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L.L.COOL J太郎


掲載: 2003/05/01

ソース:『bounce』誌 242号(2003/4/25)
第21回 ─

巷でウワサのL.L. COOL J太郎に、宇多丸がリスペクト全開で挑む!!

文/村松 タカヒロ




『プッチRADIO』はタイトルが示すような〈ちょこっと〉した、しかし冒頭のダースレイダー(マイカデリック)による〈L.L. COOL J・太・郎・イズ・バァッッック!〉のヴァースを聴いただけでヨシッ!と叫びたくなるようなアルバム。これは話題になるし、お前をノックアウトする(だってママンがそう言ってたし!)。
杉作J太郎の履歴をここで詳しく紹介する余裕は、残念ながらない。とにかく彼はときどき「タモリ倶楽部」に出演する、前世紀中に筆を折った(らしい)マンガ家。彼に、マイクがまわってきたのだ。〈乳首が黒い/乳首が太い〉〈フェラチオ厳禁〉〈乳揉みテレフォン・ムラムラムラ〉……フィクションは彼方に放り上げられる。マッチョにして、いや、とことん非マッチョ。

 集まったのは剛腕ダースレイダー、エレクトロ・ブーガーズのビート聖者LATIN RAS KAZ、そして。杉作への惜しみないプロップス(字義どおりの支持。賞賛)を公にするRhymesterの宇多丸(師匠)! ふたりは、共有する話題を絡めつつ、対談をはじめる。

 
L.L. COOL J太郎(以下J太郎「〈モーヲタ〉ってひらたく言われちゃうとねえ、なんか(笑)。まあまあ、男がいかに生き、いかに死んでいくべきかというね」

 宇多丸「そういう話(笑)。ところで、〈L.L. COOL J 太郎〉って、始まりはYOU THE ROCK★が司会の〈GOOFY〉ですよね。あの時は俺、ジェラったなあ。〈あー! YOUちゃんの番組に杉作さんが出てる!〉って。だって杉作さん、俺の人格形成に大きく関わった、バイブルの一角を占める的存在なんですよ。たぶん高校生のときに〈ガロ〉とかを読んでからだったのかな。感涙に咽びですね……杉作さんは俺の〈理想の男〉です」

 J太郎「性的な意味じゃなくね(笑)」

 宇多丸「それが俺だけの見方かというとそうでもない。杉作さんと初めてお話したのはモーニング娘。の清里のコンサートだったんですけど、その場にいたモーヲタたちが杉作さんが帰られたあと、〈杉作さんカッコイイ!〉って口々に言ってて。ああ、俺は間違ってなかったと」
L.L. COOL J太郎のデビュー・ミニ・アルバム『プッチRADIO』(Pヴァイン)

J太郎「いやあ、もうホント、宇多丸さんと知り合えただけでもマンガ書いてて良かったなあと思いますよ。ほかにねえ、これといって余禄のない職業でしたから」
(ここでJ太郎、重たそうにゴールドチェーンを外す)

 宇多丸「そんな重くないでしょー(笑)」

 J太郎「最初は韻を踏むとか、ラップの意味もよくわかってなかったんですけど、ダース(レイダー)に教えてもらってね」

 宇多丸「ダースはすごい。もう、つんく♂ばりに〈ここはこうフロウしてください〉って。でも、杉作さんも飲み込みが早い」

 J太郎「そこの切り替えは早かったですよ。そのへんは〈加護魂〉っていうんですかねえ(笑)。本質がわかってなくてもできてしまうかもしれないっていう(笑)」

 宇多丸「それに、いい声です。張ったときに切り込んでくる声。歌っても叙情性の感じられる、優れた青春文学のような感じなわけですよ」

 J太郎「やってるうちに、自分の思ったとおりの言葉をストレートにぶつけたほうがいいってわかってきたんです。それがもしも、ヒップホップなんだとしたらですよ、ああ、なんて僕にピッタリなやり方なんだろうって思いましたね」

 宇多丸「それは非常に正確にヒップホップを把握した着地の仕方ですよ。よくぞそこまで! 逆に〈ああ、俺もラップやってて間違ってなかったなあ〉と思います」

 J太郎「形から入ったつもりはないんですよ。いやあ、ヒップホップって、いまいちばん熱いジャンルなんじゃないですか!」

 宇多丸「そこまで言わなくてもべつにいいですけどね(笑)」

 J太郎「リスキーなことしてるな、とは思いますよ。極端なことしてるんじゃないかなって。でもやりますよ、まだまだ! 言いたいことは山ほどありますから」

 
ところで、LLクールJの〈L.L.〉は〈Ladies Love〉の略だが、L.L. COOL J 太郎の〈L.L.〉は何を指すのだろう。

 J太郎「ポコチンのサイズですかねえ」

 宇多丸「そんな大きいんすか!?」

 J太郎「なわけないですよねえ(笑)。最近ポコチン大きいの流行らないですよねえ」

 宇多丸「そうですよ、ぜんぜんダメですよ! ポコチン大きいのなんか(笑)」

 ピース!

 ▼関連盤(?)を紹介。
J太郎が“淫トロ”に参加したW和田POSSEの『W.W.P.』(adjust)
LLクールJの『Radio』(Def Jam)

文/村松 タカヒロ

LATIN RAS KAZが語るJ太郎サウンド、そしてエディットの妙味

 LATIN RAS KAZはラテン・ラスカルズが神の手を振るった85年NYのラジオ局〈WKTU〉、もしくは〈KISS-FM〉のスタジオから現代に向け駈けてくるビートの、現時点におけるもっとも正統な馭者である。また彼は、ブレイクダンスの勇者たちを武者震いさせるビートを現在、独り占めにしているようにも思える。彼のビートはメガ・ミックスされ、エディットされたものだ。それは、〈ビビビビ・ビートトットト・ットゥ!〉に切り刻まれる。それは、いまが2003年だということが信じ難くなるほどガシガシ、している。「カザール、カンゴール、アディダスっていうファッションももはやコンサバ。本来ラディカルなことは、その対極にある」とのたまいつつ、L.L. COOL J太郎との仕事を「漠然と、ザ・ハードコア・ボーイズの“おら東京さ行ぐだ”みたいな感じをやってみたかった」と語る。

  「普段メガ・ミックスみたいなものをいろいろ作ってると、あれはマスター・ミックス・メドレーを本当に凝縮させた結果ですから、1曲にして1曲じゃないっていうところがあるんです。だからトラックを作るときも、普通の曲作りの概念でやってるとすごくもの足りない。エディットのおもしろさっていうのにも〈ドドドドッ!〉っていうガンショット・エディットだけじゃなく、〈オイシイとこ獲り〉っていう要素がありますから」。

 彼のエディターとしてのスキル、そして最上のエクスプレッションはもちろん『プッチRADIO』、そしてABNORMAL YELLOW BANDの『BEAVAL SUMMIT』で、また、彼が目ざとい海外のメディアに見つけられたところは英「Grand Slam」誌上にてチェックのこと。
LATIN RAS KAZのエディットを収めたABNORMAL YELLOW BANDのEP『BEAVAL SUMMIT』(DELIC)

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Tracked on 2005年6月14日 4時14分

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