どんなに共演者を迎えても揺るがない〈主役感〉
もう、どんな人が参加していたって驚かない、前2作であれだけの……と言ってはみたものの、時の人たちをこれだけ集めてしまえるサンタナの吸引力には、やはりただならぬものがある。ラテン・コミュニティーを超えて、いや超えすぎて支持されてきたサンタナ。音が鳴れば瞬時にそれとわかるあの哀愁ギターとみんな絡み合ってみたいのだ、カーニヴァルの如く。宿敵(?)アース・ウィンド&ファイアの新作と本作を二股したウィル・アイ・アム(ブラック・アイド・ピーズ)やビッグ・ボーイ(アウトキャスト)らのフィールド横断組をはじめ、かつてサンタナが心酔した黒人音楽のグレイツたちの息子世代までもが顔を揃え、楽しげに渡り合うこの賑やかさよ。もちろん参加者はカーニヴァルの華やぎだけを求めてやってきたわけじゃなく、その儚さや寂しさも承知済み。サンタナの脇役は能天気なだけじゃ務まらない。“My Man”でのハッピーすぎる歌声が実は切なくもあるメアリーJ・ブライジ、“Twisted”で70年代ソウルマン然と振る舞いつつサンタナのギターといっしょに泣くアンソニー・ハミルトン、国境を越えた者同士がルーツを探り合ったような“Cry Baby Cry”でセクシーに絡み合うショーン・ポールとジョス・ストーンなど。しかし、これだけアクの強い役者が登場しながらサンタナの主役感は揺るがない。〈老いぼれたヴェテランが若手のエキスを〜〉という構図は皆無。これを現役と言うのだ。