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 掲載: 2008/01/24
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注目のアコースティック・デュオがコリーヌ・ベイリー・レイ&冨田恵一参加のニュー・アルバムを発表!!
文/望月 哲
静岡出身のギタリスト・羊毛こと市川和則と富山出身のヴォーカリスト・おはなこと千葉はなから成るアコースティック・デュオ、羊毛とおはな。2人が出会ったのはいまから3年ほど前のこと。本格的にジャズ・シンガーを志すべく上京した千葉がインターネットのメンバー募集サイトを通じて、同じくバンドのヴォーカリストを探していた市川にコンタクトを取ったのがそもそもの始まりだった。
「東京に知り合いもいないし、まずはいっしょにやってくれるギターかピアノを探していたんですよ。そうしたら羊毛さん(ちなみに〈羊毛〉とは、当時の市川のハンドルネーム)のバンドがヴォーカリストを探していて。それで一度会ってセッションすることになったんだけど……」(千葉)。
「僕らが、はなさんに断られちゃったんですよ(笑)」(市川)。
「私は特にバンドに入りたいわけじゃなかったんで(笑)。そしたら羊毛さんがいたバンドもヴォーカリスト探しに行き詰まって、そのあとすぐに解散しちゃって。それで2人で組むことになったんです」(千葉)。
その名のとおり、まるで生成りの羊毛のようにふんわりとオーガニックなアコースティック・サウンドに乗せて、瑞々しくも凛とした歌声を届ける彼らの存在は、ゆっくりながらも着実に、耳の早い音楽好きの間に浸透していく。そんななか、昨年11月にリリースされたのが、アコギと歌のみによるファースト・アルバム『LIVE IN LIVING '07』だった。
「羊毛とおはなの音楽は、聴いてくれる人たちがそれぞれのイメージを自由に重ね合わせられるものになってると思うんです。『LIVE IN LIVING '07』は、音数が少ないということもあって、私たちの表現したい世界をわかりやすい形で聴く人に伝えることができたんじゃないかと思います」(千葉)。
そして彼らはこのたび、同作から約2か月という極めて短いスパンで新作『こんにちは。』をリリースした。全編バンド・アレンジで綴られた今作は、前作で試されたシンプルな音のスケッチに、ひとつひとつの音色をじっくりと丹念に塗り重ねていったような、聴けば聴くほどに味わいを増していくであろう作品に仕上がっている。
「前作に入っていた曲を今回も演奏してるし、下書きに色を重ねていったような感じで。いつも曲を作るときはバンド・サウンドで考えてたりするんです。それを今回うまく具現化することができて」(市川)。
「小説をドラマ化した感じっていうか(笑)。前作で描いた景色に、あえて私たちなりの色付けをして提供したのが、今回のアルバムなんです」(千葉)。
なかでも大きな話題を呼びそうな楽曲が、2人のフェイヴァリット・アーティストでもあるコリーヌ・ベイリー・レイが作曲を、そして日本ポップス界が誇るマエストロ、冨田恵一がプロデュースとアレンジを手掛けた“Falling”だ。
「冨田さんとの作業では本当にいろいろなことを学びました。作業の取り掛かりの部分――種を蒔くところまでは自分と大差ないことがわかったんですけど……そこから生える木の太さがまったく比べ物にならないこともよくわかって(笑)。この出会いを今後の活動に活かしたいですね」(市川)。
そして、今作には彼らにとっての幸せな出会いが、もうひとつ、さりげなく隠されているのであった。
「今回いっしょにやってるのって、羊毛とおはなをスタートさせる前に解散しちゃったバンドのメンバーなんですよ。巡り巡って、彼らと共に作品を作ることができたのも、本当に嬉しくて」(市川)。
事実は小説より生成り……もとい奇なり。数々の出会いを経て、健やかに成長を重ねてきた羊毛とおはな。これからも彼らは、さらなる出会いを重ねることで、そのサウンドの風合いをより豊かなものに変えていくことだろう。
※このインタビューは「bounce」誌 295号(2008年1月25日発行号)にも掲載されています。
| | 1月15日にリリースされた、羊毛とおはなのセカンド・アルバム『こんにちは。』 |
| | 07年11月にリリースされた、羊毛とおはなのファースト・アルバム『LIVE IN LIVING '07』 |
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PROFILE
羊毛とおはな 羊毛こと市川和則(ギター)と、おはなこと千葉はな(ヴォーカル)から成るアコースティック・デュオ。シティー・ポップ系のバンドで活動していた市川と、女性コーラス・グループなどに在籍していた千葉はなが出会い、2004年に結成。カフェを中心にしたライヴ活動で次第に注目を集めていく。2007年にコンピ『AFTERNOON TEA MUSIC FOR BLOOMING』にスティングのカヴァー“Englishman In New York”で参加。また千葉がGIRA MUNDO『Cidade de Luz』やコンピ『Apple of our eye りんごの子守唄』に参加して話題となる。同年11月にファースト・アルバム『LIVE IN LIVING '07』を発表。このたびセカンド・アルバム『こんにちは。』をリリースしたばかり。 |
文/bounce.com編集部 羊毛&おはなのナイショ話――2007年、おはなさんの歌声はこんな作品のなかでも響いてました!
■V.A.『りんごの子守唄』 ご存知、ビートルズの名曲を子守唄アレンジで聴かせる名コンピ・シリーズの第三弾。監修の鈴木惣一朗氏へデモ・テープを渡したその日に、〈ぜひ〉とオファーがあったという。
「鈴木さんからは、細かい指示はなかったですね。レコーディングの時も〈ちょっと声出してみようか〉って言われて歌ってみたら、〈いまのでオッケー!〉って。リハーサルだと思ってたのに(笑)。もっと歌いたい、って言ってみたんですけど、〈歌おうとすると力が入って面白くなくなるから、鼻歌みたいに軽く歌ったものが一番いい。だから、いまのでいいんです〉って(笑)」(おはな)。
「鈴木さんとは1回飲みにも行きました。〈静岡出身だよね?〉って言われて、そうです、って答えたら、〈絶対そうだと思った〉って(笑)。〈俺もそうなんだけど、静岡の人はホンワカし過ぎて音楽業界には向いてないから、大変だよ〉って笑顔で言われました(笑)」(羊毛)。
「それ、何となくわかる。いい意味でも悪い意味でもがんばらない(笑)」(おはな)。
「がんばらない、ってヒドイ(笑)」(羊毛)。
「(音楽や仲間が)好きだからやる、楽しくやるっていうスタンスが、鈴木さんも羊毛くんも似てるな、って」(おはな)。
■Lumiere『Diary 〜フツウの一日〜』 i-depのリミックスやカレイドのプロデュースなどで知られるイルマ・レコードの秘蔵っ子、ELMIOによるポップス・カヴァー・プロジェクトの初アルバム。千葉はながフィーチャリング・ヴォーカリストとして参加。
「あんまり日本語の曲を歌ったことがなかったので、必死で練習しました(笑)。レコーディングもすごく参考になって。ライヴの経験はかなりあったと思うんですけど、レコーディングとライヴって全然違うんですよね。マイクの位置とか声の出し方とか、自分で研究するようになりました。出来上がったものはリリースされた後に初めて聴いて。歌入れの時はベーシックなトラックだけだったのが、ハウスっぽい仕上がりになっていて驚きました。ELMIOさん、スゴイ!」(おはな)。
■GIRA MUNDO『Cidade de Luz』 元beretの奥原貢によるソロ・プロジェクト、GIRA MUNDOの最新アルバム。伝統と先鋭が同居する最新型のブラジリアン・ミュージックを、千葉はなが大貫妙子やSaigenjiらと共に歌っている。
「2006年の9月頃かな? 友達からの誘いでブラジル音楽関連の方が集まったイヴェントに参加したんですよ。そのとき、GIRA MUNDOさんにデモを渡したんですけど、某バンドの方が、〈はなちゃん、すごくイイよ〉って横からオススメしてくれたんです。その方、恵比寿のカフェでかけてもらっていた羊毛とおはなの自主制作盤を聴いて、〈CDはどこで買えますか?〉って、羊毛くんにメールをくださってたんですよね。その時のことがきっかけでGIRA MUNDOさんの作品に参加させてもらうことになったんですが、レコーディングは、やっぱり初めてづくしでした。ポルトガル語で歌ったり、英詞を書いてみたりで、すごく勉強になりましたね」(おはな)。
▼羊毛とおはなが参加したその他の作品。
| | 07年にリリースされた、極東ラヴァーズオーケストラのアルバム『サクラノウタ 〜Blooming〜』 |
| | 07年にリリースされた、極東ラヴァーズオーケストラのアルバム『デアイトワカレ 〜GRADUATION〜』 |
| | 07年にリリースされた、極東ラヴァーズオーケストラのアルバム『フタリノウタ 〜ドラマチック'90s〜』 |
| | 07年にリリースされたコンピレーション・アルバム『AFTERNOON TEA MUSIC FOR BLOOMING』 |
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