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 掲載: 2009/07/08 更新: 2009/07/15 |
着実にヒットを連発し、熱狂の輪をどんどん広げているPerfumeが約1年ぶりのニュー・アルバムを完成させたよ! グングンと上昇を続ける最強のポップ・トライアングルが次にめざすステージは……?
文/澤田大輔(構成) 自分たちの曲っていうのを忘れるくらいカッコ良い
2009年下半期の幕開けに相応しい重要作にして、今年最大の注目作。お茶の間からサブカル界隈までを席巻し、いまや押しも押されもせぬトップ・アイドル/アーティストとなったPerfumeの3作目『トライアングル』を形容するには、そんな言葉が似合う。三角形の記号で表記された読めないタイトルや曲目、ジャケットやアーティスト写真……といった諸々の情報が徐々にあきらかになるにつれて、こちらの妄想や深読みは日増しに増大。〈さあ、どう来るのか?〉と肩をいからせて問題のニュー・アルバムに対峙したわけだが……作品自体には思わせぶりな仕掛けや、あからさまな方向転換はナシ。キュートでダンサブルでエレクトロニックなPerfumeの持ち味はそのままに、楽曲のクオリティーそのもので勝負をかけ、前作『GAME』で到達した高みをさらに更新してみせるという、男気すら感じる(?)一枚となった。
「自分たちの曲ってホントに聴かないんですよ、普段。携帯プレイヤーに入れていても、Perfumeの曲が来たら飛ばす、みたいな。でも、このアルバムは全然飛ばさないですね。自分たちの曲っていうのを忘れるくらいカッコ良いです。スタジオで撮影してる時にアルバムをかけてもらってても、〈あ、何これ? かっこいい! あ、Perfumeの曲じゃん!〉って(笑)。そういうことがホントにあるんですよ」(かしゆか)。
大きく舵を切るような変化はなくとも、楽曲〜サウンド単位での新機軸は、もちろんあちこちに見い出すことができる。なかでも特筆すべきは、これまで以上に濃厚に漂いはじめた歌謡フレイヴァーだろう。CM曲として先にオンエアされていた“NIGHT FLIGHT”は、80年代初頭のテクノ歌謡のような趣きだし、“I still love U”は、まるでwink辺りのユーロ歌謡。こういうドメスティック極まりない音をプロデューサーの中田ヤスタカが採り上げ、かつ凄まじくクールなサウンドとして提示してくる手腕には、ただただ驚かされる。
「レコーディングの時はホントにベタな歌謡曲というか、振り切ったなっていう印象があったんですよ。〈これ、アルバムの他の曲と仲良くできるのかな?〉って思ってたんですけど、アルバムに入ってるヴァージョンは、もっといろんな音が加わってて、ちゃんと(アルバムのなかで)流れるようになってました」(のっち)。 |
ツンデレなアルバム
| | Perfumeのニュー・アルバム『トライアングル』(徳間ジャパン) |
オートチューンによってコーティングされた3人の歌声にも、これまで窺えなかった表情が見え隠れしているように思える。ブラジリアン・ハウス的な浮遊感たっぷりの“Zero Gravity”のヴォーカルなどには、どこか無防備で危ういニュアンスがあり、聴いていてドキリとしてしまう。
「今回、デモで中田さんが歌ってることが多かったんですよ。いままでは中田さんの教えで、〈あまり感情を入れないで〉とか〈冷たく歌って〉っていうのを貫いてきたんですね。でも、中田さんが歌ってるデモはちょっと歌謡曲っぽいというか、独特のクセみたいなものがあって。その影響が出てると思うんですよね、今回は」(のっち)。
「私は全体的に〈強く〉って言われてましたね。“Zero Gravity”のサビを裏声で歌ってたら〈そこは地声で強く歌って〉とか。無理だよって思ったから、練習の時だけは地声で歌って、レコーディングでは裏声で歌いましたけど(笑)。自分の意思をそこらへんで出してみました」(かしゆか)。
「私、あまり歌い込んでしまうとクセが出てきちゃうんですね。それが中田さん的にあまり良くないらしく、〈もっとフラットに歌ってくれ〉って言われてて。それをずっと守ってきたんですけど、ぜんぜん楽しくなかったんですよ、レコーディングって。〈言われるまま歌わなくちゃいけない〉とか〈音程だけが大事なんだな〉とか〈素材としか思われてない〉っていうのが、悲しく感じることもあって。でも、今回は楽しもうと思ったんですよね。せっかくのアルバムだし、私の好きなように歌ってみようと思って。だから、全然後悔とかないし、自分で聴いてても楽しいです」(あ〜ちゃん)。
また、歌詞の面でも、これまでにはない生々しさに触れるような場面が随所にあり、それがまた新鮮だ。都会に一人で暮らす女子の生活感を描き出したシングル曲“ワンルーム・ディスコ”はもちろん、ファンキーなダウンテンポ“Kiss And Music”なども、ブリンブリンのR&Bのように、なんとも肉感的な言葉が乗せられているのだ。
「“Kiss and Music”は、歌詞がオトナっぽ過ぎません(笑)? 情景が目に浮かぶような歌詞が多くてすごく想像が膨らむし、曲調もいままでにない感じで。イントロとアウトロに使ってる音もすごく好きですね。その世界に引き込まれる感じというか」(かしゆか)。
社会現象と呼べるほどの人気を得たがゆえに、分析の対象となり、いろいろと語られもしたPerfume。だが、なんだかんだ言っても、結局は〈いい曲〉っていう単純明快な魅力でここまでの快進撃をなしてきたわけで。そういう意味でシンプルに〈いい曲〉を並べてみせた本作は、極めて彼女たちらしい、まっとうな魅力に満ち満ちた傑作だろう。
「すごく音楽を聴いてる人にも〈すげえな〉って思ってもらえるだろうし、普段、そんなに音楽を聴かない人にも楽しんでもらえるんじゃないかなって。最初に聴いた時は、サラッと聴けちゃったんですよ。でも、何回か聴いているうちに〈あ、こんな音も入ってる〉とか〈ココとココがこういう関係になってて〉っていう仕掛けが見えてきたりとか。で、さらに聴いていくと自分に馴染んできて、〈ものすごく踊れるアルバムなんだ〉とか〈毎回感動できる〉ってことにも気付くっていう。ツンデレなアルバムです」(のっち)。
▼Perfumeの作品
| | 2007年作『Complete Best』(徳間ジャパン) |
| | 2009年のライヴDVD「Perfume BUDOUKaaaaaaaaaaN!!!!!」(徳間ジャパン) |
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文/出嶌 孝次 Perfume 『トライアングル』 徳間ジャパン
まだまだエッジーな存在感をストレートに証明する圧巻の仕上がり
着実なステップアップと諸々のセットアップ(とは?)を経て登場する3枚目のアルバム。何か意味ありげな記号のタイトルは〈トライアングル〉と読むのだそうで、3人の3作目という意味合いを直球で打ち出した印象でしょうか。全曲が中田ヤスタカのプロデュース、3枚のシングルで既出の5曲を軸にした内容は前作『GAME』と同じ。シングルのカップリング曲がひとつ未収録(今回は“23:30”)なのも、異様に格好良いpinoのTVCMソングがキックオフ的に公開される流れも同じですね。
それゆえか全体の印象も『GAME』から大きく変わるものではなく、またしても水準の高い曲だけが並ぶという贅沢な作りはそのままです。ちょっとYMOを思わせる遊びも挿入された件のCM曲“NIGHT FLIGHT”をはじめ、ハウシーな快感に溢れた“Zero Gravity”、鈴木亜美“flower”あたりから揺り戻してきた中田のジブリ感覚(?)が溶け込む80年代歌謡テイストの“I still love U”など、文句ナシの佳曲だらけ。ただ、収まりの良さというか、既出曲の座りの良さは前作以上で、最初にこういうアルバムを完成させてそこから順次シングル・カットしていたようにすら思えます。序曲からそのまま“love the world”に入るくだりや、サイボーグ的な“Speed of Sound”の後に人肌系の“ワンルーム・ディスコ”が上手く滑り込み、“願い”でしっくりシメる流れは素直にいいね〜と思ってしまいました。そういう意味でアルバムとしての完成度は前作以上だと言えるし、タイトルがバランスを重視した正三角形じゃなくて直角二等辺三角形なのも、まだ鋭角的な存在であろうとする意志(誰の?)の表れだったらいいのにな〜と思う次第であります。
『トライアングル』収録曲
1. Take off 2. love the world(試聴する♪) 3. Dream Fighter(試聴する♪) 4. edge(トライアングル-mix) 5. NIGHT FLIGHT 6. Kiss and Music 7. Zero Gravity 8. I still love U 9. The best thing 10. Speed of Sound 11. ワンルーム・ディスコ(試聴する♪) 12. 願い(Album-mix)
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