ファースト・アルバム『Songs In A Minor』でチャートをあっさり制し、シングル“Fallin'”の〈Song Of The Year〉受賞を筆頭にグラミーの5部門を総ナメするという出来過ぎたデビュー劇から2年。来日公演時の凛とした姿もいまだ鮮烈なアリシア・キーズがセカンド・アルバムをリリースした。今作はそのタイトルどおり好きにペンを走らせた日記のごとく、前作以上にセルフ・プロデュースが行き届いた仕上がりで、例えば、ラキムとナズを迎えた名曲“NY State Of My Mind”のリメイクと、グラディス・ナイト&ピップス“If I Were Your Woman”のカヴァーといった両極端なトピックも違和感なく同居している。プリンスにも通じるヨーロピアン風味や、ディープ・ソウル、ヒップホップなど諸要素の自然な導入にはまたも舌を巻くが、そこから生じたものを高潔で生々しく、しかも華やかに聴かせるアリシアは……才気走っているとしか言えない。凄い。