ああ、もう! “Sick City”の途中で必ずスピーカーが壊れるの。このレコードには悪魔が憑いているのかしら?という感じ。あるいは友達がラジオから録ってくれたお気に入りテープが伸びきって歪みまくった“Miss Lucifer”に合わせてイイコトしてたらノイズの坩堝でアッという間にゴメン! 出ちゃう!って感じ。……てな字数稼ぎはさておき、冷静に聴けば、本作はいかにも古い(≠古臭い)。ジャグズ・クーナーとか。が、『Screamadelica』ではなく『Psychocandy』まで戻ってみたのは何気に正解で、禍々しさが立ちこめていた前作に比べて、いくぶんドリーミーなのも妙に今っぽい。特にケヴィン・シールズがミックスを手掛けた何曲かには狂力なサイケデリアが漂い、時流を自己流に引き寄せる彼らの魔法が顕著に宿っている。同時に、モロなロックンロールの引っ掻き方は無慈悲なほどだ。つまり、プライマル・スクリームは爪を短く切らない。