ジャンルとしてのミクスチャーではなく……
移り変わりの激しい日本のロック・シーンで、良い意味でマイペースな活動を続けるLOW IQ 01が、シングル2枚を挟みつつ、2年8か月ぶりの新作『MASTER LOW 3』をついに完成させた。スマッシュ・ヒットとなったシングル“YOUR COLOR”“SWEAR”は当然のことながら収録……されていません! 〈シングル曲満載で、あと数曲入れてアルバム完成〉というイージーさの横行する世の中の流れとは別の発想。そんなところからも、彼の音楽の捉え方、作品ひとつひとつに対する実直な思いが伝わってくる。で、本作は、イッチャンのメロディーメイカーとしての素晴らしさもさることながら、アレンジャーとしての力量がさらにアップした内容になってます。ロック、ソウル、スカ、ファンク、ボサノヴァ、ディスコなど、さまざまなサウンドを、ジャンルとしてのミクスチャーではなく、自分の音としてしっかり昇華。〈AIR JAM系〉と一括りににされてた頃が懐かしいとさえ思えるほど、アーティストとしての成長度は目を見張るものがある。例えば、聴き触りの変化といえば、ギターの音。これは「ストラトを全面的に使ったから」だという。また、シングル・コイルの音の歪みの心地良さとか、その辺のこだわりもさすが。リリース・ペース云々に翻弄されることなく、良いものを作って、しかもセールスがしっかりあって、それでいて変にマニアックってわけでもないし。音楽好きからキッズまで網羅できる、ちょうどいいラインの音を作れる人ってなかなかいません。ある意味、今バンドやってる人たちにとっては理想的な存在なんじゃないだろうか。迷いに満ちてる今の日本のロック・シーンに一石を投じる作品、そんな言い方もあながち大袈裟じゃない!?