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掲載: 2007/08/09 更新: 2007/08/24
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11年目を迎えた今年も、大盛況のうちに幕を閉じた元祖ロック・フェス〈FUJI ROCK FESTIVAL〉。延べ127,000人のオーディエンスが集結した、3日間に渡る祝祭の模様をbounce.comでは速報でレポートいたします。各ライター陣の印象に残ったライヴを時系列に沿ってご報告。フェス参加者も、残念ながら行けなかったという方も、当日の様子をシュミレーションしながらご一読ください!
文/田家 大知、小田 由美子、小林 祥晴、澤田 大輔 7月27日(金)
11:30〜 ■捏造と贋作 @ ORANGE COURT
日本のニュー・ウェイヴ・シーンに名を刻む久保田慎吾&上野耕路のデュオ・ユニットから一転、ホーン・セクションやダンサーまでをも抱え込む大所帯バンドへと変貌を遂げた捏造と贋作。レイバンのグラサンと手描きのダリ風ヒゲでシャレ込む久保田と、七三ヘアーに背広姿の上野、終始エロスを撒き散らしながらステージ上を練り歩く羽田嬢(最後はビキニに!)……と、見てくれからして、やたらウサン臭い。が、そんないかがわしさやカオスを〈ロックンロール〉という娯楽ショーに昇華するのが彼ら。ごきげんな8ビートに洒脱なアレンジと猥雑なキャバレー感覚をぶち込んだサウンドで、初めは戸惑い気味だったオーディエンスをグイグイと乗せていく。シャレともガチともつかない久保田のロック・スターっぷりに笑わされつつ、次の瞬間にはメランコリックなコーラスにキュンとさせられたり。全方位に過剰なステージは、フジの祝祭空間にぴったりでした。来年もぜひ! *澤田
12:45〜 ■BLONDE REDHEAD @ RED MARQUEE
個人的に今回一番楽しみにしていたブロンド・レッドヘッドは、01年の青山CAYでの来日公演を観て以来となるから6年ぶり。今年4月に発売した3年ぶり7枚目のアルバム『23』もかなりの名作だったので、こんなに早い時間なのに人はギュウギュウ。京都出身の日本人女性カズの「いらっしゃいませ」というMCに始まり、イタリア出身の双子アメデオ&シモーネ・パチェとの絶妙なバンド・アンサンブルとカズの透明感ある美声、糸こんにゃくが宙を舞うようなツイン・ギターのリフなどに夢心地。『23』からの曲を中心にプレイし、人気曲“In Particular”のイントロが鳴った時は大歓声だった。次のアルバム・リーフが急遽キャンセルになってしまったためか、予定より長くやってくれたのかも。ムーン・ウォークのようなステップで踊るカズはいつ見ても不思議な生命体だなあと思います。*田家
14:20〜 ■KEMURI @ GREEN STAGE
今年12月9日のZEPP TOKYOでのライヴを最後に解散が決定したKEMURI。フジロックの常連だけに今までも何度も観てきたけど、苗場で観るのもこれが最後となると感慨深いし、前列にはすでに泣いているファンの姿も。しかし、そんなメソメソした空気を一蹴するくらいに空は快晴で、そんな青空にぴったりな“Go! Under The Sunshine!”でスタート。オリジナル・ラスト・アルバム『our PMA』からの曲を1曲1曲楽しく、そして噛み締めるように演奏し、“Ato-Ichinen” ではモッシュ・ピットにサークルが巻き起こる。ヴォーカルの伊藤ふみお氏は何度も空に向けて感謝の祈りを捧げ、菩薩のように澄み切った笑顔は鳥肌が立つほど美しかった。ラストは「今日は大満足です!」というMCの後、“I'm So Satisfied!”。みんなが笑顔で泣いた至福の時間。やっぱりKEMURIにはフジが似合っています! *田家
18:20〜 ■OCEAN COLOUR SCENE @ RED MARQUEE
モッド魂が炸裂する燻し銀の演奏と、シンガロング系の歌メロで根強い人気を誇るOCSのステージは、10年以上のキャリアを誇る彼ららしく貫禄タップリのものだった。一曲目からいきなり代表曲である“Riverboat Song”から入ると、オーディエンスの心を早くもキャッチ。そして、続けざまに“You've Got It Bad”、“Circle”と大ヒットしたセカンド・アルバムのシングル曲をプレイする大盤振る舞いで、ブリット・ポップ全盛期に青春を過ごした方々の涙腺は決壊寸前だった模様。その後も新旧の代表曲をバランスよく披露していき、最後まで観客の心を惹きつけて離さなかった彼ら。新作を出したばかりなので、そこからの曲でセットを固めたかったのは山々だろう。しかし、そこはグッと堪え、オーディエンスの期待にしっかりと応えてみせた今回のステージは、酸いも甘いも味わい尽したベテランならではのバランス感覚の良さが光っていた。*小林
19:20〜 ■MUSE @ GREEN STAGE
「な、なんじゃこりゃー!」というのがライヴ中の感想。終わった時はしばし呆然。大変お恥ずかしながら生でミューズのライヴを観たのは初だったのだけど、CDの印象とは真逆。完全にこの常軌を逸したぶっ飛びバンドの虜になってしまった。真っ赤な照明の中で3人が登場し、マシューが「コンバンワ、フジー!!」と叫んで“Knights Of Cydonia”を演奏すると、銀河鉄道に乗って宇宙のディスコを滑走するようなめくるめく体験。ヘヴィで流麗な演奏とド派手な映像の壮大なるマッチングは未来のロック・オペラのようで、〈GREEN STAGE〉以外には考えられない。“Feeling Good”では拡声器を使い、噂のセルフ紙吹雪も披露。“New Born”でピアノを蹴り倒し去ったかと思えば、アンコールの“Plug In Baby”では巨大風船が舞い、“Stockholm Syndrome”の後はギターを叩き割ってドラムセットもなぎ倒す。こんな過剰なバンド、他にいないよ! 間違いなくベスト・アクト! *田家
21:00〜 ■YO LA TENGO @ FIELD OF HEAVEN
大充実! そう形容するにふさわしかったのが〈FIELD OF HEAVEN〉初日のトリを務めたヨ・ラ・テンゴ。のっけから“Sugarcube”に“I Heard You Looking”と人気ナンバーをたたみかけ、その後はソウルフルな“Mr.Tough”からパーカッションとコーラスだけで奏でる“You Can Have It All”まで、幅広い楽曲のヴァリエーションを提示しながら、バンド総決算的なセットを披露。特別新しいことは何もしていなかったけど、満月の下という最高のロケーションのたまものか、過去最高レベルのパフォーマンスを見せてくれたと思う。また、この日はステージ時間がたっぷり用意されていたからか、アイラ・カプランのギター・フィードバックが全編に渡って大爆発。特に本編最後に繰り出された“Story Of Yo La Tango”のアウトロでの轟音サイケ大会には思わず拳が上がってしまいました。アンコールでは、2年前の出演時に引き続き、またしてもサン・ラ“Nuclear War”のカヴァーが。*澤田
21:30〜 ■CURE @ GREEN STAGE
初日の大トリを飾るのはキュアー。23年ぶりの来日だけに観客の期待も尋常じゃないが、本人たちも前夜祭の最中にサウンド・チェックを行ったほどの気合いの入りよう。遂にロバート・スミスが観衆の前に姿を現すとオオオオといったどよめきが起こり、その強烈なオーラに引き込まれていく。太くて短い指で器用にギターを弾き、ギョロッとした目で会場を見つめるその表情からは何を考えているかさっぱりわからないけど、たまに「ドウモアリガトウ」「他に僕の知ってる日本語は〈ゴメンナサイ〉」「前回来た時は、冷戦の時だったね」と優しく語り、日本向けに(?)“Kyoto Song”も演奏するなど、サービス精神は旺盛。しかも金曜の満月の夜に“Friday I'm in Love”を聴くなんて、ありえないシチュエーション! “The Kiss”“Close To Me”“Boys Don't Cry”など号泣ナンバーを連発した2時間超のステージの最後は、「また23年後に。いや……もっとすぐかな」とギャグともつかないつぶやきを残し、客席の隅々まで礼をして帰って行った。*田家
22:10〜 ■GROOVE ARMADA @ WHITE STAGE
なんと今年は80本以上のフェスティヴァルに出演するというグルーヴ・アルマダは、それも納得の正に〈お祭り向け〉の楽しいパフォーマンスを披露してくれた。今回の彼らは、メンバー2人によるDJセットではなく、10人近くの生バンドを従えた完全フェス対応のライヴ・セット。ヴォーカリストは合計で3人も登場し、曲ごとに彼らが入れ替わり立ち代わり登場する展開は、なんとも賑やかなものだった。また、最近流行のいわゆるインディ/ダンス・クロスオーヴァーものの縦ノリのゴツゴツしたビートとは違い、しなやかで黒っぽくファンキーな彼らのビートは、人を選ばず踊らせることができるものだと改めて実感。クラブ・アクトらしくVJにも力を入れており、見ても聴いても楽しいライヴ・ステージは、ビッグ・アクトならではのエンターテイメント魂が爆発したゴージャスにして煌びやかなものだった。*小林
00:50〜 ■TIM DELUXE、SHINICHI OSAWA(MONDO GROSSO) @ オールナイトフジ
 | | ティム・デラックス |
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今回のティム・デラックスのDJは大当たり。いつも大会場では旺盛過ぎるほどのサービス精神を発揮して、こってりとクラウドを楽しませてくれる彼だが、今回はホワイト・ストライプス“Sven Nation Army”などの大ネタをプレイしつつも、決して派手にはなり過ぎない絶妙なバランスで、気持ちよく最後まで踊らせてくれた。続いての大沢伸一も、得意のエレクトロ・セットで会場を完全にロック。クラクソンズやゴシップの定番曲はもちろん、プレイ後半には今年のフジに出演しているピーター・ビヨーン・アンド・ジョンの“Young Folks”をスピンする粋な計らいも見せ、深い時間にも関わらずクラウドを完全燃焼させていた。それにしても、今年のオールナイトフジはどういうわけか、ポール・ダンサーのお姉さんたちが沢山登場し、いつにも増して妖しげな雰囲気に。記念撮影をする殿方が大勢いらっしゃったのも印象的だった。*小林
▼文中に登場したアーティストの作品を紹介
| | 4月にリリースされた捏造と贋作のセカンド・アルバム『POLARITY INTEGRATION』 |
| | 4月にリリースされたブロンド・レッドヘッドの新作『23』 |
| | 5月にリリースされたKEMURI、最後のオリジナル作『our PMA』 |
| | 6月に発売となったオーシャン・カラー・シーンの8作目『On The Leyline』 |
| | 06年にリリースされたミューズの4枚目『Black Holes And Revelations』 |
| | 06年にリリースされたヨ・ラ・テンゴの最新アルバム『I Am Not Afraid Of You And I Will Beat Your Ass』 |
| | 04年発売のキュアー通産14枚目『The Cure』 |
| | 7月にリリースされたグルーヴ・アルマダのアルバム『 Soundboy Rock』 |
| | 06年にリリースされたティム・デラックスのセカンド『Ego Death』 |
| | 04年に発表されたSHINICHI OSAWAのミックスCD『Mix The Vibe street king』 |
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7月28日(土)
 | | ビースティ・ボーイズ |
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13:00〜 ■湯川潮音 @ FIELD OF HEAVEN
ベースの代わりにチェロを取り入れた、ちょっと不思議な編成で登場した湯川潮音は、“Requiem”を独唱で披露すると「雨、止んだ〜!」と嬉しそうに一言。気が付けば、さっきまで降りしきっていた雨は上がり、空が明るさを取り戻し始めていた。彼女の靴音を取り入れたファニーで幻想的な“3:15”、そして、今この瞬間の空模様にぴったりの“ツバメの歌”。マーチ風の原曲より繊細な手触りのアレンジ、そして彼女が持つ英国トラッドと共振するような歌声が、〈FIELD OF HEAVEN〉を囲む森の空気にぴったりと寄り添う。「今回のフジロックのために作りました」という新曲“風よ吹かないで”は、往年の金延幸子を彷彿とさせるような木漏れ日フォーク。爪弾くギターに導かれるように太陽も顔を覗かせ始め、ラストに披露された初期の名曲“キルト”の頃には、すっかり良いお天気に! 意外にも(?)晴れ女な潮音嬢。オレンジのワンピースが素敵でした。*澤田
14:20〜 ■!!! @ GREEN STAGE
早い時間での登場だったにも関わらず、見事な客の入り。それに触発されたのか、最初の方こそ軽い肩慣らしといった様子だったが、次第に本調子の演奏へと突入していった。ツイン・ドラム+パーカッションが生み出すヘヴィかつ躍動感溢れるビート、ノイズすれすれの轟音で下腹を抉るギター、そして怒号のようなニック・オファーのヴォーカル。その全てがメーターを振り切ったようなテンションで鳴らされているにも関わらず、音の緩急がハッキリとしたアレンジのせいか、以前とは違い、メリハリや躍動感を強く感じさせるようになっていた。また、ステージの端から端まで踊り歩いて観客を煽るニックのエンターテイナーぶりが、彼らのライヴにその音楽性以上の取っつき易さを与えていたのも確かだろう。ハードコア出身ならではの激しさは相変わらずだったが、以前と較べ圧倒的に開放感が増した彼らのライヴからは、〈GREEN STAGE〉に相応しいスケールの大きさが感じられた。*小林
16:40〜 ■LILY ALLEN @ RED MARQUEE
実力もルックスも伴ったビッグ・マウスの生意気娘の姿をひと目見ようと、〈RED MARQUEE〉はテントの後ろまでパンパンに膨れ上がる大盛況ぶり。そんな中、本人が登場すると野郎どもが地鳴りのような歓声でお出迎え。ちなみにリリーの第一声は「アーオ!」。“LDN”でライヴがスタートし、かぼちゃスカートの白ワンピとナイキのスニーカーでピョコピョコと跳ね回りながら歌う。歌ってる途中に爆笑したり、タバコを吸ったりと、噂通りのオテンバぶりなのにシンガーとしてのスキルは高く、CD以上に安定した歌と軽妙なラップで魅了する。ヒット曲の“Littlest Things”“Smile”“Alfie”はもちろん、ブロンディの熱唱カヴァー“Heart of Glass”も披露し、会場をハッピーなムード一色にしてくれた。確かにこれだけの才能と勢いがあれば、誰も何も言えないでしょう。降参しました……! *田家
17:50〜 ■FEIST @ ORANGE COURT
スタイリッシュな白のワンピース姿で現れ、「オハヨウ!」と少々ズレ気味の挨拶を振りまいた(「こんにちは」と勘違いしていた様子)カナダの才媛ファイスト。これまでに発表した2枚のアルバムでは、洗練されたソング・ライティングと持ち前の美声に注目が集まっていたが、バンド編成で臨んだ今回のステージでは、その柔らかなサウンドの奥に隠されていたロックな資質が、より浮き彫りにされたように思う。ガシャガシャとギターをかき鳴らして疾走する“I Feel It All”なんかを聴いていて、初期のネオアコ・ムーヴメントが抱えていたパンクな心意気みたいなものをヒリヒリと感じてしまった。中盤では、盟友ブロークン・ソーシャル・シーンのメンバーであるケビン・ドリューが突然登場し、彼らの名曲“Major Label Debut”を披露。ラスト間際の“Sea Lion Woman”や“1234”では、オーディエンスもハンド・クラップで演奏に参加し、会場はピースフルな空気に包まれた。*澤田
19:20〜 ■IGGY&THE STOOGES @ GREEN STAGE
いい感じに日も暮れ、ほのかに涼しい風がふきはじめた〈GREEN STAGE〉に、ひときわアツい男が現れた。イギー・ポップだ! 演奏が始まる前から、溢れるエナジーを持て余すように飛び跳ねる半裸の還暦オヤジ。その身体には1ミリの贅肉もない。カッコよすぎ! “Loose”“Down On The Street”“1969”と、お馴染みの名曲が続き、観客は早くも興奮状態。それに応えるようにイギーも、暴れまくったり、舞台から降りてくれたり、戻ろうとしてマジ転びしたり(!)、とにかく一瞬たりとも飽きさせないのだ。ハイライトは“No Fun”。イギーが「カモ〜ン!!」と呼びかけるや、舞台上に乱入する客、ざっと100人超。いくら何でも多すぎだろ(笑)! イギー本人もさすがに驚いたようだったが、それでもちゃんと最後まで歌い続けてくれたのは天晴れ。その後もライヴは続き、なんとアンコールにも応えてくれるというサービスっぷりに、お腹いっぱいになった110分だった。*小田
21:30〜 ■BEASTIE BOYS @ GREEN STAGE
アッシュを最後の曲のイントロまで聴き、ホワイトからグリーンまで鬼ダッシュすると、ほぼオン・タイムにスタート。ミックスマスター・マイクのDJプレイの後に、スーツ姿でキメた3人が登場した。この日のライヴは全編インストの新作『The Mix-Up』のツアーとあってどんな構成とかで来るかと思ったら、いい意味でユルユル。04年のサマソニや05年の武道館のようなキメキメの流れではなく、勝手気ままに楽器を持って、離して。おなじみのヒット曲からムーディなインスト、初期ハードコアで盛り上げる。その選曲ぶりもまさかの“Egg Raid on Mojo”や、生演奏版“Remote Control”、“No Sleep Till Brooklyn”で大合唱なんていう夢のような一幕も。アンコールは“Intergalactic”→“Heart Attack Man”という大胆なつなぎの後に、アドロックがフジ出演への感謝の言葉を述べて“Sabotage”! マニー・マークが転がりまくるわ、インストに戸惑っていた観客も暴れまくるわで大団円。同じ時代に生きてて本当に幸せだなーと思いました。*田家
22:20〜 ■BOOM BOOM SATELLITES @ WHITE STAGE
いよいよ〈WHITE STAGE〉の大トリ、BOOM BOOM SATELLITES! 会場は踊る気満々な観客の熱気でパンパンに膨れ上がっている。最新作『On』のテイストそのままに骨太ストレート。二人でステージ中央に出て客を煽りまくったりと、ここんとこの彼ら、かなりロックです。昔みたいなバキバキなブレイクビーツと文化系的な堅さがよかったんだけど……と、往年のファンとしては少々複雑な思いもあったものの、その変化が彼らの強い信念に裏打ちされたものだと実感し、納得。特にヴォーカリスト・川島の存在感が光る。やっぱりカッコイイ。目にも耳にも一分の隙もない。ここまで手堅いとかえって単調に感じたりしそうなものだが、そこはさすがに歴戦の勇士、フロアで鍛えた貫禄をこれでもか!と見せつけた。アンコールは今や定番“Dress Like An Angel”〜“Ghost And Shell”。ひときわ大きな歓声に包まれ、颯爽と引き上げた彼らは、一段とたくましく見えた。*小田
00:00〜 ■SIMIAN MOBILE DISCO、JUSTICE @ RED MARQUEE
 | | シミアン・モバイル・ディスコ |
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テントの外にまで人が溢れ出すほどの大混雑だったこの夜の〈RED MARQUEE〉で、圧倒的に素晴らしかったのは、やはりシミアン・モバイル・ディスコだろう。スーツ・ケース大はあるエフェクター風の機材やPCをテーブルの四方に置き、その周りをメンバー二人がグルグルと周りながらプレイするというスタイルは、 | | ジャスティス |
| | DJながらも〈魅せる〉上手さが光っていた。セットは一時間弱と短かったが、その中でも得意のアシッド・シンセでジワジワと場の空気をビルド・アップし、後半にはクラクソンズの“Magick”を投下して、観客を熱狂の渦に巻き込んだのも見事。一方のジャスティスは、ステージ前に光る巨大な十字架を置き、彼ららしいゴシックで不気味な雰囲気を演出。プレイする曲は、どれも原曲のカット・アップやディストーションを更に強調したものとなっており、機能性重視のただ踊らせるだけのダンス・ミュージックとは一味違う、刺激的なプレイを見せてくれた。*小林
▼文中に登場したアーティストの作品を紹介
| | 1月にリリースされた湯川潮音のミニ・アルバム『雪のワルツ』 |
| | 1月にリリースされた!!!の最新作『Myth Takes』 |
| | 7月にリリースされたリリー・アレンの来日記念盤『Alfie EP』 |
| | 7月にリリースされたファイストのセカンド・アルバム『Reminder』 |
| | イギー&ストゥージズ、33年ぶりのニュー・アルバム『The Weirdness』 |
| | 7月にリリースされた、ビースティ・ボーイズの新作『The Mix Up』 |
| | 06年にリリースされたBOOM BOOM SATELLITESのアルバム『On』 |
| | 6月にリリースされた、シミアン・モバイル・ディスコの初アルバム『Attack Decay Sustain Release』 |
| | 6月にリリースされたジャスティスのフル・アルバム『†』 |
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7月29日(日)
 | | ケミカル・ブラザーズ |
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11:30〜 ■DEERHOOF @ WHITE STAGE
予報では雨だけど見事に晴れ。前日の苗場食堂でのライヴも大盛り上がりだった、サンフランシスコのアヴァン・ポップ集団、ディアフーフを観る。朝イチだっていうのに、熱狂的ファンが前っつらに待ち構える人気ぶり。セットリストは“Milk Man”に始まり、アルバム『Friend Opportunity』の楽曲を中心としたもので、グレッグの木こりのような激しいドラムとジョンの狂気と美しさを混在させたギター、日本人シンガーのサトミの面白キャラが三位一体となって客足を止める。“Kidz Are So Small”でサトミは小鳥の人形を頭に乗せ、名曲“Panda Panda Panda”ではほのぼのダンス大会。MCでも、グレッグが山を指差して「ホラ、富士山。キレイダネ」と言って客から「違う違う」と突っ込みが入ったり、おもむろにタイム・テーブルを広げて「次、何見ル?」とか聞いたり、終始なごみムード。ラストには「長イ曲デス」と言って壮絶なメドレー&ジャムを披露して大喝采でした。*田家
14:10〜 ■toe @ WHITE STAGE
自分たちの音楽を求めて地道に活動を続けた日本のポスト・ロックの雄、toeが、ついに〈WHITE STAGE〉にお目見え。雨粒ちらほら落ちるなか、上々の客入り。ファンとしては嬉しい限りである。冒頭、HUSKING BEEのトリビュート・アルバムでタッグを組んだ元Cymbalsのヴォーカリスト土岐麻子と、最新シングルでプロデュースを担当したクラムボンのミトがゲスト参加し、華を添える。それでさらに勢いづいたのか、今日のtoeは絶品だ。もともと演奏力のある彼らだが、音に説得力がある。繊細かつリズミカル。そして何より、自分たちの音楽を伝えようという熱が込もっている。それにつられて、往年のファンも、初体験と思しき客たちも、気持ちよさげに身体を揺らしている。いい光景だ。hirokazuのどこかホワンとしたややウケMC(失敬!)も相変わらず。派手さはなくとも、確かな音を。そんな彼らの気負いのないスタンスが存分に表れた、ステキなステージだった。*小田
17:10〜 ■クラムボン @ WHITE STAGE
空気も冷え込み、雨はいよいよ本降り。そんななか、クラムボンの登場だ。夕景を彩る色とりどりのレインコート、空には無数のシャボン玉。そんな風景を嬉しそうに眺めつつ、一足早く現れたミトは、「寒くない?」と客を気遣う。1曲目は“Base,Base,Base”。ステージを駆け回りながら唄うミト、デカサン&ジュリアナ扇子で踊る原田郁子。え、いきなりコレ?? ……あまりのギラギラ感に、客は若干引き気味(汗)。でも、これはきっと、寒さを吹き飛ばしてあげようという彼らの優しさなのだ。その後はいつものクラムボン。鉛色の雲に覆われた〈WHITE STAGE〉を、ハッピー・オーラで包み込む。「新潟の地震で被災したみなさんに」とのMCに続き“バイタルサイン”が始まると、感極まったかすすり泣く声も……。もう少し観ていたかった気もするが、間違いなく一服の清涼剤を与えてくれた。終演時、誰かが発した「ありがとう!」という言葉が印象的だった。*小田
17:30〜 ■HAPPY MONDAYS @ GREEN STAGE
サイレンを合図にして、〈GREEN STAGE〉が昨年に引き続きレイヴ・オン。新曲“Jellybean”からスタートした今回のライヴをざっくり説明するなら〈再結成バンドによる新作中心のステージ〉ってことになるんだろう。でも、それがネガティヴな印象にならなかったのは、新作も過去のハピマン・サウンド=誰もが一発で飛び込めるあのグルーヴが基本になってるから! “24 Hour Party People”や“Wrote For Luck”が演奏されなくとも、あのダルな横揺れビートとベズの振るマラカスさえあれば、そこにマッドチェスターが出現するのでした。とは言えショーン・ライダー氏、ハイネケン片手に終始座り込んで歌うのは勘弁してください……。*澤田
18:50〜 ■BATTLES @ WHITE STAGE
入場規制がかかるほどの大混雑となった会場から熱い視線が注がれる中、通常のバンド編成の楽器に加え、無数のエフェクターやサンプラー、そしてMac2台という複雑極まりない機材がステージ上に用意されると、“Race:Out”からライヴは開始。滝のように汗を流しながら、バトルス特有の変拍子を一糸乱れることなく叩き出すジョンのドラムの上に、他のメンバーが細かいギターやベースのリフをその場でサンプリングして幾重にも丁寧に重ねていく。まるで針の穴に糸を通すような作業を繰り返して一つの曲を形作っていくその様は、ただ固唾を飲んで見守るしかないほどスリリングだ。そして並々ならぬ緊張感が場内を支配する中、“Atlas”でタイヨンダイのヴォーカルが入ってくると、堰を切ったように歓声が上がる。そう、今の彼らはスリリングなインスト一辺倒ではない。その以前より遥かに緩急がついたライヴは、入場規制も納得の完璧な内容だった。*小林
20:30〜 ■V∞REDOMS @ WHITE STAGE
ギター7本を合体させた自作打楽器〈セヴンナー〉2台(つまりギター14本!)をEYEがギャギャーンと打ち鳴らし、全1曲60分のトランス儀式がスタート。グルーヴの舵を取るトリプル・ドラムがアクロバティックな展開で楽曲の風景をバキバキと変えて行き、そこにEYEの奏でる様々なサウンドが緻密に絡み合う。ドラム、電子音、無限上昇音、セヴンナーの轟音、YOSHIMIちゃんの歌、EYEの絶叫。ステージ上から発せられるあらゆる音が、記号のような明快さでポンポン飛び出して来るのが気持ち良い。そして、それらの音の塊を足がかりにして、バンドがひょいひょいと上空に登っていく……そんなイメージが頭に浮かぶ。壮絶な演奏なんだけど、ものすごく爽快。サイケデリックを超えてスポーティ。延々先祖帰りを続けるようなV∞REDOMSの音楽遍路も、いよいよすごいところに来たなあ、と。*澤田
21:30〜 ■CHEMICAL BROTHERS @ GREEN STAGE
最終日のヘッド・ライナーは、もはやフジ常連の風格すら漂うケミカル兄弟。前回、2002年の出演時も、映像を駆使した未来派な演出で楽しませてくれた彼らだが、今回は、その豪華なセットをさらにスケール・アップ。音と映像、レーザーなどの照明群がシンクロしまくった一大オーディオ・ヴィジュアル・ショーを展開し、集いに集ったダンス・クレイジーを腰が砕けるほどに躍らせ続けた。「クラブ系はライヴが弱い」なんて言われたのも今や昔。もはや巨大ステージでは、ロック・バンドよりも、彼らのようなダンス・アクトの方に分があるなあと感じ入った次第。“Do It Again”に“Hey Boy Hey Girl”“Star Guitar”と新旧のヒット曲が接続されていく中、オールドスクールなテクノ好き(=筆者)が最も狂喜したのは、本編ラストに繰り出された“Chemical Beats”。宴はまだまだ終わらないとばかりに、不健康なアシッド音がビキビキと苗場の山に鳴り渡ったのでありました。サマー・オブ・ラヴよ永遠なれ! *澤田
22:20〜 ■JUNO REACTOR @ WHITE STAGE
ケミカル・ブラザーズの真裏だったということで、グレー・ゾーンの客が少なく、コアなファンが集まっている印象だったジュノ・リアクターのステージ。彼らの奏でるダークでトライバルでトランシーなサウンドに合わせて、光るヨーヨーのようなものを振り回して踊る人も数多く見受けられ、まるで野外レイヴ・パーティーのような雰囲気さえ漂っていた。曲間にヴォーカリストが「月を見て!」とMCするので見上げると、そう、この日は満月。場内の妖しげな雰囲気には更に拍車がかかり、ズブズブと深いところまで潜って行けそうな彼らの極上トランス・サウンドに、深夜0時過ぎまで心地よく身を委ねることができた。*小林
00:45〜 ■サイプレス上野とロベルト吉野 @ ROOKIE A GO-GO
最終日深夜の〈新人ステージ〉前……とは思えないほどのオーディエンスがひしめき合う中、鳴り渡るサタニックなへヴィ・メタル。上半身裸の吉野が客席に酒を吹きかけるのを合図に、横浜発の1MC&1DJ、サ上とロ吉のステージがスタートした。2枚使いで聴かせるイントロダクション、そしてパーリー狂いの夜遊び賛歌“LET'S GO 遊ぼうZE”。ピカソっぽいキュビズム柄のブルゾンという、いつにもましてヤバい服でキメた上野が、百戦錬磨のマイクさばきでフジロッカーを大胆にコントロール。“バウンス・祭”では〈THE PALACE OF WONDER〉中の客が垂直ジャンプで揺れまくる。TARO SOULとDEEP SAWERの横浜クルーも客演で大いに盛り上げ、“ヨコハマジョーカー”“Bay Dream 〜フロム課外授業〜”のアンセム2連発でちょっとウルッとくるほどの感動的な締め。ヒップホップ・アクトにとってはアウェーに思えるフジロックも、彼らにかかれば完全にホーム・グラウンド。集結したファンのあり余る期待に余裕で応える、貫禄たっぷりのステージングだった。来年はマジで〈GREEN STAGE〉登場!? *澤田
▼文中に登場したアーティストの作品を紹介
| | 06年にリリースされたディアフーフのアルバム『Friend Opportunity』 |
| | 06年にリリースされたtoeの4曲入りEP『new sentimentality e.p.』 |
| | 5月にリリースされたクラムボンの新作『Musical』 |
| | 7月にリリースされたハッピー・マンデーズ15年ぶりの新作『Uncle Dysfunktional』 |
| | 5月にリリースされたバトルズの初アルバム『Mirrored』 |
| | 3月にリリースされたBOREDOMS初のライヴ音源『SUPERROOTS 9』 |
| | 6月にリリースされたケミカル・ブラザーズの6作目『We Are The Night』 |
| | 9月5日にリリースされるジュノ・リアクターのニュー・アルバム『Goda & Monsters』 |
| | 1月にリリースされたサイプレス上野とロベルト吉野の初アルバム『ドリーム』 |
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