけるDJミックス・セッションを収録したDVD。激レアなディープ・ファンク盤だらけの選曲で、コレクターは卒倒必至だ。コスリと2枚使いで紡がれるこのカッコ良さたるや、空前絶後&問答無用です! (石田靖博/bounce 2006年06月号掲載)
UNKLE 『War Stories』Surrender/TRAFFIC(2007)
忘れた頃にやってくるジェイムス・ラヴェルのプロジェクト=アンクルが、レーベルも装いも新たにしてニュー・アルバムをリリース。モ・ワックス時代よりずっとアートワークを手掛けてきたフューチュラから3D(マッシヴ・アタック)にデザイン担当が変わり、音のほうもいっそうロック色を増強。キュアーのイアン・アストベリーが参加していたり、ジェイムス自身のヴォーカルが入った楽曲もあったり、ヤル気満々ですな。(池田謙司/bounce 2007年07月号掲載)
THE SUNSHINE UNDERGROUND 『Raise The Alarm』City Rockers(2006)
間違いなく今年下半期のUKロック・シーンの顔になるであろうリーズ出身の4人組、サンシャイン・アンダーグラウンドがデビュー作をリリース。ラプチャー直系のディスコ・パンクあり、ニュー・オーダーやキラーズを彷彿とさせるメロウでニューウェイヴィーなキラー・トラックあり……と言ってしまうとありきたりだが、すべての曲を聴き終えた後に残る昂揚感は、今後の飛躍を確信させてくれる。とにかく凄い作品だ。(白神篤史/bounce 2006年10月号掲載)
TILLY AND THE WALL 『Bottoms Of Barrels』Team Love/V2(2006)
〈ドラムの代わりにタップがリズムを担当!〉と聞いた時、驚くよりも先に苦笑が漏れてしまった。まったく、俺はなんて浅はかで失礼なヤツなんだろう。元ブライト・アイズのメンバーを含む男女5人組、ティリー・アンド・ザ・ウォールのセカンド・アルバムが本当に凄いのだ! 前述のとおりタップ、そしてハンドクラップで刻まれるリズムは仄かにフォークロアなムードを演出し、従来の打楽器では決して生み出せない小気味良く繊細なビートを響かせる。フォーク、カントリー、ブルーグラスにネオアコ、ソフト・ロック……と、次々と変化する楽曲に合わせてタップも目まぐるしく変化。そしてタップの効用か、笑い声が聴こえてきそうなメンバーの楽しげな雰囲気がナチュラルな昂揚感を生んでいる。斬新なアイデアと至高のメロディーが高らかに踏み鳴らされた、2006年インディー・シーンを象徴する作品である。(冨田明宏/bounce 2006年10月号掲載)
BEN WESTBEECH 『Welcome To The Best Of Your Life』Team Love/V2(2007)
UKはブリストルを拠点とする25歳の新鋭クリエイターがアルバム・デビュー。ジャイルズ・ピーターソン主宰のブラウンズウッドから、という背景も頷ける幅広いサウンド表現が何よりの魅力だ。ジャズやソウルをベースとしながらもハウスやドラムンベースなどのダンス・ミュージックを乗りこなし、さらには生活感に溢れた言葉を伝えるポップ・シンガーとしての力量も発揮。新人らしからぬマルチな才人ぶりに、今後も要注目! (ネイシャン/bounce 2007年04月号掲載) |
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